短歌と人 安野ゆり子-013 2024/04/19
海士町に降り立った安野さん。
まえがき:qbc(無名人インタビュー主催・作家)
「短歌と人」インタビューとは?
歌人でYouTuberの才人安野ゆり子さんを月1インタビューして世界にお届けするプロジェクトです!
登場人物紹介
安野ゆり子:20代後半。歌人、着物YouTuber。労働が苦手。元セクキャバ嬢、現スナック嬢とコンカフェ嬢。俳句もする。遊ぶところは歌舞伎町。障害年金がほしい。夫さんと離婚したいが離婚できないでいる。「一番やりたいことは、生活上のことでは、好きな人と穏やかに暮らしたいってこと」。自分なりの宗教がある。
夫さん:30代後半。安野さんの年上の夫。文芸団体の運営。
好きな人:20代後半。夫さんの文芸団体に出入りしていた。かっこいい。
安野さんのオリジナル曲
これまでの安野さん
第0回 2023/7/28実施。通常の無名人インタビューを受けていただきました。インタビュー時点での現在過去未来のお話。
第1回 2023/8/8実施。障害年金がもらえれば、お金の心配がなくなって夫さんと離婚できる。現在、夫さんとは別居中(だが、週一で夫さんは帰宅する)。短歌の鑑賞。
第2回 2023/8/25実施。短歌の鑑賞。夫さんとの馴れ初めの短歌。文芸団体の忘年会で初めて会った話。
第3回 2023/9/6実施。短歌の鑑賞。夫さんとの日常の短歌。「家にある皿の枚数気にしつつ決める今夜は土佐煮もつける」は佳作。
第4回 2023/9/21実施。障害年金不支給が決まる。友人の紹介で中野のスナック「ねぇ ムーミン」で週1労働開始。短歌の鑑賞。閉鎖病棟入院時の短歌。入院の理由など。自分の中で、短歌よりも音楽のほうが上だと気づく。
第5回 2023/10/5実施。引っ越しの予定を決める。お金は夫さんが出すが、夫さんは住まない(週一で会う)。短歌の鑑賞。障害者手帳と歌舞伎町の歌。
第6回 2023/11/9実施。中野のコンカフェ「ピンクスカートカフェ」で週1労働開始。短歌の鑑賞。母になりたいかわからない歌。
第7回 2023/12/6実施。再入院。音楽ライブ企画。好きな人との馴れ初め、三人の関係について。
第8回 2023/12/6実施。幼稚園時代の頃の記憶を紐解く。おばあちゃんとの関係について語られる。
第9回 特別回。安野さんのホロスコープと数秘術の鑑定結果を公開。インタビュー記事ではありません。
第10回2024/01/23実施。ホロスコープと数秘術の鑑定結果を直接お伺いしました。キャラクターがより立体的に。
第11回2024/02/13実施。2月頭に実施したライブ、短歌の出前授業、小学校低学年の記憶。
第12回2024/03/12実施。修行のお話と、小学校高学年の記憶。
第13回2024/04/19実施。<この記事です!
安野さん公式サイト
(qbcが勝手に作ったけど公認されました!)
