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嫌いな人が嫌いな理由

人間という種である以上、嫌いな人の1人や2人いるんじゃないでしょうか?
僕はいます(火の玉ストレート)

嫌い以外の言葉で言うと、「苦手な人」です。

ああ~この人苦手だなぁ~…。
合わねえなぁ~…。
イライラしちゃうなぁ~。

なんて思うことが生きていればあるものですよね。(圧)
でもふとした瞬間にそう思わなくなることもあります。
そんな体験のお話をまとめます。

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年下の先輩A

先輩Aとしておきます。

先輩Aは僕より年下でありますが、職場においては彼のほうが先輩にあたります。
人当たりもよく、わりかし誰とでも友達のように接することができる良く言えば馴染みやすく、悪く言うと少し馴れ馴れしいような人物でした。

はっきりと言います。僕は彼が嫌い(苦手)でした。

理由はいくつかあります。
女性アルバイトには積極的に喋りかけにいくところや、自分に対してのそっけない態度。挨拶も返ってこなかったり、してこなかったり。
会話をすることもあまりなかったので仕方ないのですが、やはり挨拶や会話において人を選んでいるような喋り方だったので、僕はムキー! と内心、腹を立てていました。たぶん本人は無自覚。

人が居れば常にニコニコと笑っており、居なくなればさっきのは嘘だったかのように真顔になる。(僕は横に居ます)
そういうところも苦手でした。
とにかく暇になると女性アルバイトのところへ行き、ナンパの如くペラペラしゃべっては戻ってきて真顔。
周りには寛容で、僕に対して少しだけ厳しめ。
かけてくる言葉は大体「これはこうなんで」というそっけなく注意されるだけ。

(チ、うるせーな…)と思いながらも注意される部分は間違っていないのでしっかりと修正していました。

まずミスすんなよ(自分)

でもあれなんですよ。ほんとに大したことじゃないやつなんです。こまかーな部分であって、大きなやらかしはしてないですよ?(弁明)

まあ僕が悪いですよね。(冷静)

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人を嫌いになる理由なんて

ぶっちゃけあってないようなもん。…だと僕は思います。
人それぞれ好みがあって、感じ方も厳密には全く同じ人なんていないでしょう。

そんな中で、ある種の経験則から人は人を嫌いになるのだと思います。
それは自分が傷つかないための防御策なのかもしれないですし、動物としての縄張り意識なのかもしれません。

顔が。言葉が。言い方が。
態度が。行動が。反応が。

なにかひとつ、自分にひっかかり(好みにそぐわない)があるとその人の印象が悪くなり、こいつの気に入らないとこ探そう選手権がスタートするんですね。
それからは「なんか気に入らないわ~」と嫌いなところばかり探して、次第にその人を嫌いになっていくだけ。そんなやつ。そんな感じ。

これじゃあ話し合ったって、「でもなんか気に入らないわ~」と思うだけで終わりですよね。はい。チェックメイト(?)

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人間という生き物、群れ、ミルフィーユ。

人間はわりと単純です。だって動物ですから。
確かにほかの動物と比べれば、よく考え、よく悩み、そして複雑な言語を話しますが。そんだけ。

でも元をたどれば本能的、というか自身の動物的な本能に従っているわけです。

群れとして活動するためにごまをすったり、男らしさをみせてみたり。人間社会とはこういうものだと思いがちなだけであって、動物の群れと生態はそう変わりません。

大抵の動物は安心した生活を送るためにボスには逆らわず、群れの中で平凡に暮らすでしょう。
ちょっと会話能力が高すぎるがゆえに文明が発展したというだけで、基本的には動物の生活とさして変わりないはずです。

三大欲求を満たそうと体を動かしているわけですね。

しかし、人は単純ではありません(手のひら返し)。
ほかの動物もそうかも。

人の意識や考え方は大きく分類すれば、数パターンに絞れるでしょう。そういう意味では単純です。
でも生き方や場所に思い入れを持つことができるんですよね。これが複雑さの由縁だと僕は思います。
だって完全に同じ生き方をするのは不可能ですよね。意図的でも不可能に近いと思います。

小学3年生のころです。小雨が降る中、傘をささずに僕は登校したのです。
タオルやハンカチなんて持って行かない男児だったので髪はびちゃびちゃで、地味~に肌寒かったと記憶しています。

そんな登校中に僕はなめくじを見つけて、クラスのやつらに見せてやろう! と指に乗せて小走りで学校へ向かいます。
着いたら教室に向かうことなく、下駄箱付近や階段、その踊り場でなめくじを「おら!」といって突き出して見せて回ったという。そんな思い出があります。

