うんこ製造機にすらなれない便秘女

泥をこすり付けるように、指から文字をこそぎとる。骨が折れるまで強く押し当て、指紋も爪も…

うんこ製造機にすらなれない便秘女

泥をこすり付けるように、指から文字をこそぎとる。骨が折れるまで強く押し当て、指紋も爪も剥ぎとる。雑に扱われて痛いほど、文字は筆圧を宿して芽吹き、悦楽の中で狂い咲く。スマホの画面が割れる時、指に残った文字の欠片を舐めながら、私の醜い顔はほどけてやっと笑うだろう

最近の記事

歯が逝く食べ物|詩

しじみの砂で歯が逝った 卵の殻で歯が逝った 粒胡椒で歯が逝った 干し芋で歯が逝った せんべいで歯が逝った アラザンで歯が逝った ソフトキャンディで歯が逝くことも忘れずに 経年劣化で歯が逝った 何もしてないのに歯が逝った 後を追うように歯茎も逝った そういえば総入れ歯 いかがでしたか☕️ 皆さんはどんな食べ物で歯が逝きましたか? アラザンって、本当にヤバくないですか? 手作りのお菓子が、まるでお店のお菓子のような美貌に変身する銀の玉です。 本当に美しいけ

    • リスのほっぺに嫉妬する私のほっぺ|詩

      わたしのほっぺに詰まっているのは嫉妬や憎悪、敵意、執着、くだらない正論ばかりで息ができない。誰かこの愚かなわたしのほっぺにどんぐりをぶち込んでくれ いかがでしたか☕️ 少しでも楽しんで頂けたら感無量です。もうこの世に思い残すことはありません。嘘です。冷蔵庫の中に、まだ食べかけのクルミの佃煮があるからです。 ページに立ち寄ってくださる皆さま、ぜひご自分の大好きな飲み物と、お気に入りのおやつを口いっぱいに頬張りながら、これからも言葉遊びを楽しんでいってください。おやつには致死

      • 靴擦れの呪い|詩

        無理して履いていたサイズの合わない靴は、もう2度と脱ぐことはできずに、あなたの身体の一部となった。 靴擦れの痛みがあなたを刺して未来を拒む。 前に進めなくなったあなたは過去の奴隷だ。 後ろを振り向くと、過去の欠片がたくさん落ちている。 あなたは拾ってばかりいるせいで、腰は歪に曲がり、荷物が多くて身動きがとれない。 捨て身で生きたいと願うくせに、自信の無いあなたは、呆れるほど多くの装飾をその身に施している。 ほら、そのくだらない飾りを外してごらん。 その魂さえあれば。

        • セミが手土産も持たずに部屋に入ってきたんだが②|便秘女のクソデカ独り言

          セミが手土産も持たずに部屋に入ってきたんだが①では、セミが夜遅くに部屋に入ってきた経緯と、害虫駆除業者にセミ捕獲の依頼をしたエピソードを書きました。 2人の屈強な男性(勇者)が、虫あみとゴキジェットを持って現れたその姿は、頼もしくてカッコよくて、後光が差していました。 私の目には、勇者フィルターがかかっていたのです。 開口一番、勇者は私に尋ねます。 「部屋の中でもセミ鳴きますか?」 生まれて初めて、このタイプの質問を受け、私はとても動揺しました。 セミは部屋で鳴くのか鳴か

          セミが手土産も持たずに部屋に入ってきたんだが①|便秘女のクソデカ独り言

          2024年8月1日 世間では、たくさんの手がカレンダーをめくる日です。 毎日暑くて皆さま溶けていませんか? 私は順調に、アイスよりも早く溶けています。 夜20:00頃の話です。ジリジリバタバタと、不穏な音を纏いながらセミが部屋に入ってきました。 怖いです。無理です。 ナイターで映画「怪盗グルーのミニオン超変身」を観るために、私は化粧を施し、少しオシャレをして、玄関ドアを幸せいっぱいに開けました。 その瞬間、私と入れ替わりでセミが入ってきたんです。こんな夜に!!これから

