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11月20日の手紙 締め切りのある書類


拝啓

要領の良い方ではありません。
だからこそ、やるべきことが、予定していた時間に終わるとホッとします。
終わるまではどことなく緊張があり、頭の一部がアイドリングしているよう感覚です。
目の前にあることに真っ直ぐ向き合えないと言うか、あれをやってこれをやってそれをやってそして…と段取りを考え続けているようです。
この状態、案外脳が疲れます。
やるべきことと言ってもほとんどは大したことではありません。
生活をしていく諸々(もろもろ)です。
明日のカバンや衣服の準備、作り置きのおかずの調理、調理した時の器具の洗浄、家中回ってゴミ捨てのゴミをまとめる、新しいゴミ袋をゴミ箱にかける、風呂場の排水溝につけているネットを交換する、クイックルワイパーをかける、洗濯洗剤を入れて洗濯機のタイマーをかける、トイレットペーパーの補充をする、ハンドタオルを取り替える、洗濯をする、エトセトラ、エトセトラ。
生きているだけで、我々には手間がかかります。
そう言う全ての生活活動を、
どう言う順序で
どう言う時間配分に行うのか、
どれだけのクォリティでやるのか、
それはそれぞれによって心地よいレベルが違うので、誰も完璧には指示を出してくれません。
子どもの頃は、保護者がそういったことをやってくれていたけれど、一度大人になってしまうと、誰にもそれは頼めないことです。
一時期、お手伝いさんや執事がいるご身分の方やセレブはそういったことに苛まれないだろうから、うらやましいと思っていました。
でも良く考えれば、これらの基準を他人に説明し、指図すると言うのは別の意味での大変さがあるかもしれません。目をじっと見れば伝わるというものでも、ともに暮らしているから伝わると言うものでもないことですから。
どれくらいのクォリティを求めるのかについては特にお金を払ってお願いしても、完璧とはならないでしょうし、しっかり双方の合意を得るためには時間がかかるものでしょう。
生活の諸々をどなたかに委託するにも、それなりのテクニック、段取り力が必要そうです。
そのうち、ダスキンなどのお掃除サービスを頼んでみたいと考えていますが、
きっと頼むまでに、口コミを調べ、やり方を調べ、対応を調べ、ドキドキしながら臨むことになると思います。
そうなると自分でやった方が早い…となるかもしれません。

もっとドキドキするのは締切、提出期限がある書類です。
これは生活の諸々の段取り以上に苦手です。
友達のひとりは、締切があまり気にならないようで、しばらくその書類を置いておくことができます。
これは文字通り、サッと目を通した後、期日まで「置いておく」のです。
期日まで2週間ほどあれば、1週間と半分は手をつけないのです。
羨ましいばかりです。
その胆力!
脅威の能力だと思います。
こちらは、締切、提出期限がある書類が手元に届いた途端、カウントダウンが始まったような気がすると言うのに、締切日直前まで手をつけずに置いておけるなんて!
心配性であせりやすく、不器用で、段取りが悪い人間にはそんな挑戦はできません。
置いておくうちに、完全に忘れてしまったら?、
締切直前に予期せぬ出来事が起きて締め切りに間に合わなかったら?、
締切直前にさらに必要な書類があったら?、
想像以上に作成に時間がかかったら?と、様々なことが頭をよぎります。
いずれも理由なくよぎるわけではなく、何度も実際にやらかしたことがあるからです。
特に「置いておいた」結果、完全に頭から消えてしまうことについては、何度か失敗をしでかしています。
「後でやろう」と思って、次に気づいたのが、締切が過ぎてから、
もしくは
締切数時間前とい自覚した時の、
体に穴が空いたかのような感覚、頭が真っ白になり、体温がぐっと下がるようなあの感覚ときたら!!今書いていても寒気がします。
これまで周囲の人の温かさのおかげで致命的なミスにはならなかったとはいえ、自分の記憶力を全く信用していません。
経験上、「置いておく」のはミスのはじまり、なのです。

置いておき、忘れたとしても楽しく過ごせるなら、それに落ち込まないのなら、「置いておく」ことに全く問題はないと思っています。
しかし、このミスをきっかけに気持ちが落ち込むおか、うんざりした気持ちになるなら改善の余地があるでしょう。

そう考えてここ数年は、締切のある書類・仕事については以下のように対応しています。

①締切がどれだけ先かにかぎらず、できるだけ早く着手する。


締切を確認するのは大切ですがどれだけ先でも、少し始めておいた方がいいのは確かです。
着手できそうな部分を見つけておきます。
まずは取り組めそうなところを見つけるのです。

②時間にゆとりがない時に取り組むとミスが起きるので、直近で1番ゆとりのある日や時間帯を見つけ、取り組む時間を確保する。


焦ってしまうと大抵失敗するので、無理なスケジュールで取り組むのは避けたいものです。
1週間以内の中でまとまった時間を取るようします。
それ以上先延ばしにすると、やらなくなるのは確実です。「時間の隙間にやる」ではなくて、「やる時間を決めておく」のがポイントだと思います。

③書類の作成には勢いが必要なので、邪魔が入らない環境を作って、一気に作成する。


予定と予定の間に時間を取るのはお勧めできません。また、連絡が来そうとか、来客がある時も避けています。

④書類が完成するまで、決めた時間中は、他のことを一旦、棚にあげておく。


締め切りのある書類以外にも、人生でやるべきことはたくさんあります。
しかし、決めた時間中は、生活のための作業、家事、社交、運動などのことは忘れます。
作るべき書類のことだけ考えるように仕向けます。
不器用な自覚があるので、出来るだけ単純にした方が効果があります。
あっちもこっちもは考えられません。

⑤書類が一度、完成するまで、やめない。


一度失速すると、再度動き出すのが難しくなります。雑なものでもいいので、ある程度の完成までやってしまった方が楽です。
間違ってもいいのでどんどん書き、
取捨選択や添削は後で結構で取り組みます。

⑥書類に完璧を求めない。


「きちんと」「ちゃんと」「間違いなく」と思うと嫌になります。
まあいいか精神が大切です。
とにかく書くのです。

以上の5項目を遵守して、なんとか今回も締め切りのある書類を提出することができました。

心の底からホッとしました。
のびのびした気持ちです。
やっぱり締め切りのある書類は早めに制作するに限ります。

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