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詩をかいてみる⑤

「音波的な何か」

耳にはめて
キミは心地よく
揺れている
まるで
天国での
ロックンロール

孤独を包んだ正体
ユラユラと
運んできたよ
それは心の底で響いた
キミの優しさを探り当て
掘り返し
消化した

思いを波に変換し
脳に戻して
キミは波に乗って
いつか吐き出す
その時まで
辛抱して

耳に気を入れ
内を無視して
ただひたすらに
まるで
天国の
ロックンロール
聞かせて


「夜のレシピ」

ナースコールを押して
希望と感情を隠し
伝える、
声、

ドクターヘリの風切る音が
響くのは外、
この病棟には伝わらない
塞がれる、
音、

スリッパのする音が
イヤホンを貫通する

世界のどこかで
寝ている幼子たちの寝息が
柔らかく空気を突っつく
シャボン玉のようにユラユラと
音を包む

シャボン玉を突き刺す
看護師さんの声
手のひらに
そっと
やさしく
数錠の睡眠薬
ビー玉みたい、
コップ一杯のお水
胃の中で混ぜて
夜のレシピ

続きは夢の中で
作られた
シャボン玉と

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