夫に、旅行行きたいからお金くださいってメッセージを送ったら
qbc:
旅行に行かれたそうで。
安野:
そうなんですよ。5泊6日で旅行に行ってきたんです。
自分の宗教感がすごく強化された旅になりました。
具体的に言うと、自分は生まれたときに、アマテラスの系統の魂を引き継いで生まれてきて、好きな人とのやり取りの中で、自分は1回クシナダヒメになってるんだけど、この旅で、でも本当のお仕事は大黒様になることだっていうことに気づいて、これからは大黒さんとして生きていこうって思った旅でした。
qbc:
なるほど。
安野:
最初の日に境港に行って泊まって。次の日に船に乗って海士町に行って、次の日も1日海士町にいて。
その次が朝、船で境港に戻ってきて、そのあと出雲大社のあるところまで行って。だけどその日はお参りはしなくて、夕方だったんで。その次の日に、朝、出雲大社にお参りして、奈良まで移動して、最終日に奈良の街と、最後吉野に行って、それで東京に帰ってきました。
目的は、qbcさんが推してる海士町に行ってみるっていうのがメイン目的だったんですけど。障害年金が出たら海士町行ってみたいなって思ってて。
だけど、3月の終わりぐらいにちょっと「孤独の修行」っていうのをやってて、誰とも会わず、ツイッターも消して、みたいな。ちょっと今スナックのママが入院してて、スナック休みなんですね。コンカフェの方も、ちょっといろいろ思うとこがあってやめたんですよ。
職場もないから誰とも会わないし、友達にも会いに行かないしってことをやって、本とか読んでて。誕生日の日に1人で本棚を組み立ててて、ずっとダンボールに入りっぱなしになってた本を、やっと本棚に移したんですよ。
そのときに、心屋仁之助の、タイトル忘れちゃったから後でnoteの方には書いておきますけど、お金に一生困らない本みたいな本(正式タイトル『一生お金に困らない生き方』)が出てきて。それは母親がくれた本だったんですね。うちの父母は、心屋仁之助の年間会員みたいになってたときがあるぐらい、一時すごいはまってて心屋仁之助に。私に「これ読め」って昔くれて。
そこで「存在給を上げよう」みたいなことが書いてあって。存在給っていうのは、自分が例えば寝たきりとかになって、もうご飯食べて寝てるだけになったとして、自分は毎月いくらもらっていいかって思いますかって書いてあって。私は20万ぐらいかなって思ったんですよ。
それで次のページ行ったら、それがあなたが今考えている自分の価値です、存在していて、もらって良いと思っているお金ですと。確かに、今私ざっくり20万円ちょっとぐらい夫にもらってて。やっぱなんていうか、現実が思想に反映するし、思想が現実に反映してるよなって思って。お金っていうのは、働いた対価じゃなくて、自分が自分をどれだけ認めてるかっていうただのバロメーターだから、頑張って働いてるからもらえるとか、そういうもんじゃない。
だから、一生懸命身を粉にして働いてる人でも全然お金ない人もいるし。でもお金持ちの奥さんは、仕事もしてなかったり家事もお手伝いさんにやってもらったりしてるかもしれないけど、それでも優雅に暮らしてて、みたいな。お金って別に頑張って働いた対価じゃない、って書いてあって。その中で、行きたい旅行があったらもう行っちゃいましょうと。親とか家族とかにもお金もらってでも行きましょうって書いてあって。
それで自分もやってみようかなと思ったから、夫に、「旅行行きたいからお金ください」ってメッセージを送ったら、「いいよ」って即答で来て。次会ったときに、さっきの心屋仁之助がどうのっていう話をして、旅行でお金くださいって言ったら、11万円くれたんですよ。夫が。でまあ11万あったら、プラスちょっとカード使ったら行ってこれるなって思ったから、行って。それが旅の行く理由っていうか、始まりだったんですね。
qbc:
ソンザイキュウって、漢字はなんですか?
安野:
ソンザイって、普通に、存在している、していないの「存在」に、キュウはお給料の「給」です。
まずは、ちょっと飛行機乗りたくなかったんですよ。だから、1日で新幹線どこまで行けるかなって思うと、ちょっと船の都合上、境港かもう一つの方の七類港、どっちかに泊まらないと大変だなと思ったので、境港に1泊して。そうすると朝の、朝っていうか、結局あれか、昼過ぎか。昼過ぎのフェリーに乗って、ってことになった。
