ウラジロガシ

好きなものは桜と欅坂46と櫻坂46。 時々ガンダム。 最近「あれこれそれ」が増えたお年…

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好きなものは桜と欅坂46と櫻坂46。 時々ガンダム。 最近「あれこれそれ」が増えたお年頃。

最近の記事

引きこもる時間はない 〜櫻の旅路を共に歩く〜

何かにどうしようもなく心が惹かれる理由を考えると、 「理屈じゃないんだ」という一言に集約される。 それでも言語化させてほしい。 これを読んで「ふざけんな」とか「それは違う」と思う人もいるだろう。 それは正しい。なぜならあなたと私は別の人間だから。 違うと感じるのは、正しい。 しかも、前に書いたものと重複している部分もあり、長い。 それでも読んでくれたら、それはそれで私は嬉しい。 私は2017年の秋、私はあるMVに出会った。 公開されて間もない欅坂46の「風に吹かれても」だっ

    • 傷を愛せるか。9→0の蛹

      数日前、ある夢を見た。私は昔から夢をよく覚えている。 一番古い夢の記憶は幼稚園児の夢だ。 今でも、まるで昨日の体験のように覚えている。 幼稚園児の頃の夢の話はさておき、数日前に見たのはスーツケースの夢だ。 私は街の中を一生懸命歩き回っている。目的地に向かって歩いているようなのだが、いつの間にか違うところへ行っている。そうしているうちに、私はスーツケースをどこかに置き忘れたことに気づくのだ。スーツケースを取りに行かなくちゃ。そう思っている自分と、もういいやと思っている自分がい

      • 条件反射で泣けてくる-記憶の補完と保管-

        信じてもらえないかもしれないが 私には0歳児の記憶がある。 次に古い記憶が3歳頃。 幼稚園以降はもっと鮮明だ 運動会の練習がきつすぎて 「具合悪くならないかな」と思ったこと、 その年代に見た怖い夢の 内容まで詳細に覚えている。 そんな私だが、幼少期の出来事は 覚えていないことの方がもちろん多い。 少し前、二人の幼馴染のお母さんに会った。 久しぶりに会ったAちゃん母もBちゃん母も 私との再会をとても喜んでくれた。 病気がちだった私は他の子と 同じようにできないことがたくさ

        • 夏の近道を駆けあがる

          三月四日、五日の櫻坂46三期生おもてなし会。 いつか櫻坂46の歴史を振り返った時、 この二日間は大きな意味を持つのではないか。 初日に現地参戦し、二日目に配信を二度見た私は 興奮と喜びの中でそう感じた。 いや、それよりもっと前、 三期生のVlogとドキュメンタリーを見て 新しい風が軽やかに吹いているのを 感じたのはきっと私だけではないだろう。 おもてなし会の会場で会った FFさんたちと入場する時、口々に言った 「なんでこんなにワクワクするんだろうね」 という言葉がBudd

        引きこもる時間はない 〜櫻の旅路を共に歩く〜

          恋。驚きの吸引力。

          二十歳の時、恋をした。 出会った瞬間、その人と目があって言葉を交わした瞬間、 体ごと心ごと、その人に吸い寄せられた。 ダイソン並みの驚きの吸引力である。 当時はまだダイソンはなかったけど。 背はそれほど高くなくて、 口が大きくて、愛嬌があるタイプ。 ああ、私はこういう顔が好きなんだ、と自覚した。 それなのに、家に帰ってその人を思い出そうとすると、 どうしても顔が思い出せない。 その人のことがとてもとても好きなのに。 その人の顔も、とてもとても好きなのに。 いつものカフェで

          恋。驚きの吸引力。

          アイドルと物語─菅井友香という紡ぎ手

          人は誰でも、自分だけの物語を持っている。 しかし、よほど親しい相手でなければ、 自分がどんな経験をし、そこで何を感じ、 どう変化したかを語ることも、 また他人のそれを知ることもあまりない。 なぜならそれはとても個人的かつ センシティブな領域であり、 それを知ることは、 人の心のなかに踏み込むことだからだ。 しかし、そんな個人の物語を特に求められ、 そしてコンテンツとなっている人たちがいる。 それが芸能人であり、アイドルだ。 昔から雑誌などにはアイドルの 生い立ちのマン

          アイドルと物語─菅井友香という紡ぎ手

          あの子の背中、私の帽子

          中学生の頃、とても気の合う友達と出会った。 ちょっとやんちゃでコミュ力が高くてかわいい子だった。 対して私は部活も生徒会もやっている優等生だったから、 「なんであの子と仲がいいの?」とよく聞かれた。 好きな音楽も、放課後の過ごし方も 全然違う私たちには共通点があった。 それは、自分に自信がなくて、 小さなことですぐに心が揺らぎ、傷ついてしまうところ。 タイプが違うのに分かり合える人がいると知ったのは、 彼女と出会ったからだ。 別々の高校に入ってからも、よく彼女の家に行った

          あの子の背中、私の帽子

          カリスマ─菅井友香と卒業と

          「推す」とは、日常生活では感じない感情を体験することだ。 コロナ禍で人に直接会うことが以前よりハードルが高くなった今、 多くの人が何らかの「推し」を持っているのはそう言うことかもしれない。 私にとって、欅坂46と櫻坂46を推すことは、 凪のように落ち着いた自分の暮らしの中では感じない感情の揺れを 感じることだった。 そのグループの中心にいた彼女が、卒業を発表した。 そう、欅坂から改名後の櫻坂を通してキャプテンを務めた菅井友香だ。 スマホで卒業のお知らせを見た時、リアルに

