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140字小説集

27
投稿した140字小説をまとめました
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#ショートシヨート

140字小説「別名ウグイス笛」

140字小説「別名ウグイス笛」

鳥の歌声と呼ばれた幻の楽器があった

その楽器の音色を聞かせれば、聞いた者がどんな性格かわかったという
それは自分を殺そうとするのか、それとも助けてくれるのか、もしくは観察してくるのか

争いの絶えなかった時代
相手が敵対か中立か友好かが判別できた幻の笛は大変重宝されたという

「ホーホケキョ」

140字小説「半年で滅亡」

140字小説「半年で滅亡」

古代予言が解読された
『黒髪の王族により王家滅亡』
王家は予言の内容を重く受け止め
王族に黒髪の赤子が産まれた場合、命を摘むと決めた

予言解読から数十年
王族に黒髪の赤子は生まれなかった

しかし年々国力を落とした王家は
遠方の大国と縁を結ぶ為
王族同士の婚姻を決めた

大国から黒髪の王女が嫁いでくる

140字小説「浮気者の末路」

140字小説「浮気者の末路」

男は昔から危険な目に合う直前、悪臭を感じていた
食べ物が腐ったような気分の悪くなる悪臭
嗅覚を頼りに悪臭を避けると対人トラブルも乗り越えることができた

しかし今、男は恋人に追い詰められている

正面に座る恋人は微笑みを浮かべているが
恋人の手料理からは憎悪を煮詰めたような悪臭が漂ってきていた

140字小説「頭がよく舌の肥えた友人」

140字小説「頭がよく舌の肥えた友人」

男は友人に食事を振る舞いながら、なにか大会を開催して優勝したいと相談していた

騎士団の入団試験で、実績として大会優勝をアピールしたいようだ

友人は食事を取りながら考え男に助言を伝えた

男は助言を参考に大会を開催
そして苦難の末、優勝を勝ち取った

その結果、男は無事騎士団に入団

調理当番として

140字小説「鉛筆」

140字小説「鉛筆」

彼は身を削って仕事をする
時に心が折れ
時に道具として扱われた

同僚は彼のミスをフォローするが
そのせいで同僚も身を削り、くたびれ、汚れていく
彼はミスを押し付ける自分は同僚から好かれていないと思っていた

その上日々新人達との能力差を見せつけられる

彼は今後新人達に仕事を奪われていくと自覚した

140字小説「暴力的ナンパ撃退法の加害者と被害者」

140字小説「暴力的ナンパ撃退法の加害者と被害者」

女は紹介された男と目が合う

女はこの男があの時の男だと気づき、思わず拳を握る

他の男は覚えてないが、この男は瞳の色が自分と同じで、珍しく覚えていた

遅れて男も女に気づく

男は女の握られた拳に恐怖し、怯えで表情が歪む

互いの子供の変化に気が付かず、親は再婚を告げた

これから女と男は義姉弟になる