なんで飛行機が嫌かっていうと、まず乗り心地が悪い。私は飛行機の乗り心地が好きじゃないんですね。もう一つが、予約してるから、空港に1時間ぐらい前には行ってないと駄目じゃないですか。なんかそういう、夫と2人だったら1時間つぶせるけど、1人で空港で1時間も潰せないなって思って。だったら、新幹線だったら自由席適当に乗れば、来たのに乗っちゃえばそのうち着くから、電車がいいと思って。それでちょっとゆっくりなんですけど、1日目に境港に行きました。
で、その旅行で、海士町行ったから出雲大社も行くかと思って、帰りは出雲大社寄って。
なんで出雲大社かっていうと、この間の4月、違う3月ぐらいか。うちの両親が出雲大社に行ってて。全然計画っていうか、思ってもみなかったけど、行ってみたらお祭りやってた、新嘗祭かな。春のやつ。そのお祭りを見れてすごい良くて、みたいで。その神社自体もすごい神聖な空気でよかったみたいなことを聞いてて。私もそういう話を聞いたばっかりで、近くまで行くんじゃ行ってみようかなと思って出雲大社に行って。私は鹿が好きなので、最後に奈良寄って帰ろうみたいな、そういうルートでした。
境港に夕方着いて、でも、移動でも結構自分的発見だったのが、電車の中で本読もうとか思って本持ってったんですけど、読まなくて。じゃあ何やってたかっていうと、ずっと音楽を聞きながら車窓見てるっていうのをやってて。自分、耳に音楽入ってたらずっとぼーっとしてられるんだなと思って、結構すごいなと思ったんですよね。それが結構、長距離移動での発見で。
1日目のお宿は、そこは女性限定ドミトリーなんですね。でも、すごい方針ががっちりしてて、お酒飲んで盛り上がる系はやりたくないと。男の人はどうしてもお酒のコミュニケーションが好きだから、男性禁止っていう、そういう男性禁止の理由で。そこに集まった人で交流を深めましょうっていう、シェアハウス的な感じにやりたいみたいな、シェアハウスのノリみたいなのを宿でやりたいっていう方針の宿で。
そこのお宿のおじさんが、すごい教えたがりなんですね。ここ行けあれ食べろみたいな、教えてもらって。境港って水木しげるが生まれたところで、町を挙げてすごい推してるんですよね。境港のちょっと手前の米子から、もうすごい鬼太郎推しなんですけど。私、ただの前泊のつもりで行ってるから、そういうことも知らずに行ってて。最初はちょっと鬼太郎推しの具合にちょっとうまく乗れないっていうか、ちょっと引いちゃったみたいな感じだったんですけど。
「夜ライトアップ見るでしょ」、みたいにおじさんが言うんですよ。私はそのライトアップって、桜の時期だから桜のライトアップをしてるんだと勝手に思ってたんですけど、行ったら、境港の水木しげるロードっていう、妖怪の銅像というか銅なのかわかんないけど、像がバーって右と左に並んでて、1本道に。その像がライトアップされてて、しかも、上から光が落ちる街灯は、道に一反もめんとかぬりかべとか、そういうのが道に浮かび上がるようなライトを下に落としてて、そういうライトアップで。でも確かに妖怪の町なら昼間じゃなくて夜盛り上げた方がそりゃいいわと思って、なるほどなと、これは確かに見た方がいいなと思ったんですけど。
そこで見てたら、最初左側を歩いてて、だけどなんか急に右側に行ってみたくなったんで右側に道を渡っていって、そしたらすごい見たことある妖怪というか神様の像があって。それどういうのかっていうと、蔵の中に、龍の形をしたお金とかがバーッて入っていくっていう図なんですよ。それ調べたら、金霊(かなだま)っていう神様。それを見る、見るっていうか、その金霊の龍が立ってる家はこれから繁栄するよっていう、そういう言い伝えのお化けなんですけど。それが、私の働いてるスナックに、絵が描いてあって、貼ってあるんですよ。ママに、「私龍が好きで龍を信じてて」って話をしたときに、「ここに貼ってある絵は龍なんだよ」ってママが教えてくれて、「そっちに貼ってあるのもそれ同じだよ」とかって言って、店内に2枚貼ってあって。
こういう何か、蔵に入ってくる龍ってのがあるんだみたいな、かわいいとか思ってたんですけど。まさか何も思ってなくて、右側に行きたいと思ったその先にすぐ、同じのがいたからびっくりしちゃって。「金霊」っていう名前もわかって。何かそれだけで、この境港に来て、夜出歩いた甲斐があったと思って。
