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“草の香り 観天望気” 鮎漁師の呟き

“頭痛てー”

朝目覚めれて
天気図を 観る

漁場の真上を通る頃には 熱帯低気圧🌀に なっているだろう

それにしても 天気病など 無縁だと
思っていたのに...
ギランバレーに恋をして
動物的に生きているからか....

台風の話が 聞こえる前
毎日毎日 川に居た 
鮎柱祭り 毎日毎日 
天然遡上鮎が獲れた

雨降らず枯れた川 
漁場の深みに 鮎達は溜まっていた

ほんの少し 雨が降り
川の流れが 戻った

鳥達も 浅場に集う
魚達を 堪能していた

翌日

台風🌀台風🌀と メディアが叫び出した頃
全く魚達の気配は消えた

魚達が居ないと 鮎漁師は おやすみ
森に出かけた...

“雨は 森に降る”....

降り止まぬ雨....
夜中 目覚めては
レーダー雨雲と 
河川リアルタイム水量と
累積雨量と 
ずっとずっと観ている
この数日
台風の数日前から 
川から 魚達の気配が一斉に
消えたのが
とても 気がかりで….

その時点で 下記の昨年の景色の雨量は
超えていた

上流に降った雨
時間を かけて下流へ流れる


豊かな森が 水をコントロールしているのだから...

昨年の台風後のnoteの投稿を
読み直していた

雨は 止んでいる

自転車に乗り 漁場に出かけた

警らのパトカーが 走り回る
岸辺に止まる車に 声をかけている

いつもは 静かな漁場は 荒れ狂っている

前日の漁場

“大丈夫だな”....
草の香りも 泥の匂いも
しないから....

十年ほど前 嵐の後 川を観に来たら川から草の香がした 水の土色も濃くうねりに粘りがある

直ぐ家に戻り家族に伝えた

“大変な事が起きるぞ”

そのあと初めて避難勧告が出た 上流で一度に降った雨は山の表土を 一度に川に流し込んだのだった

note しばらく鮎漁師はおやすみ

漁場を離れ 堤防を走る
警らのパトカーが 行き来している

家に戻りまた ネットで
情報を眺める

どうやら 峠は 超えたよう....
一夜で 3m水位は 下がっていた

一日中 寝込んでも頭痛は治らず
薬を 手に....

今宵 熱帯低気圧と名を変えた
台風がやって来る

今宵も 大雨....

“ネットで 草の香りは伝わらない”

観天望気
鮎漁師 浮世雲

秋が 深まりそうである...

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