記事一覧
2024年のうた (四月)
2024年のうた四月
かたむけないで声をきく明恵の右耳フィンセントの左耳
自然化をされる以前の環境の自然のままの自然をおもう
生きてればきっといいことあるよっていっておくれよ左官長兵衛
あちこちにぶつかりまくりよろけたりへこへこしたりへらへらしてる
近づけば近づくほどに血の気が引いてゆくようで春にとまどう
音楽をきいても耳に入らない食べても味がしないみたいに
ゆらゆらと揺らいでひとり
世界から隠れて屋根の上にいる空に浮かんだステンドグラス
そよ風になり蝋燭を吹き消し寒々とした部屋で名を呼ばん
無邪気さはきっとあなたを失敗させる皮肉屋でないのは奇跡
摘めるだけ摘む薔薇の花もしそれができぬのならばここを逃げ出す
散歩する町はずれまでぶらぶらと宙に浮かんで地に触れぬ足
絶望を照らすランプの灯りこの暗い時間に何をすべきか
退屈で死ぬことになる人類史上初めての人になります
氷が溶けてまた夏がくる冬があったことなどすぐに忘れる
宙に浮いたままになるその暗く深い思考がわたしは好きです
遅すぎたもはや銃では勝ち取れぬのだ楽園は打ち捨てられた
すべてみな台無しになる叡智によって人々が泣き叫んでる
玄関先にいた猫と同じ邪悪な目をしてるデヴィルウォマン
「最恐のカリスマ」を見る
「回路」と「カリスマ」と役所広司
過日、黒沢清監督の映画「回路」(二〇〇一年)がBS松竹東急で放送されていたので、録画して視聴した。最近は、テレビ番組をそれが放送されている時間帯にそのまま見るということはとても少なくなった。今春で、いつも土曜日の夜に見ていた「ブラタモリ」が終わってしまうらしい。これによって、さらにまたリアルタイムの視聴の回数は減ることになるだろう。基本的に見たくなるような番組が
今はもう地下にもぐっているようだ愛する人はみな死んでいる
さあ手をとって髪に花飾りつけ瞳の奥の心を覗く