他にもこう、龍とかもいて、なんていうんだろうな。今まで龍とか、その神様みたいなのは仲良かったけど、妖怪とかちょっと嫌われてる神様みたいなのとも急に心が通って、自然に、像に全部名前が書いてあるんで、名前を呼んで頭をなでてかわいいねって言って、言って回るっていうのをやって。なんか、特に貧乏神と死神とすごく心が通じて、貧乏神には「大丈夫だよ」って言って、死神は撫でながら「70年後にまた会おうね」とかって言って、それを夜と、あと次の日の朝に全部、名前呼ぶのと頭をなでるの全員分やってきて、すごくその体験ができたのがすごく良かったんですよね。
境港全然何も思ってなかったけど、来て良かったしまた行きたいなって思ったところで。駅前に水木しげるの像があるんですけど、手を合わせて、「境港にお招きいただきありがとうございます」って言って、そういうことをやりました。1日目は。1日目と2日目のお昼まで。
2日目、3日目
qbc:
2日目。
安野:
2日目は、美保神社っていう、ちょっとバスで行ったところにある神社に、まず午前中行って、そこは出雲大社と対になってる神社で。出雲大社は大黒さんだけど、美保神社はえびすさんなんですね。それで対になっている神社だけど、その宿のおじさん曰く、出雲神社に1
00人行くとしたら、美保神社は5人かそれ以下しか行かないみたいな、地味な神社なんですけど、そこに行って。
それで14時25分の船に乗って、最初すごい大きい船に乗って。それも良かったけど、あの乗りかえた、「いそかぜ」だっけな、あのちっちゃい船? なんか10人から20人ぐらいしか乗れないような船がすごい良くて。私、長瀞の川下りとかが大好きで、水の中を爆速で進んでいって飛沫が上がるっていうのが大好きなんで。そういうのを体験できて、10分ぐらいだったんですけどすごい楽しくて。
それで海士町ついて、夕方だったんで、本当はqbcさんが教えてくれたなかむらさんに泊まろうと思ったんですけど、いっぱいで泊まれなかったんで、違うとこ泊まって。夕飯だけ、なかむらさんがやってる紺屋さんに行って。
そこで、「今日は綱引きだったんだよ」みたいなことを教えてもらい、綱引きは見れなかったけど、島で一番エネルギーがある日に来れたっていうのも、自分の魂の成長っぷりが伺えるなと思い。最後は紺屋さんの一家が、家族で楽器演奏してくれて。スガシカオがいかに好きかということを語ったりとかね、私はして。それで帰ってきて。
2日目が面白かったんですよね、海士町2日目が。前日に、まず昼にお酒一杯飲んでて、夜に紺屋さんで一杯飲んでて、夜中、お風呂をEntôで借りた帰りに、歌ってるのが聞こえたんでスナックに入ったんですね。スナックで一杯飲んだら、次の日にだるくなっちゃって。
私、3週間ぐらい断酒してたんですよ。久しぶりにお酒飲んだら動けなくなっちゃって。気持ち悪いとかじゃないんですけど、もうベッドから起き上がれなくて。今まで午前中に動けなかったのって、実は酒弱かったのかと思ったんですけど。酒飲んでたから午前中動けなかったんじゃんっていう気づきもありつつ。
だけど、お昼を食べに行って、あそうだ違う。最初は午前中に隠岐神社行こうと思ってたけど動けないから行けず。じゃあお昼食べて、その足で隠岐神社行こうと思ったけど、やっぱりだるくなっちゃって、お昼食べてそのまま引き返したので行けず。でもお昼食べた帰りに、本屋さんに入ったんですね。
1日目っていうか、紺屋さんに行くタイミングとお昼ご飯食べに行くタイミングでは、その本屋さん閉まってたんですけど、「島の本屋さんって気になるな」って思ってて。お昼食べて帰るときにやってたんで入って、そこでいろいろ見て、いろいろ何か考えた結果、金城、まさゆきかなゆきまさかな、ちょっと後で調べますけど(正しくは「金城幸政」)その人の、『あなたのなかのやんちゃな神さまとつきあう法』っていう本と、あと遠藤周作の『おバカさん』っていう本を買ったんですね。荷物が増えるのに、本を買う。
で、ホテルでずっと金城さんの本を読んでて、そこでは、その本には神様がどうやってこの世界を作ったか、我々は何であるか、宇宙の仕組みは人間生まれてくる時に忘れちゃうんだけど、それを思い出すとその後どういうふうな人生になるかみたいなことが書いてあって。それはこの2年ぐらい私がいろいろ調べたりとかYouTube見たりとか自分が修行してみたりとか、信じてみたりとか、やった結論と同じことが書いてあったわけですよ。なんだけど、それがもっと詳細にっていうか、総論みたいな全てが書いてあって。「ああ、この本を買うために、隠岐まで来たんだな」って思って。隠岐神社は行けなかったけど。
