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2022年の意味

2022年の意味
 僕は時々、「今日は人生の中でどんな意味があったのか」と考えることがある。最近は以前に比べて、とても忙しかったわけでもないが、それでも疲れて寝込むことがあるくらいには大変だった。その疲れの意味ですら考えてしまうようなこともあった。「僕は今何をなんのために頑張っているのだろう」と。

 そう考えるようになったのも、人生二度目の休学の選択があったからだ。先日僕の突然の休学が原因で仲の良い友人を必要以上に不安にさせてしまったことがあったらしく、その話を本人から聞いて謝った。その内容については友人のためにも触れないことにする。

 僕が大学に復学したのは、今年4月。つまり7ヶ月通って、再度休学をしたわけだ。今までとは違う学年の中に入り、全く知らない顔の人と過ごして、仲良くなって、でも僕が僕自身の理由で休学して離れ離れになって。まるで人生そのものの出会いと別れを短い期間に、再認識するかのように経験したわけだが、そのせいか休学をゼミのグループチャットで報告したとき、反応をくれたのは3人だけであった。それが多い少ないはひとまず置いておき、その3人は、「寂しい」「悲しい」「連絡は取り続けよう」と、声をかけてくれた。以前の休学のときも反応をくれたのはそのくらいの人数であったように思う。

 おそらく、人生の中で自分のことを本当に大切に思ってくれているのは、片手か両手に収まるくらいのものなのだろうと、二度目の休学を報告したときに思った。僕にとって、今年復学をして再度休学の選択を取るまでの間で、まず得たのはその考えだった。それに気づくための選択であり、行動であり、時間であったのだと思う。

 休学を選択する前は、もうすっかり退学するつもりであった。それを大学側に何度か相談していた。形式的には止められたし、それでも仕事以外の立場での意見もくれた。そうしてくれるのをわかっていたから、その人に相談したということもある。休学中にはある程度大学からの監視の目がある中で、大学が紹介してくれた職場で働いて過ごす予定だ。その巡り合わせや縁も、今年の意味の一つであると思う。


 全く別の話だが、2022年は寝坊による遅刻が多い年だった。もともと小中高校と僕は無遅刻の人間だった。それも説得力がなくなってしまうほど、今年は寝坊が多かった。あるアルバイト先の上司からは「遅刻魔」なんて呼ばれてしまっている。こういうように書くのはなんのメリットもないし、ただ自分の愚かさを晒してしまっているだけだが、自分の限界と、それに伴う結果を知れたことも今年の意味づけとして大きい。それにより信用を失ってしまったこともあるので、気をつけなければならないと思っているし、毎度毎度対策をしている。若いうちに気がつけたことが不幸中の幸いだと思っている。直す時間はまだあるのだ。有効活用していきたい。というか、直したい。


 何度も書いているが、長年片思いをしている女性に再会できたことも大きい。そのせいで何度も病んで、苦しんで、嫌になって、寝込んで、それでも好きでと繰り返して悪循環をしているわけだが、その感情の一つ一つや大きな流れは、とても作品を作る上で、書く上で役に立っている。上手く描けているかはわからないが、他人の苦しみを表現するにも、まず理解が必要で、理解するためには、経験しなければならないと知れた。これは人間としても、作品を作る表現者としても大きなものだと思う。


 今年の意味と、まだ1ヶ月ほど残っている段階で話すのは、とても気が早いと思うが、僕にとっては、精神的にも肉体的にも学び得たものがあり、人間関係についてもいろいろ出会い、生まれ、拗れ、離れと経験できたことは、とても身になった。鬼が笑わないように今年だけで話の範囲は終えるが、僕は「人生を変えるきっかけは出会い」と感じた。その出会いが、「初めて」か「再会」かなどといろいろ形は変わっているが、結局は人との出会いがその度に転換期となっているように感じた。

 こうして振り返ってみている間に、母から先日言われた「貴方は過去に生きている」が、とても核心を突いていると感じて、僕はそういう点では前に進んでいない、過去に囚われたままの時間を過ごしてしまっていると再度思った。E-girlsの「北風と太陽」という曲にこういう歌詞がある。

明日へと持っていく荷物など多くなくていい
余計なものを捨てる
それが大事なの
(E-girls 「北風と太陽」より)

僕は今抱えている荷物はとても多いのだろうと思う。手放し方もわからず、手放すことも恐れているように感じる。そのせいで前に進めずにいるのが自分でもわかる。ここ数年は、ある出来事(同居人に裏切られた話。以後どこかで詳しく記事にするだろう。同居人に「浦辺は本物の愛を知らないのだ」言われたことがいつも僕の中で引っかかっている)が原因で、過去にばかり囚われていたように思う。前に進むためにも今年は必要な時間だったし、これから前に進むきっかけになったようにも思う。今は僕にとって高く飛ぶためにしゃがみ込んでいる時間なのだ。飛ぶ方向である上を見ずしてどうする。

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