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日本女性の貧困を考える

本当ね、読んでて涙が止まらない
お金がないことが「貧困」じゃない

愛されずに育ったこと
自分を大切に思えないこと
誰も頼れず孤独であること

これを放置することで
日本社会の未来がどうなるか
「他人事」と思わず
考えてください

この本には様々な女性たちへの取材がまとめられている

風俗業で働くシングルマザー、正規→非正規へ転職し真面目に働けば働くほど貧しいシングルマザー、10代で妊娠し子どもを特別養子縁組へ出そうとNPOを訪ねる高校生、パート4つ掛け持ちし3人の子を育てるシングルマザー

どれも個人的なことなのかもしれないが、確実はこれは日本における男性優位な社会構造のしわ寄せが来てる例であり、本人たちの努力や能力不足ではない

皮肉なのが、こうした男性優位な法律を作っているのが男性政治家たちで、養育費を払わず女性たちに子供全てを押し付けているのも男性で、その女性たちが最後に行き着く”セーフティーネット”である風俗業を担うのも男性である、という事実

男性がつくった社会で溺れさせるのも男性で、溺れた女性たちを、男性がうまくビジネスに利用しwin-winの関係を築いてるのだ

この本で紹介されている風俗業のオーナーは、幸いとても女性たちの社会進出に熱心な男性経営者。彼は、女性たちが風俗業を始める際の面接に力を入れており、彼女たちが「いくら目標にここで稼ぎ、いくら貯まるまで次の道を探すのか」という道筋を一緒に考え、必要であれば職探しを手伝ったり、相談に乗ったりしている。また、貯金ができない彼女たちに代わり、予め給与の一部を事務所の金庫にしまい、在籍中の貯金もする。彼女たちが何かに困った際は、話し相手にもなるし、子持ちでも働けるよう風俗嬢用の託児所や寮も提供している。とても人間味があり、働く女性たちを第一に環境づくりをしていることは素晴らしいと思った

その日の生活に困る彼女たちにとって、真面目に職を探し、履歴書を作成、面接をし、相手の返答待ちに1週間待ち、それと同時に激しい保活という戦いに挑みに行き、入れるかもわからない待機児童問題に振り回されてる時間とお金の余裕がない

そうした心配もなく日払いで働ける環境の整った風俗業は、彼女たちにとっては最後の砦であり、これは日本の社会福祉の負けでもある

個人的に、これが彼女たちの体にリスクの高い性産業ではなければなぁ・・

私の周りにもシングルマザーは多いが、実家との関係が良好で金銭的サポートがある人たちはとても幸せそうに暮らしている。一方、そうでない人たちは、仕事を何個も掛け持ちし、明るい未来を描けず毎日疲弊している。

私は彼女たちに学校や保育園で出会ったが、本当に本当に困窮している人は、認可保育園では出会わない。だから、こうした女性たちの貧困は非常に見えにくい。

私は、今アフリカ事業をやっているが、自分が子育てするようになってからずっと「日本女性が子育てをもっと楽しく、喜び感じながらできたら」という思いがある。

児童養護施設へのドライフルーツ寄贈もしながら願っていることは「こうした施設へ入る子どもたちを一人でも減らせたらなぁ」ということだ

それはつまり、母親が一人でも子育てできるほど安定した収入を得られ、周りを頼り頼られる健全な人とのつながり、そうした基盤の中で子どもと自分の成長を楽める環境があればなぁ、ということ

ちょうど、この本で紹介されていた風俗の職場のような、彼女たちが「いてもいいんだ」と思える心理的安全性の高い職場。

そして、すごーくすごーく漠然とだが、そうした事業をやりたいなと思っている。実は、来年4月の保育士試験へ向け、今少しずつ勉強しているのだが、その理由も子どもを預かれる託児所付きの職場が作れないかな、と思っていることもある。

正直、私自身も今の事業の売上が安定せず、貧困に片足を突っ込んでいる状態。でも、女性が日本で子育てしながら働くって本当に辛い。パートナーの収入が安定している人は別だが、そうでない人は、子どもは可愛くても、現実問題、毎月の生活費も厳しいし、周りからのプレッシャーややることが多すぎて、心が潰れそうになる。そこでもがいている女性たちの存在を知りながら何もしないのは、私の性格上難しい。だから、彼女たちの受け皿として具体的な事業を何かできたらと、今考えている

ぜひ、「自分には関係ない」と思ってる人にもこの本を手にとって日本の現実を考えて欲しい。特に、昨年はコロナ禍で限界を感じた女性たちの自殺が相次いだ。

そして、自分の娘や孫娘、それ以降の世代にも、この女性であるが故に背負うものが多い社会は引き継がれてしまう。今自分にできることを何かしていかないと、社会は変わらないし、変わるわけがない。

だから、まずこうした現実を知るという意味で、この本を手にとって一緒に考えてほしい


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