本に、例えば、そのもちろん神様のことね、感じたり考えたりとかもするのはいいんだけど、神様にマザコンになるのは良くないと。いつでも神様のことばっかり考えるのは良くなくて、神様の御霊分けで生まれてるけど、今は人間やってるんだから、人間として楽しく生きましょうってことが書いてあって。「じゃあまあ別に隠岐神社に行く必要もないな」って思って、結局神社行かなかったんですね。本当はqbcさんの記事に、桜の話が出てくるから、春の桜が見たいみたいなこと書いてあったから、写真でも撮ってqbcさんに送りつけたるべと思ったんですけど、行けず。
でもその本には、お金のこととかも、お金も使えば使うほど、循環すれば循環するほどエネルギーを持つ、でもためておいたり使わないで仕舞い込んでおくと、水と一緒で腐っちゃったりとか地面にしみちゃったり干からびちゃったりして、結局なくなっちゃうと。だからお金は使いなさいみたいなことが書いてあって。それも知ってたんですけどね。元々知ってたけどやっぱり書いてあって。でもそれを読んだから、読み終わったその足で友達にお土産を買いに、観光協会の方まで行ったりとかして、その日は終わって。
海士町全体としては、そうですね。なんだろう。思ったより面積が広かったのと、人口密度が少ないなと思いました。なんだその感想って感じですけど。
海士町に行くことしか考えてないから、あんまり調べずに行ってて、結構広い島なんだなと思って。私は自転車借りなかったんですけど、自転車あっても島一周するのは結構無理じゃないかなって思ったり。もっと狭いイメージで、人がもうちょっといるイメージがあって、勝手に行ったんですけど、昼間もほとんど人とすれ違わなくて。みんな仕事してるからなんだろうけど。
面白いなって思ったのは、すれ違う人が、自転車の人も含めて、全員挨拶してくれるんですね。最初はなんかびっくりしたけど、そういうもんかと思って自分も挨拶してて。だけど、たまにしかすれ違わないんで、挨拶してもまあいいかなっていう感じ。これ東京でやっぱやろうと思うと、ずっと挨拶してるってことになっちゃうから。やっぱなんか、それはあの島の広さと人口とで心地いいぐらいで、いいなと思いました。
4日目
安野:
3日目は、境港にまた戻ってきて。3日目っていうか、何日目だ。いいや。(※ 4日目です)
その後は境港に戻ってきて、死神に「70年後って言ったけどまた会えたね」とか言って。出雲大社前の駅に行くのに1回、違うな、出雲市駅の辺りに泊まろうと思って、ホテルを見てたんですけど、じゃらんに、「出雲大社まで徒歩1分、早朝参拝おすすめ」って書いてあって、朝行くのいいなと思って。
境港の宿のおじさんに、「出雲大社平日でもすごい混んでるから覚悟して」みたいなこと言われてて。「いや、朝混んでないうちに行けるのはいいな」って、出雲大社見たら奈良行かなきゃいけなかったから、結局午前中のうちには行かなきゃいけないっていうのがあって。だったら、すごいいい宿なんで高いんですけど、もうそこにしちゃおうと思って、泊まって。そしたらそこ、後から教えてもらった竹内まりやのご実家だそうでね、そういう、別に私は竹内まりやは好きではないけど、普段。でもそうやってJ-POPの人ととてもゆかりがある宿に泊まれるってのは、私にとっては嬉しいことだから、ああ嬉しいなとか思って。
でなんか、出雲市駅から出雲大社前に行く電車の乗り換えまで45分ぐらいあったんで、街を歩いてたら、骨董品屋さんがあって。そこで、ちょっと入ったりとかして、戻ってくるときに、お地蔵さんがいたんですね。そのとき、1万円札があって、骨董品屋さんで好きな人に5000円のお土産を買ってて、5000円残ってたんですよ。
だから、すごくいいお土産買えたので、お地蔵さんに「ありがとうね」って言って5000円札入れてきたんですよ。そしたら、そこはなんかスナック街みたいになってて、スナックの看板がいっぱい書いてあったんですけど、上から「のんちゃん」「さくら」「ハッピー」っていう三つのお店の看板が出てて。さくらってのは今ここでは仮名で、実は違う花の名前なんですけど、のんちゃんってのは私のあだ名ですよね。夫に呼ばれてる、ふくのんの「のん」ですけど。次に私の今すごく大事にしてる友達の名前「さくら」が書いてあって、「ハッピー」って書いてあったんですよ。なんかその字面がすごい嬉しくて、お地蔵さんに5000円入れた甲斐があったという感じでですね、すごい出雲市駅の周りも楽しんで。
