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note で見た風景3

『まるで紙 』


名前とIDを変えることに決めたが、できれば最初の名もどこかに残したい。
何か方法はないだろうか?
note の中に、どこか残せる場所がないか、探す。

「プロフィール欄って、あるのかな?ってか、どれ?」

相変わらずアホな自分は、未だに note の機能をよくわかっていない。
いろいろ見たが、どうやらアイコン横の『自己紹介欄』しかないらしい。

「いやぁ、でも、ここに書くのは絶対、うざいっしょ!」

見た感じ、『自己紹介文』は、アイコンがサイト内でリンクとして表示される際に、一緒に添えられるらしい。
主にそれを目にするのは、おそらく通りすがりの人々だろう。
そんな時に、いちいち、「前は別の名前だったんです。その名前って言うのはね、」なんて身の上話書かれてたら、うざいに決まってる。
しかも私は旧IDまで書こうとしてるわけだから、完全な場違いだ。

「そう言えば、プロフィールタブってあったよね?」

そこに記事が貼れると言うので貼ったことはあったが、いくつまで貼れるんだろうか?
どうやら、1つしか貼れないようだった。
と言うか、特定の記事が固定できるだけで、書き込み欄などが用意されているわけではない。
まあ、言い換えれば、何でも自由にできるわけで、そこに『沿革』作って書いても良いのだが、

「そこまで、書くことがないじゃん。始めたばかりで、まだ何もまともな活動してない、スッカスカの人間っすから」

それはもしも長期間 note を継続できたら考えるとして、今は他を探す。
ふと、それまでも存在は知っていたが、まったく興味を持たなかった『マガジン』と言う単語が突然、私の視界に飛び込んで来た。
どんな機能なのか気になり、珍しくヘルプを読む。

「これって、記事をまとめる機能なのか・・・ってことはさ、もしかして、連載終了した記事を、単行本化できる的な?!」

試しに、終了したメルカリシリーズをまとめてみると、『マガジンの説明欄』を発見した。

「おおっ?! ここに書けばいいじゃないか!!」

まさしく、理想的な場所だった。

「しかも、単行本カバーまで作れるとは、至れり尽くせりだ!!」

マガジン画像のことなのだが、私の脳内で勝手に単行本カバーに変換され、すっかりウキウキ気分になった。
お手軽な人間である。

実は、自分で決めたこととは言え、この時まで、私はかなり落胆していた。
このメルカリシリーズで note やってゆこう、って決めて登録したのに、たった6回で終了って、それはやっぱり失敗で、挫折で、企画倒れで、ボツだった。
さすがに、どっぷり、へこんだ。
そんな状態だったのだが、

「連載終わると単行本作れるって、最高じゃん! 連載終了して、実はラッキーじゃん!!」

所謂、テンアゲ状態と言うやつだ。
るんるんしながら、Canva を開く。
普段の記事で毎回使うのは大変すぎて無理と思ってたけど、単行本の表紙(※妄想)となれば別だ。

このシリーズとは、もうお別れだ。
続きはない。
その、別れの心を、表現したかった。

文字の色調整がいちばん大変で、背景的になかなか見易いものにならず、二転三転する。
エフェクト機能を使うと、イメージと違ってしまう。
文字下の素材を僅かにずらすなどで、何とかしようとする。

「あー、あと1ミリ動かしたいだけなのに、2ミリくらい動いちゃう!」

本当はピクセルなのだが、自分はアホなのでミリ呼びだ。
紙でやってます気分が抜けない。
こんな作業、久々にやった。
最後にやったのは、確か、Cafestaだ。
2004年頃だと思う。
ツールは家族から借りた、フォトショ5とイラレ7とかだったような?
それが大変すぎて、二度とやらなかった。
すっかり忘れていた古い記憶が、勝手に次々と浮かぶ。
今ドキの人は、一文字ずつコピー機で希望の大きさに縮小拡大して、カッターで切り抜き、手作業で台紙の上に貼ってゆくなんてことは、想像できないだろう。
そう言えば、私の部屋のどこかに、今もあるはずだ。
青い表紙の書体見本帳と、なんか透明のフィルムみたいのに四角が印刷されたスケール。
こんなこと思い出すの、何時振りだろうか。
私は、不思議な感覚を味わっていた。
人間ってさ、意外に、時効にならないんだねぇ・・・。
かつて身に着けた能力とか経験とか。
本人である私自身が完全に忘れていたにもかかわらず、直面すると、勝手に出て来るんだよ。
その瞬間、脳があの当時の自分にアクセスしてくれるような感覚だ。
これって、自分がやってるわけじゃない。
自分の脳が、自動でやってくれてる感じだった。

表紙を作ってから、マガジンの説明を書く。
ここで、一つ心残りがあり、それについて考えた。
初期のアイコン画像だ。
名前とIDに合わせて作ったものだから、これもできれば残したいが、方法がないと思って諦めていた。
けれども、どうしても残したいと言う気持が、消えない。
アイコンの元画像を投稿して、その記事をマガジンに加えると言うことも考えたが、それは面白くないだろう。
そもそも『アイコン画像』を残したいのではなく、私は『アイコン』を残したいのだ。
何か手はないか?と考えるうちに、マガジン画像の中にアイコンとして入れることを思いついたが、

「いやぁ、でもさ、無理じゃないの? 画像を丸く切り抜いて、貼り付けるなんてことはさ」

無知である。
だが、無知のくせに、やりたいので、検索してみる。
すると簡単に方法がわかり、できてしまった。
喜々として、名前とIDも加える。
セットで右下に配置し、なかなか気に入ったが、後付けで入れたので、デザイン的にはいまいちだった。
けど、やり直すのは面倒だし、左下に何か文字を挿入すれば、バランスは取れるのでは?

「全6話とでも書いておくか!」

いい加減な人間である。
こうして、ダラダラと作業し、理想の表紙が完成した。
なんて素晴らしい時代だろう。
1円もかからず、本が作れるんだからね!

こうして、心置きなく名前を変え、次にIDを変えようとした。
その時、警告が入った。

『ID変えると、url も変わるから、リンク切れが発生しちゃうけど、いいですか?』

なるほど。
ID変える度に、リンクを全部貼り直さなければならないってことか。
うーむ・・・。

「どこにリンク貼ったか、その辺に、メモっとけばいいか!」

そのメモは、永遠に下書きのまま、note に保存しておけばいい。

こんな風に、note はかなり、自由に使える。
時々、紙でできてるんじゃないか?と感じることがある。
昔、ブログサイトを使ってみた際に、思い切り押し付けられたように感じた、web上の都合、システム上の都合、表示上の都合、開発上の都合、広告収益の都合等々が、ここではほぼ感じられない。
都合がいっぱいあると、自由が減ってゆく。
それで段々、面倒くさいしか言わなくなる。

ただの、シンプルな紙でいいんだよね。
自分の部屋にある、昔買った、使ってない白紙のノートみたいので。
何かを始めるのに、そのくらいがいちばん、ちょうどいいと思うんだ。


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