“晴れ乞い” って 旅の徒然
“雨乞いの反対は なんだろう?”
招いてくれた 主催者は呟く
“やっぱ テルテル坊主かな”と
微笑みながら
外は 大雨を通り越して 土砂降り
“今年も宜しく やりますよ”
御招きのメールだった。
その時点で 宿も予約した。
ギランバレーに恋をして
旅を忘れたくらい
超省エネ暮らしの昨今
非日常な体験 愉しみである
毎年 晴天に恵まれると...
ただ...
日が近くなるにつれ 雲行きは怪しい
“大雨 大嵐になるでしょう”
天気 予報は 口を揃える
“どうぞ どうぞどうぞ
御無理はなさらず”と 気遣いのメールが
何度も入る
“大丈夫 雪降っても
荒縄巻いてでも 上がって行きますよ”って呟く
朝目覚めれて 大雨
天気予報は 唸る
益々 嵐になると
ガレージのシャッターを開け
エンジンを かける
30数年前の車
乾いた甲高い音色が心地よい
いざ
大雨の中へ
黄色の長靴と 黄色の傘を持って
水溜りに 突進していく幼稚園児のように
ワイパーも 効かないくらい大雨
鼻歌は “雨に唄えば”がエンドレス
そういえば ギランバレーに恋をして
口笛が吹けなくなったんだと おもいながら
益々 雨足は酷くなり
こりゃ 滝行 禊ぎだなって
思いながら 登っていく
不思議
世の中には 不思議と 呼ばれる事は
多々ある
不思議で 片付けられている事も...
“だから 何故?”
親も 周りも 呆れるくらいの なぜなぜ坊主は 変わってる子の称号も
いただき
いつしか 図書館に籠り 本を読み漁っていた。
“天気 晴れ”
皆さんが 集う場所に 着いた。
主催者のお二人は ニコニコ顔で
迎えてくれる。
全国から集う車達
大雨の中 集う気の高い仲間たち
懐かしい顔に 話も弾む
さっきまでの 大雨は⁉️
太陽が 顔を魅せて
青空が.....
自称 晴れ男の主催者さんに
皆が声をかける
“やっぱり持ってますね〜”
皆で 集合写真を撮り
車に乗り込み 次の場所へ向かう
車が走り出し 暫くすると
突然の大雨
今さっきまで 晴れていたのに....
大雨の中
車列が目指すのは 霧の名所である
続く
浮世雲拝
非日常へ御招き
晴れ乞いって?
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