それで出雲大社の前のホテル行って、そしたらホテルの中がまず、いい匂いがしたんですよ。私、鼻が悪いことで有名なんですけど、友達との間で。だけど本当は、神聖な香りだとわかるんですね。そのホテルすごい匂いがして、少しお香を炊いてるのかもしんないけど、それにしてもすごくいい匂いがして。
お風呂場の近くに書がある、竹内まりやが書いたのかな、わかんないけど、なんか大きく書があるんですけど「杵築の社に神々集いて」って書いてあってびっくりしたんですけど、なんでかっていうと、もうかなり住所がばれちゃうけど私がいつもお参りしてる神社の名前が、「杵築大社」って言うんですね。
「なんでここに杵築って書いてあるんだろう」って思って調べたら、そもそも出雲大社っていうのが杵築大社っていう名前で、改名して出雲大社になってると。だから、こっちの東京にある杵築大社っていうのは、島根の杵築大社を連れてきたっていうか、それをお祀りしてるとこだから、私は日頃から出雲大社に毎日参ってたということに気づきまして。だから出雲大社に来たんだなみたいな、ここまで来たのはそういう縁かと思って、なんか自分のこの3月、4月っていうのは、すごい修行も結構一生懸命やってたから、それの本当最終仕上げでここまで来たんだなっていうのがすごいわかって。
夕方ちょっとご飯食べるのに散歩してて、神迎の道っていうところを入ったちょっと先に、スサノオさんを祀っているちっちゃめな社があるんですけど。私は好きな人のことスサノオさんだとずっと思ってて、「あっスサノオさんだ」と思って、財布にあとお札が1万円札2枚あったんですけど、そのスサノオさんに1万円札入れて、あとその敷地内にちっちゃい社がもう一個あったんで、もう一つのところに1万円札入れて。
それでまたちょっとフラフラして戻ってきたら、そのスサノオさんの神社からまたすごいいい匂いがして、「お礼言われた」と思って。夕飯食べようと思って、見つけたお店に入ろうとしたら閉まってて、やってなくて。だけどあの辺って、夕方以降はご飯食べるとこないんですよ。どうしようって思ったら、なんか頭に「断食」って言葉が浮かんで、「断食!?」 って思ったんですけど、でもなんか絶対今日の夜は特別なことが起こるから、儀式の前は禊をしなきゃいけないと思って、だから禊と思って断食するかと思って。
何も食べないで、もうスマホもさっさと電源落として、そこまでするなら裸で寝よとか思って裸でお布団の中入って、ずっと考え事というか頭に浮かぶことを感じてたんですけど、そしたらなんか、パタッと「寒いから服着よう」と思ってパジャマ着ることにしたんですけど、着るときに「人間に還ります」って言ったんですね。私が。
その後、やっぱ、それまで、その日の薬も飲んでなくって、人工物は入れないようにしようと思って。だけど寝れないなら寝れないでいいやって思ったんですけど、その「服着よ」って思ったタイミングで、やっぱり寝たいから薬飲もうとか、血糖値ちょっと上げたいからホテルに置いてあるお菓子食べようとか、リラックスしたいからいつもみたいにYouTube見ようって思って、スマホつけたら0時過ぎで。
この0時より前っていうのは、自分が神になって神と会う時間だったけど、0時過ぎたから人間に帰ってきたんだと思って、そんなことを考えつつ寝て。で、あとすごいことがもう一個あったんだ。その日の夜、お風呂に入ってて、誰もいなかったんで1人で入ってて。体を洗ってたら急に、前マッサージ屋さんで、くるぶしのあたりを押されるとすごい痛かったり、かかとが、私すごいかかとがガビガビなんですけど、それで「どこが悪いんですかね」って聞いたら「生殖器が悪い」とか言われたことを思い出したり、急に足の裏のこととかを考えるようになって。
そしたら私、元々、足の指を開くのができなかったんですね。整体行ったりとかしても、「足の指よく開いてあげてください」とか言われるけど、「1ミリも動かないです」とかって言ってたんですけど。なんか急に挑戦してみたくなって、足の指を広げようとしたら、何回か挑戦したら、左ができたんですね。
これ多分人生において、意識がある中で、初めて足の指が開いたんですよ。右もやってみて、右は難しかったんですけど。なんかやってると、いややっぱりできないよとかって思いそうになるのを、そうじゃなくてできるっていうイメージをちゃんと持ってやるって何回も練習して。
