ショートショート「日陰を持ち運ぶ」(約890字)
地球温暖化が進む現代で、ある画期的な道具をA社は開発した。それは、日陰を持ち運べる道具であった。どこの日陰でもいい、例えばそこの公園の木の陰を切り取り、好きに持ち運ぶことができるのだ。ただし、木の陰は持っていかれたから、日なたになってしまうが。
この大発明は、世界中で話題となる。その道具はもちろん高価であったが、日光が大嫌いなセレブ達のマストアイテムになった。他にも、この道具を用いて日陰を集める日陰コレクターなんかも現れた。そしてなんといっても、日陰を世界中から集め、レン