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寛容と抑制を備えた本物のリーダーは生まれるか~アメリカ大統領選挙を前に

【はじめに】

民主主義の死に方(スティーブン・レビツキ―・ダニエル・ジブラット著、新潮社)」というショッキングな名前の本を読み始めました。

 本当は読み終わってから感想を書こうと思っていたんですが、とても重要なことが書かれているので、11月3日の大統領選挙までに皆さんに伝えたくて、今日書くことにしました❗️

 中途半端な内容になったら、ごめんなさい🙏

 今、全9章のうち3章の途中まで読み終えたところです。

 この本は、トランプ大統領というやっかいなリーダーを生み出したアメリカ社会について、過去の歴史を辿りながら分析したもので、その中から民主主義の本質やいかにして民主主義が破壊され、独裁者を生み出してしまうのかということが書かれています👀

【民主主義を支えるもの】

 まず、私が注目したのは「はじめに」に書かれた次の文章📖

 アメリカの抑制と均衡のシステムはこれまで、2つの基本的な規範によって当たりまえのように保たれてきた。まずひとつは「相互的寛容」ー競い合う政党がお互いを正当なライバルとして受け入れるという理解。もう一つは「自制心」ー組織的特権を行使するとき、政治家は節度をわきまえるべきであるという考え。

 この思想は、民主主義の根幹を支えるものだと思います。

 日本でも、いわゆる小泉改革以降、新自由主義の流れの中で、貧富の格差が大きくなり、社会が分断されてきたと言われていますが、アメリカ社会の分断も深刻なようです。

 僕は伝統的に、キリスト教のカトリックの人が共和党支持者で、プロテスタントの人が民主党支持者だと思っていたのですが、今のアメリカは、いわゆる「ラスト・ベルト」と言われるデトロイトなどアメリカ中部の工業地帯で働く白人労働者が熱烈なトランプ支持者で、ニューヨークやロス・アンジェルスなどの都会に暮らす富裕層が反トランプだと言われています。

 引用した文章のような考え方をする余裕は、アメリカでも日本でも、もうなくなってしまったんでしょうか。

【独裁者とは】

 次に気になった文章は第1章から、こちらです📖

 私たち著者は・・・独裁者を見きわめるための4つの危険な行動パターンの例を導き出した。①ゲームの民主主義的ルールを言葉や行動で拒否しようとする。②対立相手の正当性を否定する。③暴力を許容・促進する。④対立相手(メディアを含む)の市民的自由を率先して奪おうとする。

  ドイツのヒトラーやイタリアのムッソリーニもみんなこの中のどれかに当てはまりますよね

  トランプ大統領もこれらに該当すると思いませんか?

【民主主義が民主主義を破壊する?】

 第2章の表題は「アメリカの民主主義を守る門番」📖

  共和国の自由を転覆するにいたった連中の大多数のものは(うまっち注:ヒトラーやムッソリーニなど)、その政治的経歴を人民へのこびへつらいから始めている。すなわち、扇動者たることから始まり、専制者として終わっているのである。

 そして、このような専制者の卵が大統領にならないように、アメリカ合衆国の建国時には、州の地元の名士からなる選挙人団による間接選挙制度が導入されたということです。その後、その門番の役割を共和党と民主党という2大政党が担うこととなりました。

 ところが、いろんな歴史的な経緯の中で、今の大統領選挙は、各州で行われる予備選挙の結果に拘束されるという意味で、より直接選挙に近い形に変わっています。

 この本の中では、「より民主主義的な制度が民主主義を破壊する」としています💦

 このことには賛否両論があると思いますが、僕はなるほどなと思いました。

【まとめ】

 これまで僕は、イギリスや日本のような国会議員の中から首相を選らぶ議会制民主主義よりも、アメリカの大統領や日本の知事・市町村長のように、住民が直接選挙でリーダーを選ぶ制度のほうが優れていると思っていました。

 でも、この本を読み、トランプ大統領誕生後のアメリカや世界の混乱を見ていると、必ずしもそうとも言えないなと思うようになりました。

 日本の新しいリーダーは、寛容と抑制を持ったリーダーでしょうか⁉️

 いずれにしても近づいてきたアメリカの新しいリーダーを選ぶ大統領選挙には大注目ですね‼️‼️‼️


ここまで読んでいただいて、ありがとうございました😊

個人的には、政治的な話をnoteでするつもりはありませんが、政治学として興味深かったのでご紹介しました😊😊



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