それで最後にハッと、「こういうのお母さんは得意なのにな」とか思って、うちのお母さんすごい体が柔らかいっていうか、柔軟性がすごいある人なんで。なんかそこで、「お母さん助けて」って言ったんですよ。「お母さん助けて」って言ったらできたんですよ。それで、右の指も開くことができて。
それが自分の中ですごい自信になったっていうか、本当に今までそれ絶対できないと思ってたから。なんていうかな、その海士で読んでた金城さんの本に、神経の話が出てくるんですけど。金城さんが病気か何かになったときに、「神経」っていう言葉が妙に頭にのぼってきて、「神経は神の経(みち)か」と思って、そしたら病気が治ったみたいな話だったと思うんですけど。だから体っていうのは、神が宿ってて、自動で動いてくれてるんだみたいなことが書いてあって。私も今まで動かなかった足の指っていうのが動くようになって、自分の体の、神の通り道、神経っていうのが、端から端までちゃんと通ったんだと思って、それが自分の中ですごい嬉しかったですね。
5日目
安野:
次の日、出雲大社に行って。そこでもなんかすごい楽しかったんですけど、楽しいっていうか、まあ出雲大社は正直そんな特筆することはなく。
奈良に行って、本当は奈良の東大寺が17時までとかで閉まっちゃうんで、東大寺に行って、次の日すぐ吉野に行けるようにって思ってたんですけど、なんか妙に疲れちゃって、「東大寺なし」って思って、でもうすぐホテル帰って、ホテル泊まったんですよ。泊まったっていうかすぐチェックインして。東大寺と、あともう一つちょっと行きたいカバン屋さんっていうのかな、があって、「明日やっぱ吉野はいいや」って思ってたんですけど。
6日目
安野:
起きて朝ご飯食べてたら急に、私、もともとの名字が塩野っていうんですけど、「塩野って奈良にルーツのある名字だったな」ってのを思い出して。うちの母が一時、漢字とか名字にすごいハマった時期があって、そんときにそういう話題になって、それを急に奈良に来たら思い出して。でも何かあやふやだったから一応調べたんですね。「塩野 名字 ルーツ」みたいな。
そしたら、塩野は奈良の中でも吉野の名前だって書いてあって、「吉野なの」って思って。吉野は、もともと行く気なかったんですけど、行きの新幹線の中で、「いざいざ奈良」っていう、今やってるキャンペーンの広告が流れてきて、見てみたんですよ。そしたら吉野の桜の特集をやってて、「4月に吉野に行くことはなかなかないから、吉野行ってみるか」と思って、急に決めたんですよ。
じゃあまあ吉野行ってみるかと思って、東大寺の方までとりあえず行ったんだけど、出雲大社でお財布の中身全部賽銭しちゃってて、1円も入ってなくて。でも東大寺って中見るのにお金かかるんですよ、現金が。だから入れなくて、だから「まあ鹿を見れたからいいや」と思って、吉野行って。だから、 隠岐神社とか東大寺とかは行けてないっていう。みんなが行くような神様のところは全然行けずに。それで吉野に向かって。
その吉野駅の1個手前に、吉野神宮駅があるんですけど、吉野神宮っていう神社知らなかったけど、降りてみようと思って、降りたんですよ。そしたら、降りた瞬間すごいいい匂いがして、出雲大社のホテルより全然強い匂いがして、なんかすごい迎え入れられてると思って嬉しくなって、やっぱりここが祖先の住んでいたところだって確信して。吉野神社すごい山の上だったんですけど、全然知らない神社だからすぐだろうと思って行ったらすごい山の上で大変だったんすけど、とりあえず行って。
その道中で、「賽銭するのに賽銭の小銭がない」とか思ってたんですけど、出雲で瑪瑙のペンダントトップを買ってて、「神様にだったら、宝石を奉納すればいいんだ」と思って。本当は友達に買ってたんですけど。すごい友達に似合いそうだったから。でもちょっとこれあげると相手に気使わせちゃうなっていう金額だったんで、これは神様にあげて、友達のはまた街で買おうと思って、吉野神宮に瑪瑙を奉納し。
その吉野神宮がね、すごい綺麗な神社で良かったんですよ。なんていうのかな。綺麗だったとしか言いようがないんだけど、でもわかんない、他の人が見たらこんなに感動しないのかもしれないんですけど、私はすごい感動して、吉野神宮に。なんかカナヘビ、15センチぐらいのカナヘビが3匹ぐらいいたんですけど、「なんかカナヘビって角を落とした龍みたいでかわいいな」とかって思ってて。
