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信頼と尊敬につながる伝え方~神親ナビ体験記 #7 中級【講座】

神親ナビとは―――
コーチングや心理学の観点から、子育てを楽しみながら自立した子(自分の人生を自分の力で幸せにできる子)を育てるための学びをサポートしてくれる講座です。講師は“元・怒りんぼかーさん”こと、やまだともこさん(愛称ともちゃん)。詳しくはこちら→公式HP

#0 はじめに(この体験記を書く理由


***

今回の講座のテーマは「信頼と尊敬につながる伝え方」。

中級講座の一番のポイントととも言える回なので
じっくり詳しくお伝えする分、長文になります。
ハッピーな親子関係づくりにヒジョーッに役立つ内容なので
ぜひぜひ最後までお見逃しなく!

***

まず最初にワークで
子ども(または夫、周りの人)に対して
「なんでこんなことするんだろう。おかしいからやめてほしいんだけど」
「何度も言ってんのに、なんでできないんだろう」
と思うような事例を各自書き出しました。
そういう場面で、自分がどんな態度で、どんな言葉でそれを伝えているかも書き込みました。

<例Ⓐ>
お兄ちゃんが弟のおもちゃを取って泣かす
→「なんで意地悪するの? やめなさい!」


***

その気持ち伝わっていますか?

🌻Youメッセージが伝わらない理由

講師ともちゃん
「Youメッセージって伝わらないんだよって話を聞いたことありますか?」

Youメッセージとは?
コミュニケーションのやり取りの中で相手(You)を主語にした表現で、近しい間柄であればあるほど伝わりにくくなってしまいがちなパターン。
言った本人は単なるアドバイスのつもりだったり、原因を明らかにしたいだけであったとしても、相手からは「命令された」「禁止された」「評価された」「非難された」と伝わってしまうことが多いのです。
つまり「わかってもらえない!」と感じさせてしまいミスコミュニケーションにつながることが多くあります。

ともちゃん
「Youメッセージって『あなたはこうしなさい・もうやめなさい』『なんでそんなことするの』『あなたは意地悪ね』とかね。
(※まさに例Ⓐの伝え方)

主語が『あなた』だと伝わりにくいんですよね。
特に、親子のように近しい間柄であればあるほど伝わりにくくなるのは、
やっぱり『わかってくれているはずだと』とお互いに思っているからね。

なのに、『やめなさい』『やりなさい』『意地悪な子だね』『おかしいんじゃないの』みたい言っちゃうと
『わかってもらえてない…』と相手は思っちゃって
『わかってほしいのに、わかってくれない。もう聞かない!』みたいな気持ちになっちゃうんだよね。
決めつけられてる感じがするんです。

『そうじゃなくて、こっちがいいよ』ってただ軽いアドバイスをしたつもりだったり、『なんでそんなことしたの?』って、ただ聞いただけのつもりだったりしても
『わかってくれない』『もうしゃべりたくない』『聞きたくない』って反応が返ってくることもありますよね。

だから、多くの本とか多くの子育て講座とかで
『YouメッセージじゃなくてIメッセージを使いましょう』って言われています。
Iメッセージは、主語が私。
『お母さんはこういう風に感じるな』『お母さんは、こうだと思うよ』『お母さんは、こういう風にしてほしいな』みたい感じですね。

最初の出てきた例Ⓐを
Iメッセージの伝え方に変えてみると

<例Ⓐ>
お兄ちゃんが弟のおもちゃを取って泣かす
→「お母さんは仲良くしてくれたら嬉しいなぁ」

お子さんが小さいうちは、Youメッセージより伝わりやすいかもしれません。
『お母さんはこうしてくれたら嬉しいな・悲しいな』って言ったら素直に言うことを聞くこともあるかもしれないですけれど、
だんだん年齢が上がるにつれ…あとはカンシャクとか本人の興奮具合も関係しますね。
ときには、お母さんから『仲良くしてくれたら嬉しい』って言われても『いや、あなたを嬉しがらせるために兄弟仲良しになるわけじゃないんですけど…』みたいに感じるかもしれないですよね。」