          セミが手土産も持たずに部屋に入ってきたんだが①|便秘女のクソデカ独り言

          アルコールスプレーの舞いを踊るファミレス店員|便秘女のクソデカ独り言

          シュッシュッ 私との距離近すぎませんか シュッシュッ こちとら食事中です シュッシュッ 掃除に精を出すのは良いことですが シュッシュッシュッシュッ 空腹で息絶えそうな私はファミレスにいる。 隣の席で店員さんが、盛大にアルコールスプレーを高速噴射しながら、踊るようにテーブルを拭いている。 特殊な訓練を受けていなければ、人差し指と中指があんなに協力できるはずがない。 気になるなぁ アルコールスプレーが私の口に入るのでは? いくら酒好きな私でも、アルコールスプレーを 直でい

          アルコールスプレーの舞いを踊るファミレス店員|便秘女のクソデカ独り言

          「おなかに赤ちゃんがいます」が、100万個揺れている|詩

          「おなかに赤ちゃんがいます」が、 ゆらゆら揺れている 赤ちゃんは、見えない だから揺れながら ここにいるよ、と 存在を皆に知らせる 大切なお母さんにもし何かあったら お母さんを守ってね 私も守ってね と言っている 「おなかに赤ちゃんがいます」が、 ゆらゆら揺れながらこちらを見ている お前はお母さんになれなかった 資格がなかったんだと ゆらゆら揺れながら教えてくれる 時計の針のように揺れている 私の針は止まったままなのに 「おなかに赤ちゃんがいます」が、 ゆらゆら

          「おなかに赤ちゃんがいます」が、100万個揺れている|詩

          私は解答用紙の上に棲んでいる|詩

          私は解答用紙の上に棲みつき、 薄汚れた粘度のある血液で人生を書き殴る。 自分の意思とは関係なくこの社会に産まれて、 目の前にいる大人たちを信じた。 彼らの真似をして振る舞い、 たくさんの言葉を覚えて、乱暴に使った。 集団生活の中で規律や道徳を学び、その枠からはみ出すと、勝手だと叱られたり、個性だと褒められたりした。 その違いが難しくて、集団からはみ出した個性の取り扱いには、特に注意を払った。 みんな仲良く協力して、リーダーに媚びたり、時に蹴落としてみたりした。 多数決は

          私は解答用紙の上に棲んでいる|詩

          にゃぁぁぁ(無音)|詩

          構ってほしくて 愛してほしくて 人に飢えて 猫なで声を出したいのに 喉が死んでいる このまま段ボールに入れて 置いていかれる未来が見えたから せめて笑顔を創る 顔が歪んでないといいな 愛してくれるといいな 愛せるといいな いかがでしたか☕️ 少しでも楽しんで頂けたら感無量です。もうこの世に思い残すことはありません。嘘です。冷蔵庫の中に、まだ食べかけの猫缶があるからです。 お前が食うんかい、というツッコミありがとうございます。 私のページに立ち寄ってくださる皆さま、ぜ

          コーヒー豆に轢かれる|詩

          もう来ないと思っていた朝が 性懲りもなくやってくる 悪夢を見た身体は おそろしく冷たく乾いている ああ、切実にコーヒーが飲みたい 昨日までの弱い自分を砕くように ゆっくりと丁寧に豆を挽く 豆に轢かれる気分だ やかんの湯気は私の眼鏡を曇らせて 視界を閉ざし、現実から遠ざけてくれる 無色透明だった自分に、芳ばしい絵の具を垂らす いい香りのする、濡れたコーヒーフィルターみたいになった私は、犬の嗅覚に嫉妬する 不公平で理不尽なこの世界 戦うのが苦手で、逃げてばかりいる

          コーヒー豆に轢かれる|詩

          たぶん120デシベル|詩

          ゴゴゴごごご五五五午後午後 トントントンカンカンカン 戯戯戯ギギギガリガリギーギー偽偽偽 私がスマホに文字を叩きつける時 文字化けした音が鳴り響いて 工事現場みたいにうるさい たぶん120デシベル 車のクラクションの音は110デシベル 滝の音は90デシベル セミの泣き声は70デシベル 掃除機の音は60デシベル 図書館の音は40デシベル 木の葉のこすれる音は20デシベル 人に心を刺された時の傷口の音は? いじめられた人が泣き叫ぶ声は? いじめている人があざけ笑う声は?

