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枕の上から天井を見下ろす

Neat'sという歌手がいて、その人の「MOA」というアルバムに入っている歌に出てくる歌詞の一節。

残念なことに、どの歌だったか忘れてしまった。

この歌詞を見た時、ハッとした。

そうだ! と思った。

私は眠れない時、いつも枕の上から天井を見下ろす。無重力の暗闇を漂うような感覚でいる。

天地が逆になって、枕の方に重力が働くのではなくて、天井に引っ張られていくような、不思議な感じ。

眠たいのに眠れず、妙なふわふわ感の中にいるせいかもしれない。

こういうハッとする、変な感覚を言語化できる人が好きだ。

月を暗い空にぽっかり空いた、光り輝く違う空間に繋がる穴のように例えたり(のは、一青窈だったような。。。)。

もう、知ってしまっているから。

何かで読んだり、知識があったり。月は天体で、物体で、別空間に繋がる穴なんかじゃない。

枕は天井より地上寄りにあって、重力は、どう頑張っても枕の下の方へ働いている。見下ろされてるのは、枕に頭を埋めている自分の方。

ピカソの「ゲルニカ」というタイトルと、その作品だけを提示された美術のテストがあった。

中学生の期末テストの話だ。

「どんな作品だと思いますか」

という、当時としては、かなり画期的なテストの記述問題だった。

私は残念なことに、「ゲルニカ」も、ゲルニカが都市の名前であることも、第二次世界大戦の反戦の絵だということも知っていて、それをその通りに書いた。

点数は忘れた。

でも、先生がテストの返却の際に、この問題に触れ、「ゲル状の何かで混乱を極めている、ニカ」と答えた人がいましたと言った。その生徒は「ニカって何?」とも書いたらしい。

その時は、「ゲルニカ」を知らないなんて! と思っただけだった。

でも、今思い返すと、いかに自分がつまらない生徒で、想像力がないかを思う。

「どんな作品だと思いますか」

と問われているのであって、「どういう来歴の作品ですか」と聞かれているわけではない。

「ゲル状の何かで〜」と答えた生徒はちゃんと解答している。自分の頭で考えて、思ったことをちゃんと書いている。その生徒のテストの点数は知らないけど。

私は、そういう頭でっかちな自分がつまらないし、自分で考えているようで、知識の書き写しをしただけの自分が恥ずかしいなと今は思う。

自由に答えていいような「どう思いますか?」を聞かれることは減った。

返事に困るような、「どう思う?」は増えたのに。「さあ、困りましたね」としか答えようのない返事しかない、質問は増えたのに。

私は枕の上から天井を見下ろすような重力があってほしいし、月が異世界に繋がる穴であってほしいし、ゲルニカがゲル状の何かであってもいいと思う(もちろん、ピカソの作品とは別の話)。

そういう発想の自由さや、柔軟性が欲しいなと思う。

今更の、ないものねだりかもしれないけど、、、

【今日の英作文】
「何年も実家で心の底からくつろぐことができません。」
"I've never been able to feel at home from the bottom of my heart in my parents' house for years.''

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