…………。


どうですか? 反応に困りましたか?
しかし僕にとっては非常に懐かしく、言葉に変えがたい思い出のひとつです。
もしかしたら似た体験をした方も中には居られるかもしれません。ただし、「完全に同じ」かというとそうじゃないはずです。そのとき感じた心境というのは、きっと特別なものなんですよね。
それって複雑ですし、それまでの人生やそこに至るまでの出来事、状況で完成する感情なわけですから、この思い出に懐かしいと胸を締め付けられるのは地球上にただ1人、僕だけでしょう。

あ、「共感」はあるかもしれませんが。


そんな人間という長い時間を使って重ねられたミルフィーユは似た味はたくさんあっても、完全に同じものはひとつもない。ということになります。(断言)

どれだけ嫌いな人間が現れたとしても、彼(彼女)もそんなミルフィーユ、もとい人間なわけで。
自分が大した理由もなく感じる嫌悪感などでは複雑な人間というミルフィーユを分解し、理解することなんて到底できません。誠意的に理解しようと取り組んでも難しい。ならば嫌いな人はもっと難しい。
なぜなら、人は好意を持たない人に対して自分が思っている以上に無関心で、なんなら同じ人間とも思っていないのです。

人と同じ形をした何か。
…そんな意識もないと思いますけど。

人の興味というのは選別であり、そういったものなのだと思います。

まぁ、意味のわからない例えですね。この項目は読み飛ばしてよかったです。
今さらですけど。2回目から飛ばしてください。

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人間らしさが垣間見えるとき

自分の親が完全無欠の存在だと思っていませんでしたか?

自分が大人になるにつれて親の弱さや、思考の意図を汲み取れるようになっていくかと思います。
きっと、そのとき初めて自分の親も1人の人間だったんだと実感する人は多いんじゃないでしょうか。

悩みごともあり、ささやかな幸せや、趣味。好きなテレビ番組に好きな食べ物。親がそうやって生きてきた1人の人間なのだと、どうにも子供のころには気付けませんでした。

それは他でもそのはず。
なにかしら些細な理由から人は人を嫌いになります。
距離を置きたくなります。あ、なんかこの人嫌だ、と。
そういや今回はそういう話でしたね。

話は戻り、バイト先でのお話です。
ちょうどいつかの今頃、春です。先輩Aがここを辞めると社員の方が話していました。
時期的にもたくさん辞めていたし、珍しくはない。なんなら僕にとっては苦手な人が消えるぜイエイ。くらいの気持ちで、別段心境に変わりはありませんでした。

先輩Aが最後の出勤日。
僕は同じ時間帯に入っていました。

それほどお店は混雑していなかったので、僕は使ったばかりの残量わずかなマヨネーズ容器を手に取り、それを膨らませ、少しでも長く使ったろうと逆さに向けていました。
珍しくも先輩Aは僕に声をかけてきました。

「これはね、パンパンに膨らましてもあんま意味ないから。少しだけへこまして振ったらいいんだよ」

それはいつもと同じような小言に近い言葉で、別に腹が立つなんてことはありませんが、素直に「ありがとうございます」と言って僕はそれを実践します。
そうしてまた沈黙になるのですが、おそらく気を使ったのか口を開きます。これまでと違って先輩という感じじゃなく、年相応、年下っぽく。

「これテレビで見たんですよ。こうやると結構、歯みがき粉とかも最後まで使えるんですよ」

続けて

「昔にテレビで見てからずっとやってます」

くっそしょうもないやり取りですけど、その言葉で先輩Aの人間としての複雑さが垣間見えた気がして、この人も生きていると初めて実感しました。「人間らしさ」を感じられたのです。
なんとも言葉には言い表せませんが……。

あと誰目線やねんっていう。

ありきたりな言葉ですが、彼にも人生があり、思うことがあるわけで、意識しないだけでこうもこの人の人間味を無視してこられたのかと。
傷付いたというか。なんというか。

そして先輩Aは適当に僕に挨拶していくと退勤していきました。
まぁ向こうは僕のことを意識はしてないでしょうね!!

が! この出来事は一生忘れないでしょう。先輩Aの名前を忘れても、この裏技は忘れないでしょう。
そのくらい印象に残った話です。僕のミルフィーユの一部に…(?)

少しだけ空気を抜いて、振る。です。
ありがとう、先輩A。

好きにはなれなかったのかもしれないけれど、嫌いではなくなった話です。

はい終わりィ!(突然)
解散んん!

サポートいただいたものは今後の作品に使わせていただきますので、ぜひサポートのほどよろしくお願いいたします! 今後も気合を入れてバシバシ書いていく所存です!