🌻Iメッセージが伝わらない理由

Iメッセージが伝わりやすいのは、
あくまで相手に対する「信頼」や「尊敬」がすでにあるときです。
相手への信頼や尊敬があるからこそ、貢献感(相手の役に立ちたい気持ち)が湧き出てくるのです。
信頼関係や尊敬関係のないまま、相手への心配を伝えたり自分の欲求を伝えることもまた、ミスコミュニケーションにつながることがあります。

ともちゃん
「ある場面を何回も繰り返している…
たとえば、兄弟ゲンカのときに、いつもお兄ちゃんを怒りがちで、お兄ちゃんが『どうせ自分が怒られるんでしょ?』と思ってしまっていると
その場面において、お母さんの対応には『信頼できる、尊敬できるって思えないな』って気持ちが湧いてきちゃいますよね。」

「『勉強しなさいって言うけど、こっちの気持ち、いっつもわかってくれてないじゃん。今じゃないんだよ』とかね。
そういう場面で『うまくお母さんとコミュニケーションが取れないな』って子どもが思っていると『ママはこう思うよ』って言われても
『そんなの知らないよ。いつもこっちのことなんか考えてくれてないじゃん!』という風に思っちゃうんだよね。

だから、3歳とか幼い子が『ママ、ママ、大好き、大好き』って言っている時期は、Iメッセージで伝えても『ママが嬉しいならやる、悲しいんだったらやめる!』となることはありますけども
やっぱり成長していくに従って、その関係性の構築の状況によっては伝わらないっていうのはあるし。
だんだん思春期とかに入ってくると、『お母さん嬉しいな』って言われても『いやいや、あなたを喜ばせるためにやってるんじゃないですけどね』みたいになってくるものだからね。

Iメッセージも多用するとコミュニケーションとしては難しいかもしれない。
Youメッセージよりは伝わるにしても、Iメッセージも『完全に伝わる』ってことじゃないんだよね。」

🌻尊敬・信頼できる相手とは

ともちゃん
「みなさん自身が『信頼・尊敬できるな』『こういう風に関わってくれると気持ちがいいな』って思うひとはどんな人ですか?
どうしてそういう風に、そんなときに思いますか?
その答えを書き出してみてください。」

どんなことを書いたか、メンバー同士で話し合いました

***

あなたが伝えたいのは?

🌻怒りは第二次感情

ともちゃん
アドラーは『怒りは第二次感情』だと言っています。
第一次感情の次に出てくる感情なんです。
じゃあ、第一次感情って何かというと、不安・恐怖・嫉妬・寂しさ・無力感・自己嫌悪みたいなものです。
自分の中に受け入れがたい第一次感情があるときに、それを隠すために怒りを選ぶっていう考え方なんですよね。
寂しさ・妬ましさ・不安などの第一次感情が起こったときに『こんな風に思っているのは恥ずかしいな。こんな自分、嫌だな』と思って瞬時にそれらの感情を怒りで打ち消したりすることが多いんです。」

🌻本当に伝えたかった気持ちは?

ともちゃん
「最初に『なんでこんなことするんだろう』って思う行動を挙げてもらいましたよね。
ああいう場面で『私は本当はこういうことを思っていたんだよね』って感情があると思うんです。

『できるはずなのに』ってガッカリしたとか、何度言っても聞いてもらえない悲しさ、『私の存在って何なんだろうな』って寂しさみたいなものを感じていたと思うんですよね。
その第一次感情を探してみて、
子どもに本当に伝えたいことって何だったんだろうな?ということを考えてみてください。


このとき、
※否定語を使わずに考えましょう。

『こうしないでね』っていうよりは『こうしてね』と伝えたほうがいいです。
どうしても今してほしくないんだったら『代わりにこうして、するならここで、するならこのときね』っていう限定する場所や場面を伝えたり。

あとは、暴力が出ちゃうような場合だと『やめて』って言っても動きたくって殴りたくってという衝動を止めるってなかなか難しいことだから、
『殴るなら人じゃなくクッションにしてね』とか『声で発散させてね』とか
そういう言い方のほうが良かったりします。

