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フラッシュバック

最近、仕事でよく叱られる。

いいことか、悪いことか。

【いいこと】
お客さん扱いじゃなくなった!→だから叱られることも増えた。わーい(?)

【悪いこと】
1年経ってもできんことだらけじゃないか!→本物の「いい加減にしろ」の表れ。

叱られることは、仕方ないと思う。できないといけないことが、できていないのだから。だから言われた時に、なるべく「はーい」と言うようにしている。

私は顔や声に不安や怯えみたいなものが出やすい。自分を鼓舞する意味もあって、乗り切る方法として、叱られた時に「はーい」と言うことにしている。

緊張感が足りないくらいの返事をしないと、どんどん落ち込んでいってしまう。内側のネガティブ感情に飲み込まれて、立ち直れなくなるので、あえてそういう返事のしかたをする。

その効果もあって、叱られる度にごりごり削られるメンタルが、ちょっとだけ丈夫になったような気もする。

けど。

「はーい」という返事のせいで、叱られる口調は、たぶん日毎だんだんきつくなっていっている気もしている。

もちろん「はーい」なんて言わない時もあるけども。。。

この間、所長の朝の準備バタバタがマックスな日があった。

元々あんまりおしゃべりな人ではなく、焦ってる時は特に無口でぶっきらぼうになる。

そういうとき、正直何をして欲しいのかよく分からず、いきなり叱られて戸惑ったり、びっくりすることも多い。

バタバタの鬼になってしまった時の所長に、何かを聞く、何かの報告をするのは、一大事だ。(私には)清水の舞台的な感じだ。触らぬ神に祟りなしとか思っちゃったりする。

食堂は、食中毒が怖い。そのため検食を必ずとる。

どの食材に問題があったか後で分かるように、小袋に1個ずつ入れて、冷凍庫で保管する。

所長がバタバタの鬼になっている時、検食は準備中のところからもらうしかないこともある。

このときもそうで、薬味のネギを提供するときに使うスプーンがテーブルに出ていなかったため、そのスプーンを私が出して検食をとり、スプーンは薬味のネギのトレーに付けて置いておいた。

のが、間違いだった。

ご飯を炊くお釜を洗っていると、所長が何かを探している様子。「あっちもない、こっちもない、どこにあるんだー!きー!」といった感じで、あっちをひっくりかえして、こっちの引き戸を開けて閉めて、「ないないないないないない!」(注: 無言。私の脚色)(所長は焦っていると、何も言いません)

どこにもない!

となって、
「薬味のネギのスプーン知りませんか!(激怒)」

ああ、スプーンを探してたのか。と周りもやっと分かる。

あまりのただならぬバタバタと殺気立った様子にのまれて、「ネギのスプーンならここです」と私は恐る恐る申し出た。

スプーンは、薬味のネギのトレーに刺さっている。

所長「これやったの、俺だっけ?」(苛怒1)

私「いいえ、私です。申し訳ありませんでした」

口から心臓が出るかと思うぐらい、心拍数が上がって、吐き気がした。

所長「ちゃんと確認しなかった俺が悪かったね!」(苛怒2)

「申し訳ありませんでした」と自分が言った辺りから、実は数分の記憶がない。所長の(苛怒2)のセリフもあやふやだ。

謝ってから、どうやってまたお釜洗いに戻ったのか。

気がついたら、お釜を洗い終わり、気がついたら、冷蔵庫の拭き掃除をしていた。

その日は一日、自分のした余計なことにしょんぼりし、所長の激怒と、殺気立ったバタバタが、フラッシュバックするみたいに何度も何度も頭に浮かんで、心臓がその度にがんがん心拍した。

吐き気がして、泣きそうだった。

吐きもしなかったし、泣きもしなかったけど、自分が情けなくて、残念で、悔しくて、ひたすら申し訳なかった。「自分、いい加減にしろ」と思った。

お昼ご飯も、帰宅後の夕飯も、味がしなかった。次の日もバタバタする殺気立った所長の様子が頭にフラッシュバックして、心拍数がどんどん上がっていき、その度に吐き気と戦う。

自分が弱くて、情けないせいだと思った。

私の弱さに、心臓まで参加しなくてもいいのに。吐き気まで参加しなくてもいいのに。

ぼうっとする時間があると、フラッシュバックするらしい。ふとした隙間にやって来て、心臓がばくばくし、吐き気がする。

自分(の頭と体)は何を拒否ってるのか。フラッシュバックしたいのは、なんなのか。よく分からない。

フラッシュバックなんかしてる暇があったら、まじめに反省したらどうだ、と思った。

ただ、フラッシュバックをやめる解決策はないだろうとは思う。私のバカに付ける薬もないだろう。

落ち込む。

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