【読書感想文】人生を生きる
たかのてるこ『人情ヨーロッパーー人生、ゆるして、ゆるされて〈中欧&東欧編〉』
以前この記事で紹介した、たかのてるこさんの本をやっと読了した。
ヨーロッパ21ヶ国を2ヶ月かけて旅をした、たかのさん。
その中欧&東欧編(話としては後編になるらしい)。
スイスのインターラーケンからぐるりとトルコのイスタンブールまで。主に鉄道とバスで移動。
本に載ってる地図を見て、移動距離だけでも、「すごいなぁ」と思ってしまうのだけど、「旅は旅行じゃない」と仰るだけあって、内容と、一日の密度の濃さよ、と思う。たかのさんの行き当たりばったり感は、旅程のない「旅」ならでは。そしてそれは、イコール旅をする毎日への熱い意気込みや、旅への集中力の高さを意味する。
同じ人間をしているのが、申し訳なくなってくるような気持ちになる。
今年は前年よりも仕事に慣れたし、余裕綽々で読書がたくさんできるつもりだった。途中、図書館通いを復活させたりしたけども、結局あまりたくさんの本とは出会えなかった。
記録からみても、「今年は全然読んでないな!」と思う中で、たかのさんのこの本に、今(年末)出会えたことがなにかの奇跡みたいで、今年のベスト本にすることにした。
この本を読んで、たかのさんから大きな愛をもらったなあと思った。そして休職して、しょぼくれる私はすこし元気になった。
この本でたかのさんは、たくさんの人と出会う。
出会いに行く。
たかのさんは、英語も現地語もちんぷんかんぷんらしいのだが、果敢にコミュニケーションを取りに行く。
現地語の「こんにちは、ありがとう、さようなら」位はマスターしているようだけど、(ご本人曰く)覚束無い英語で、さらに現地の人も英語がさっぱりだと、コミュニケーションがどうにもならない。
でもその様子をコミカルに、そしてその場を楽しむように、きっと必死になってボディランゲージをフル活用して、旅をし続けたんだろうなと伝わってくる描きぶりで、人間としても、エッセイストとしても、とても憧れる。
そんな必死になって、生死をかけて自分を伝えようとしたこと、私はないもの。。。
この旅を経て書かれたこの本で、記憶に残ったこと。
それは、人生を生きるとは、人を愛するとは、すべて自分を愛することに繋がるということ。
自分を愛するとは、自分をゆるすこと。
人をゆるすこと。
自分と人を比べて、自分をイジメないこと。
人を思いやる気持ちと、自分思いやる気持ちの量は、まるでU字型の試験管に入っている液体のようだ、とたかのさんは書く。
自分を思いやる気持ちがたくさんあれば、人を思いやる気持ちもたくさんあるし、自分のことを蔑ろにする状態なら、人のことも大事にできない。
思いやる気持ちの液の量は、半々で同量。だからU字型の反対側の量も、自ずと決まる。片方だけ多いとか、少ないとかいうことはない。
人を愛する、人をゆるすと簡単に言うけど、それは自分を愛し、ゆるせていないとできないことだ。
自分と人を比べたり、自分を過度に責めたり、過去のできごとにとらわれすぎたり。
今というのは「過去の集大成」なのだけど、
「ものごとは何でも、必要ならうまくいくし、うまくいかなかったら必要ないってこと」。
たかのさんがボスニア・ヘルツェゴビナのモスタルで出会ったデイビッドという人の人生や、彼との出会いの話がとても印象的。
人から傷つけられ、人を傷つけ、ゆるし、ゆるされ、そして自分らしく生きていく。
人生はその繰り返しなのだと。
私は今、仕事で躓いて休職中。しょんぼりの毎日。
でも、そうじゃない。
必要があったから、今はお休みしていて、そして元気になったらまた歩き出せばいい。
その歩みも、人と比べるのではなくて、私の「踏み出すこの爪先は 未来へのコンパス」(moumoon「未来よ、私を追いかけろ」より)。歩もうとする道は、いくらでも選べて、いくらでも寄り道していい。逆走だってありだ。
人生を生きるって、きっとそういうこと。
私は白黒思考が強くて、何でも正解が欲しいし、探してしまうし、不正解って言われたらどうしようという不安の強い人だ。
でもそれも裏を返せば、慎重、真面目、几帳面といえなくもない。
一生懸命周りを見て、今は「自分の」ではないかもしれないけど、快適であろう答えを探している。
一生懸命足掻いて、抗って、「素敵」に生きてる。そういう自分が「大好き」でいいのだ。
「白黒思考だ、どうしよう」と苦しい時、それは白黒思考を見直すチャンス。白黒思考だと自分を否定しがちな自分に、「諦めないで」という自分からの合図。きっと大丈夫!
人生は旅。
日程も、予定も、道順もない。
歩んでいく先が私の人生。
旅を人と比べていいとか悪いとか言えないように、人生もまたいいとか悪いとか言えるものではない。
唯一無二のもの。
人生を生きる。
私は私でいい。
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色鉛筆で遊んでいる。だいぶ前に買って、のんびり進めているレッスンブック。
渡辺芳子『はじめての色鉛筆レッスンブック』より
りんご
中々のできばえ!
【今日の英作文】
偶然私はセールの広告を見つけました。
I came across advertisements of the sale.
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