『やめなさい』って言われても『やめられないから困っているんだよ!』ってときってあるんですよね。
感情に振り回されて、やめられなくて困っているので何か代わりのことを提案すると、その場はおさまらなかったとしても『次はこういう風にしようよ』って次回につなげることはできるからね。」

***

信頼される伝え方「かみおやできた」

ともちゃん
「はい、これは今日の肝です。というか、中級講座の肝です!
この7つのステップは、何度も出てきます。
困った行動に対してだけじゃなく、褒めるときにも使えます^^」

人は自分に興味・関心を持ってくれる人に好意を持ちます。つまり「あなた」に重点を置いたYouメッセージを効果的に使うことで信頼・尊敬関係を構築することができるのです。

ともちゃん
「『結局Youメッセージだったの?』ってところに立ち戻ったりするんですけど(笑)
なんでYouメッセージなのかと言ったら、
だって本当は自分をわかってほしいだもんね。
『あなたはこうだね』って言ってほしいんだもん。
間違った捉え方じゃなくて、合っている方で。『そう、そうなんだよ!』って感じることを言ってほしいわけなんですよね。
なので、Youメッセージを効果的に使っていくっていうのが一番伝わりやすい伝え方なんです。」

※【み】【お】【や】がYouメッセージ

🌻【か】感嘆(へー!うわー!!えー??)

ともちゃん
「ステップ1番目は、『感嘆』です。
『わー!』ってびっくりしている状態って『100%あなたに注目してますよ』っていうのを表現するのに一番簡単な方法だし、びっくりしているときに怒りって湧いてこないんだよね。
怒りを打ち消すために、『もう!』じゃなくて『えー!』って言ってみるみたいな(笑)
『何やってんの!』じゃなくて『わー!』って一回言ってみると怒りの感情が一旦収まるし、『今、あなたのことを見てますよ』って伝えるのにもすごく簡単で効果的です。」

🌻【み】見たまま/聞いたままを伝える(オウム返し「~なんだね」)

ともちゃん
「現状を見たまま言ったり、聞いたままオウム返しで復唱したり。
『お母さん、お兄ちゃんがおもちゃ取った』って言ったら『おもちゃ取られちゃったんだ』って言う。
例えば、きょうだいゲンカだったとして、妹のことを叩いちゃって妹が泣いていたら、『叩いちゃったんだね』もしくは『泣いちゃったんだね』『妹が泣いてるね』みたいな、誰が見てもわかる状態のことを客観的に話します。
これ、客観的と主観的って何が違うかっていうと
『意地悪したんだね』は主観的です。意地悪かどうかはわからないので。
『なんかボーッとしているんだね』『ダラダラしているんだね』も主観的ですよね。
『テレビ見てるんだね』は客観的だよね。
見たままの現状を伝えるのが客観的な方です。」

🌻【お】思っていそうなことを伝える(共感)

ともちゃん
「『そうだね』っていう共感、大事だね。
相手が思ってそうなこと。
『こうしたかったんだよね』『テレビ見たいんだよね』『殴りたくなっちゃうぐらい嫌だったんだね』『おもちゃ取られたら嫌だよね』とか。

『面倒くさいから学校行きたくないんだよね』って言葉で何かを伝えてきたら『面倒くさいんだね』っていうのは復唱であり共感だから【み】と【お】が合わさることはあるけどね。
『疲れてるんだね』って表情から読み取ってみたり。

現状を伝えてるのと一緒に
『あー、こぼれたー!』って驚くのも、【か】と【み】が混ざってたりとかするし。
なので、【か】【み】【お】は、いろいろ合わさることはあります。 」

🌻【や】やれているところを見つけて伝える

ともちゃん
「『すごいね』『さすがだね』『ステキ!』って称賛ですね。
ちょっといいところを見つけてみるという視点を持ってください。
『なんでそんなことするの!?』『やめてよ!』って困った行動に対して、褒めポイントを見つけて書き換えてもらおうと思っています。
今日できてなくても
『昨日はできたもんね』『こういうときは、できるもんね』とか。

