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アーカイブ「災害時のトイレ事情」

みなさん、こんにちは。
今回は連載記事ではなく、「災害時のトイレ事情(2022年9月1日公開)」を知っていただきたいというお願いです。

災害時のトイレの備えを少しでも前進させることを目的として、これまでの災害時におけるトイレ問題の概要をまとめ、その深刻さを理解してもらうためのサイトを作成しました。

ぜひ、家族や友人、会社の同僚、団体の仲間などと、少しだけでもいいので会話の話題にしてくださるとありがたいです。日頃の話題にならないことは、いざというときも思い出さないからです。

#災害時のトイレ事情

アーカイブ 災害時のトイレ事情 https://www.toilet.or.jp/toilet-guide/example/

私が知る限りでは、阪神・淡路大震災以降、大きな災害のときは必ずと言っていいほど、トイレ問題が発生しています。

既にご存知の方が多いと思うのですが、トイレ問題が何なのかを簡単に説明いたします。

水洗トイレのうち、私たちが日頃、目にしているのは便器なのですが、もちろん便器だけでは機能しません。そりゃそうですよね。。。

水洗トイレというのは、給水設備、便器、排水設備、処理施設などがすべて機能してこそ成り立つ「水洗トイレシステム」なのです。
このシステムは、災害に強くはありません。
大雨や地震による停電、断水、設備損傷により、水洗トイレは使えなくなります。

くどいようですが、たとえば、揺れで排水管が外れたり、逆こう配になったりしますし、停電すればポンプが止まるので断水します。
液状化で排水管が閉塞することもあります。

また、大雨で浸水すれば、下水道も浄化槽も満水ですので、トイレからの汚水を受け入れることができません。

ですが、水や食糧と異なり、なぜかトイレの備えは忘れられがちです。
平時の備えもそうですが、災害時も対応が遅れます。

おそらく、支援物資も水や食糧が先行します。

しかし、必要になるタイミングという視点で見てみると、
現場では水や食糧より先にトイレが必要になるのです。

過去の災害では、発災後3時間以内に約4割の人がトイレに行きたくなったという調査結果もあります。

水や食糧は1日くらいは我慢できますが、排泄は待ったなしです。

このとき被災地のトイレでは何が起きているのでしょうか?

報道でもなかなかとりあげられないので、多くの人はトイレ問題を知る機会がありません。
知らなければ、備えにもつながるはずがありません。
トイレ問題もなかったことになってしまいます。

トイレ問題は命と尊厳にかかわります。

行政はもちろんのこと、自主防災会、企業、病院、学校、商業施設、あらゆる場でトイレ対策は必要です。
トイレの備えを考える第一歩として、このサイトを活用いただければ幸いです。

今日、とある会議があり、トイレの話題を出した途端に湧き出るように意見が出ました。
そのとき、私は気づきました。
トイレのこと、排泄のことを、聞く人がいないから意見が出ないんだ。
トイレや排泄は、日常の極みみたいなことだから、たくさんの困りごとや悩みがあるのに、誰も聞かない。
だから、なかったこととして時が過ぎていきます。もちろん、改善されることもありません。

いま、私たちがやるべきことは、日常会話の中でトイレや排泄をさらっと話題にすること、そして、困りごとを聞くことだと思います。
その積み重ねが、一人ひとりの小さな声に気づくことになりますし、災害時のトイレの備えにつながります。

アーカイブ 災害時のトイレ事情 https://www.toilet.or.jp/toilet-guide/example/


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