食べろ食べろ食べろ|詩
おじいちゃんとおばあちゃんは
いつも私が会いに行くと
おにぎり食べろ
せんべい食べろ
りんご食べろ
漬け物食べろ
もっと、もっと食べろ、と言った
気がつくとテーブルの上は食べ物で埋め尽くされ
畳にまで食べ物が並べられる
お皿には、まるで富士山のように高く煮物が盛られていた
おじいちゃんとおばあちゃんの家には
富士山がいくつもあるのだ
お腹を空かせてちゃダメだ
ジュース飲め
お茶飲め
みそ汁飲め
スープ飲め
もっと、もっと飲め、と言った
私はお腹いっぱいで苦しくて、たまに嫌だった
ほら食べろ、さあ食べろ
おじいちゃんとおばあちゃんは
戦争を経験し
とても質素な食卓を眺めて暮らしてきた
食べ物は想像を絶するほど貴重で
命そのものだったのだ
大人になってやっと分かったんだけど
食べろって、愛してるって意味だったんだね
いかがでしたか☕️
少しでも楽しんで頂けたら感無量です。もうこの世に思い残すことはありません。嘘です。冷蔵庫の中に、まだ食べかけの煮物があるからです。
私のページに立ち寄ってくださる皆さま、ぜひご自分の大好きな飲み物と、お気に入りのおやつを口いっぱいに頬張りながら、これからも言葉遊びを楽しんでいってください。おやつには致死量の砂糖を使うのがお勧めです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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