嫌味になりそうだったらヘタに褒めなくてもいいです。
たとえば、兄弟ゲンカでおもちゃを取り上げるみたいなことだとしたら、
『欲しいものを欲しいっていうのは、アリだと思うよ』みたいに言えるならいいけど、褒められなくて嫌味っぽくなりそうならやんなくてもいいです。
褒めたいときは褒めてみてください。

そもそも、兄弟ゲンカするのも、本当に仲が悪かったら全く話さないし関わろうとしないから。
昨日もケンカして嫌な思いをしたのに、それでも関わろうとしてるって思うと『関わりたいんだね、仲いいね』って視点も持てるよね。

特に伝えたいことがなければ、ここまでで終わりでもいいんですが、こちらから意見を伝えたいときは、次のステップに移ります。」

🌻【で】それで!(Yes,and)

ともちゃん
「必ずYes,andの形です。Yes,butじゃなくて!
『そっか、嫌だったんだね』っていうのは共感なので『Yes』です。
で、この後に私たちが言ってしまいがちなのが『でも』butは否定に感じちゃうんですよね。
『そっか、嫌だったんだね。でもさ、叩くことないじゃん』みたいなね。

『学校いきたくないんだね』まで言えても
でもさ、昨日も休んだんだから今日は行ってみたら』『けどさ、お母さんは仕事なんだよね』、こういったのがYes,butです。

これをYes,andにしましょう。もう無理やりに!
『おもちゃ取り上げたんだね。そっか、欲しかったんだね。それでね、ママは優しくしてほしいと思っているよ』
『テレビ見たいよね。それでね、ママは早く支度してほしいんだって思っているよ』という風にね。」

🌻【き】訊く(~と思うよ。どう思う?)

やっとここで、こちら側の考えを伝えます。
そして、『あなたはそれを聞いてどう思う?』って質問してください。
Iメッセージで『お母さんはこういう風に感じるよ』『こうした方がいいと思うな』と伝えた後に、か・な・ら・ず、相手の意見を訊くんです。

『ギャーギャー言うより穏やかに話をしていてほしいな』『おもちゃ譲り合ってほしいな』『慌てるのは嫌だから早めに支度してほしいな』っていう話をして、『それでどう思う?』って必ず質問してください。
『やめなさい!』って言うよりも『代わりにこういうことしてみたら?』『ここならいいと思ってるんだよね、どう思う?』って。

で、表の左側に矢印がありますね。
訊いてみて『わかんない』『だって嫌なんだもん』って言われたら、もう一回、1番目の【か】から繰り返すんです。
『嫌なんだよね、そうだよね』『わかんないってことを言葉にできるのもスゴイ!』→『それでね』って、あきらめずにもう一回(笑)
『どうしたらできるかな?』『どう思う?』みたいなのをひたすら繰り返してみてください。

お母さんが求めているゴールじゃなかったとしても、子どもが何かしら答えを出して、『じゃあ、こういう風にしてみる』とか返事をしたら次が最後のステップです。」

🌻【た】楽しく終わる(うれしい!やったね!いぇーい!)

ともちゃん
「『できるじゃん!よかったわ。嬉しいな。じゃあ、それでやってみよう』って喜んで楽しく終わる。思い通りじゃなかったとしてもだよ。
『自分の気持ち言えたね』って認めて喜ぶ!

何か子どもが答えを出して、前向きになっていたとしたら、『そっか、いいじゃん、じゃあそれやってみようよ、よかったね』って子どもに伝えることで
『自分で答えを出すっていいことなんだな』とか
『お母さんとコミュニケーションをして答えるって心地良いことなんだな』って、ちゃんと記憶に残してあげてください。
『ほら、言ったじゃない』『あなたがそれでいいなら、いいけど!』とかで終わらせない。
最後はやっぱり笑顔! 機嫌よく終わらせるっていうのが大事。
『言うことをきかす』じゃなくて、『楽しく終わるぞ!』って心に決めておいてください。」

***

以上、
重要なポイントだらけだった講座の内容を
ボリュームたっぷりにお届けしました。
(実際はもっと濃いです…
まとめるのに息切れするほどの濃さ!)

次回は、この講座を受けての気づきをお伝えします!


(つづく)


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