          置き配が盗まれると噂の街に配達します|詩

          運ぶ。運ぶ。 今日も今日とて運ぶ。運ぶ。 努力など報われない。 タイミングや運が助けてくれる世界。 思い描いてきた自分じゃなくて、 夢も叶ってなくて、自分のせいじゃないのに色んなことに巻き込まれていく。 けれど、今までに使ってきた脳みそ、泣きじゃくった目、罵声を浴びせられた耳、この命そのものを、今日この瞬間まで運んできたボロボロの手も足も、全部が間違いなくここに存在している。 私が私を祝福しないで、誰がするのか。 ケーキとロウソクで無双して、滑稽だろうが、笑われようが、

          置き配が盗まれると噂の街に配達します|詩

          暴走した勇者の弾丸|詩

          クエスト発生の通知が来た どうしてそんなに傷だらけなの どうしてそんなに泣いているの 目の前で泣き崩れている人に 私は矢継ぎ早に問う 他人事ではないんだと 勇者の如く立ち上がり 躍起になる どうにかして涙を止めようと アーティスト気取りで創意工夫し 優しいフリをした正論を並べる 一方的な提案を散々撃ち放って ミッションクリアの快感に包まれる その報酬で得た脳内麻薬が 身体中に浸潤し 祝福のゲーム音が鳴り響く しかし相手の顔をよく見ると さらに心を閉ざした様子で

          苦手なおかずが隆起する学校給食|詩

          泣かないで どんどん冷たくなっていく体温への 戦い方を知らない 泣かないで 風がふわふわと頭を撫でて 手をつないでくれる 泣かないで 醜悪に満ちた過去を剥ぎ取ってくれる 泣かないで 器用に振る舞えなかった 正論という暴力を真に受けた 泣かないで 給食で吐いた 食べても食べても 苦手なおかずが隆起して増え続けた 泣かないで 自分を大切に扱い ふわふわの毛布でくるんであげる大切さを 学校で教えてほしかった 泣かないで 多数決は あまりにも簡単で あまりにも難しかった

          苦手なおかずが隆起する学校給食|詩

          天使が潰してくれる|詩

          舌をちぎれる限界まで伸ばす そのまま地面に押し当てて 砂糖を丁寧に集める 土や砂が混ざりあった砂糖は 痛々しく 美しく 私を見下しながら 輝いている 私は這いつくばって 膝に血を滲ませて 泣きながら味わう それ以外に自分を癒す方法を知らない 未来ある 純真無垢な子供たちが 私を踏んでいく まるで 蟻のように 砂糖と共に 潰れていく 消えゆく意識の中で 天使のような無邪気な声に包まれる 私は産まれて初めて 心から癒される 自分が潰れていく音を 甲高い笑い声が かき消

          食べろ食べろ食べろ|詩

          おじいちゃんとおばあちゃんは いつも私が会いに行くと おにぎり食べろ せんべい食べろ りんご食べろ 漬け物食べろ もっと、もっと食べろ、と言った 気がつくとテーブルの上は食べ物で埋め尽くされ 畳にまで食べ物が並べられる お皿には、まるで富士山のように高く煮物が盛られていた おじいちゃんとおばあちゃんの家には 富士山がいくつもあるのだ お腹を空かせてちゃダメだ ジュース飲め お茶飲め みそ汁飲め スープ飲め もっと、もっと飲め、と言った 私はお腹いっぱいで苦しく