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読書感想文『流浪の月』凪良ゆう著

この本を読んだ理由

2020年の本屋大賞作品ということで、書店に平積みになっているのを度々目にした。
でも僕が惹かれたのは、タイトルの美しさ。
静けさと寂しさと暗さを持つ単語を2つ並べている優美さだけで、読んでみたくなった。
(小学校のとき「流浪の民」という歌をうたうことがあって、「流浪」って言葉がかっこいいなと思ったことも影響している)

特にあらすじもチェックすることなく2020年の6月に図書館予約。
翌年の4月にやっと読むことができた。

自分メモ

✅「きれいな物語」という印象
→感情移入はそれほどでもなかったが、読みやすいし、意外とテーマが奥深く、考えさせられた部分が多々あった。

でも多分、事実なんてない。出来事にはそれぞれの解釈があるだけだ、泉ちゃんには泉ちゃんの、亮くんには亮くんの。わたしも同じだ。わたしが知ってる文と、世間が知ってる文は全然ちがう。

 ――引用


✅1アウト終了というネット社会の怖さ

これだけインターネットが発達した世の中で、ぼくと更紗が完全に忘れ去られることはないのだろう。生きている限り、僕たちは過去の亡霊から解き放たれることはない。

 ――引用


コンプレックスの話?(ネタバレ要素有り)
→読書メーターの感想には「新しい恋愛の形」と書いたが、それ以前にコンプレックスの話? と思った。
 身体的なコンプレックスのせいで、女性に恋愛感情を持てない。
 そして、こういったコンプレックスが特殊なケースではなく、「誰にでもありうる」世の中になっていることが、この物語の深みになっている。

読書メーターに書いた感想

新しい「恋愛」の形を描いている。というか「固定観念のある恋愛という形に、無理やりおさめられることに悩んでいる人もいるんだ」という問題提起になるかもしれない。不倫でもLGBTでもないパートナーとは? といった深い話のように感じた。

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