          カリスマ─菅井友香と卒業と

          テッパチ!と水戸黄門

          夏のドラマが始まっている。 数年前なら絶対見ただろう、面白そうなドラマがたくさんあるのに、 録画してそのままになっている。 ここ数年、ドラマをあまり見なくなった。 理由はいくつかある。 最も大きな理由は、欅坂46から櫻坂46を推すようになったこと。 アイドルはノンフィクションだ。 その活動を追うことは、そのまま成長物語を見ることだ。 もちろん、ありのままを見られるわけではなく、 ファンが目にするのは演出と戦略とクリエイティブによって 届けられる作品である。 つまり、これもド

          テッパチ!と水戸黄門

          僕のジレンマ:心が引き裂かれる

          櫻坂46の僕のジレンマの一節に、こんな歌詞がある。 ジレンマ でも君を一人だけ残していけない 心が引き裂かれるくらい この世には何一つ割り切れるものなんてない 最近、この歌詞がよく心に浮かぶ。 先日、中学時代の友人と久しぶりに長電話をした。 3時間ぶっ続けで話し続けた内容は昔のことはほんの少しで、 ほとんどが「今」のこと。 思い出話だけでなく今の話ができるから続いているのだ。 「今」の話の中には、お互いの心身の状態に関するものが多かった。 40代も後半になると、健康診

          僕のジレンマ:心が引き裂かれる

          櫻坂46初の卒コンで渡邉理佐に救われた話

          5月21日と22日、渡邉理佐卒業コンサートが行われた。 欅坂46時代を含めて、櫻坂46で卒業コンサートが行われたのは今回が初めてだ。 欅からのグループの顔が卒業してしまう寂しさと、 これまでにないほど大規模のイベントへの期待。 二日とも配信勢の私でさえそうだったのだから、 現地勢のその感情の揺れ幅は相当なものだっただろう。 そうして幕を開けた卒コンは、 欅坂から櫻坂という二つの坂を登り続けた渡邉理佐と 一期生の歴史をそのまま体現してみせるものだった。 1日目と2日目で多

          櫻坂46初の卒コンで渡邉理佐に救われた話

          【女であることを考えていたら櫻坂46に行き着いた話】

          私には、20代の頃からずっと考え続けていたことがある。 それは、「女であることってどういうことなんだろう」。 なぜあんなに考えていたのか、今振り返ってみるとよくわからない。 とにかく、女であるってどういうことだろう、といつも考えていた。 当時、こんなことがあった。 取引先を訪ねた時、若い事務の女性とちょっと話していたら、 横から「この子ね、もうすぐ結婚するんだよ」と誰かが口を挟んだ。 今なら考えられないと思うけど、そういう時代だった。 個人情報とか何それ、プライベートの話も

          【女であることを考えていたら櫻坂46に行き着いた話】

          歌の力を思い知らされた話

          音楽番組でよく使われる「歌の力」とか「音楽の力」という言葉。 使い古された、ある意味大雑把な言葉だ。 この言葉を聞くと、「北の国から’92巣立ち」の菅原文太の口調で 「歌の力って、何かね?」と言いたくなるのだが、 一度だけ、強烈に「これが歌の力というものか」と思い知らされたことがある。 それは、今からちょうど20年前のことだった。 アラサーど真ん中だった私は大学時代の友人K美と車で福島県に向かっていた。 福島には、共通の友人Y子がいた。 3L D Kで一人暮らしをしているY

          歌の力を思い知らされた話

          欅坂46と櫻坂46、二度目の思春期のその先⑥

          ものすごく乱暴な言い方になるが、 欅坂に出会うまで、私が抱いていたアイドルのイメージは、 コミュ力が高くてクラスの1軍感強くて いつもニコニコしていて、自信に溢れている、という感じ。 でも、欅坂はちょっと違った。作り笑顔じゃない表情。 一生懸命やっているがゆえに、枠からはみ出してしまう。 奮闘する彼女たちの姿は、そんなふうに私の目に映った。 ともすると叩かれるネット社会で無数の傷を負いながら、 自分らしさを表現する彼女たちの歌に、ダンスに、言葉に、 私は耳を澄ませ、目を凝ら

          欅坂46と櫻坂46、二度目の思春期のその先⑥

          欅坂46は返ってきた答案用紙だった

          自分がいいと思ったもの、 「これはすごい!」とか「この人素敵!」と思ったら人にいいたい。 それは、ある種の人間の欲求だと思う。 欅坂にハマッた私は、当然それを言いたくなったわけだが、 人によってはドン引きされるかもしれない。 欅坂がどうとかじゃなくて、 若い女性アイドルグループにハマってると言ったら ドン引きされるかもしれない。 言いたい。でも言ってドン引きされるのは困る。 でも言いたい。 そんな私の感情は二律背反。アンビバレント アバゥ。 そんな時、友人Cにランチに誘

          欅坂46は返ってきた答案用紙だった

          欅坂46と櫻坂46、二度目の思春期のその先⑤

          20代後半、私はのたうち回っていた。 それまで猛烈に忙しかった仕事が急に暇になった時期だった。 がむしゃらに進んでいた人生に、いきなり急ブレーキがかかった。 周りの友人が次々と結婚したり仕事で成果を上げるなか、 自分だけ足踏みしているような気がしていた。 とにかく苦しくて、それを口にしてしまう自分がいやだった。 当時、よく遊んでいたのが年上の友人Bだった。 心が安定していて、聞き上手で、共通の友人も多かった。 お互い独身で仕事も暇だったので、よく一緒に飲んでいた。 ある日、

          欅坂46と櫻坂46、二度目の思春期のその先⑤