で吉野神宮から下りてきて、電車の時間がまだちょっとあったんで、喫茶店入ろうと思ったら現金しか使えないっていうから、やめて、郵便局に入ったんですよ。何となく。
私、旅に出たら手紙を書く習慣があるので、郵便局入って。そこでなんかポチ袋、七宝の柄のポチ袋と、あと郵便局でよく「つぶらなカボス」だっけ、ジュース売ってるじゃないですか。それを買ったんですね、1本。なんか「ジュース、どこで作ってるんだろう」ってのを急に気になって、ぱっと見たらそのカボス、大分産って書いてあって、「大分かー」って。
だけど飲み終わってから、「いやカボスは大分かもしんないけど、このジュースを作ってる会社はどこにあるんだ」って、なんか2回気になっちゃって見たら、「大分県杵築市」って書いてあって。大分に杵築っていう地名があるんですけど、「ここも杵築なんだ!」と思って。やたら地名が気になると思ったら、やっぱりこんな適当に買ったジュースだけど、杵築なんだなって思って。そんなことを考えて。
あ、そうそう。山を降りてくるときに、ていうかね前後するんですけど、その吉野に向かう道中ぐらいまでで、自分はアマテラスの魂として生まれてきたんだな。でもその好きな人とのやり取りの中ではクシナダヒメなんだ。で、大黒さんはいつもの友達、仲良くしてる華道家で、美保神社のえびすさんはあの女の子で、因幡のウサギさんはあの女の子だろうなって思って、そんなことを考えながら吉野に行ったんですけど。
吉野の帰り道ですごい、車のナンバープレート(エンジェルナンバー)で、すごく天からのメッセージを受けて、「お金を怖がらないで」みたいな。「思い出して」みたいなことをすごい言われるんで、「そういえば旅で友達にお土産買うのってめちゃめちゃ楽しい」とか、何かそういうことを思ってたら、「大黒様のことは友達、その華道家の友達と思ったけど、私自身だったんだ」って思って。それで、その美保神社のえびすさんっていうのは、そのさっき、のんちゃんさくらハッピーってあったさくらちゃん、あの子が美保神社のえびす様だ。で、その子はもともと因幡のウサギさんだったけど、助けてあげたら神様になったんだっていうことがわかって。
てことは、大黒さんっていうのは、袋の中にお兄ちゃんから押し付けられた旅行道具が入ってたんだけど、今はその中に七宝って七つの宝物が入ってるんですね。だから私は多分、旅に出て袋いっぱいに土産を買って帰ってくるっていう、そういうお金を使う、みんなのためにお金を使って宝物をみんなにあげて回るっていう、配って回るって、それが仕事なんだってことがわかって。
そしたら、こないだのインタビューで、「スガシカオに出会って何が変わりましたか」って言われたときに、「お金を使うようになった」と答えたと思うんですけど。本当にそれまでお金使うの興味がないっていうか、お金なくなるの嫌だったし、お金を使いたいとも思わなかったし、ある程度大人になってからはやっぱお金ないの怖いっていうのが強かったんですけど。
でもそれって多分、うちの親は「お金大事にしろ」とか「うちはお金ない」とかって全然言わない親だったのに、自分がそうやってお金に対してめちゃめちゃ怖いとか興味がないとか、そもそもまず興味がなくて、かつその後大人になってからお金がないのがすごく怖くなったのは、自分がそれを乗り越えて、みんなのためにガンガンお金を使うっていう人になるための、その一つの何かこうハードルとして設置されてたんだなって思って。そしたら自分がこうやって、あんまりガンガンお金稼げないのとか納得だし、全てはこの吉野に来て、自分が大黒さんであることに気づくためにあったんだなって思って、すごいその吉野神宮行ってよかったんですよね。そう。
っていうことで、もともとアマテラスとして生まれたけど、好きな人との関係ではクシナダヒメになって、出雲で「人間に還ります」って言ったから、地上に戻ってきて大黒さんになったっていう、そういう流れの話でした。
qbc:
なるほど。
安野:
もうちょっと詳しくは自分のnoteで書くつもりなんで、多分今回の、はしょっちゃってね、訳がわかんないってことはいっぱいあるんですけど。気になった人はそのうちnoteが上がるので。
あとがき
決めた。あと2回で安野さんの人生を聞き切る!!!!!
制作:qbc(無名人インタビュー主催・作家)
編集:なずなはな
過去記事はこちらから!
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