REGRESS OR PROGRESS(退化か、進化か)
OUT OF DEEP SEA(深海からの脱出)
今日は宗田の好きなもの、偏愛的なことを書いていきます。
最後に少しだけ、いつもの「今日は何の日」について添えておきます。
1997年にMr.Childrenが行ったライブツアーで、
「REGRESS OR PROGRESS」というライブがある。
人気が絶頂期にあることで、メンバーそれぞれが自分たちの立ち位置にズレを感じていたその当時のことです。
それに加えて、世間からの注目が音楽以外のプライベートなことにまで目を向くことが増えていき、精神的にも追い込まれていくそんな状況で行われたライブ。
後にボーカルの桜井和寿が限界だったという精神状態で行われたライブで、ライブの中で「深海」丸ごと全曲を演奏してしまうという圧倒的な構成で、ライブのコンセプトが、「OUT OF DEEP SEA」。上記したように精神的なことでいえば、どんどん深海へ潜っていくような感覚を覚えるライブだった。
そういった意味でも、観客と一体感を生み出すような感じのライブはなく、ちょっといつもと違う特質的なライブ。
このライブには2枚のアルバムが深く関わっている。
上記なような状況において、桜井和寿が、Mr.Childrenというバンドが、作り上げたのが
2枚のアルバム。「深海」と「BOLERO」です。
この2枚ははじめ、2枚組で青盤「深海」・赤盤「BOLERO」として発売される計画があったと噂されていたことがあるアルバムで、それだけに切っても切り離せない繋がりのある2枚になっている。
青と赤を合わせることで初めて、3Dメガネのように、立体的に見えるというほどのものです。
双子のような、同一人物の別人格のような、他には類を見ない素晴らしい作品で、この2枚のアルバムを出し惜しみなく、絞り出されたライブがこのライブだったので、アルバムについて少し書いていきます。
2枚のアルバムについて
ボクがこのアルバムに出会ったのは、ふら~っと入ったヴィンテージのレコード屋さんで、
欲しいものが何も見つからなかったのだが、何も買わないとお店を出られないという微妙な感じの状況の中で、目に入ったのがこのアルバムでした。
目についたのは、アルバムのジャケットのせいもあるかもしれません。
(深海に沈む一つの椅子、それはアンディ・ウォーホルの電気椅子のようなイメージだそうです)
このジャケットデザインの影響もなくはないと思うが、このアルバム「深海」は、よく「Mr.Childrenファンであり続けるための踏み絵」と言われたりする。(Mr.Childrenが好きな人の中でも、賛否両論があることから)
感じ方は人それぞれだと思うので、個人的なことを書くとして、「深海」はアルバム全体が音が途切れることなく作られている上、コンセプトを持って作られていることから、1曲1曲が短編小説のようで、それでありながら全部が繋がっているので、超長編の小説を読んだような感覚にもなる最高なアルバムだと思う。
聞き終わった後に読了感を感じような。
サウンド全体がアナログな質感で作られていることから、そういった感覚になるのかもしれない。なんとなく小説を読むような紙の質感というざらっとあの感覚に似ている。
(至極、個人的感想なのでノークレームで)
そして、もう1枚のアルバム。
「深海」を買ってからはしばらく間、ずっとそればかりを聞いていた時に「BOLERO」が発売され、発売日に即購入し、擦りきれるはずのないCDを擦りきれるくらいの勢いで、聞きまくります。
「BOLERO」は深海に入らなかった、コンセプトとは合わないという理由から外した曲と、それを繋ぐように素晴らしいアルバム曲で構成されていて、ボーナストラック的に「Tomorrow never knows」が入っている。
(深海に入らなかったシングル曲が、単体でもすごいので、プロデューサー小林武史曰くベスト盤みたい…)
個人的にもすごくボリュームがあるアルバムだと思っているが、それ以上にその合間を縫うように、とんでもないアルバム曲が満載なのです。
このアルバムの中にあるアルバム曲は、当時の桜井和寿の心情が吐き出されているので、実はこちらが踏み絵として扱われるようなアルバムなのかと思っている。
(特に8曲目に収録されている「ALIVE」は、特に際立っている)
サウンド的には深海と対照的で、意識的にデジタルな質感に作られていることから、1曲1曲がひとつのドラマのようだが、アルバム全体で聞き終わると、超大作の映画を観終わったような圧倒的な感覚に飲み込まれている。
そんなアルバムです。
(深海のざらっと質感と違って、無機質にツルッとフィルムの感じ(何を言ってんの!?))
(こちらも個人的感想なのでノークレームで)
退化なのか?進化なのか?
桜井和寿、そしてMr.Childrenはその後も、
今現在においてもロックバンドとして活躍している。
それを考えると、今も進化し続けているのだと思っている。
1997年に活動休止をするという決断をしたことで、こうなっているのであれば、立ち止まるということも悪いことではないのだと思う。
何を書きたかったといえば、このライブがあったこと、それが記録として残されていることがすごいことだと思っているってことです。
今の自分が前に進んでいるのか、後ろに退がっているのか、と不意に立ち止まりそうになることがある。
そんなときはこのライブを見たり、2枚のアルバムを聞くことで、自分の立ち位置を確認したりしている。
そうすることで、自分のことをやっていくしかない。やれることをやっていく、やりたいことをやっていくという感覚を思い出させてくれるから。
本日、11月24日は進化の日です。
1859年の11月24日にチャールズ・ダーウィンが「種の起源」の初版を刊行したことから、今日が進化の日とされている。
進化の日ということで、思い出したのがこんなことでしたので、今回はこんな記事になりました。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます!
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