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身体に聞け!


 前回の記事では、
「その○○から自由になってからどうするか?」という問いについて考えました。
そしてその問いを、具体的に答えやすい問いに変換して、考えてみることを書きました。

 今回は、別のアプローチについて考えていこうと思います。
そのキーワードになるのが「からだ」です。

身体に聞け!


 自分がどうしたいのかと迷った時、悩んだ時に「からだ」に耳を傾けることをお勧めしたいのです。
胡散臭いことのようですが、西洋哲学だって長年の時間をかけて「心身二元論」から「心身一元論」に至っています。あの有名な哲学者、ニーチェも「身体に聞け!」と言っていたようです。

 健康な身体、完全な、しっかりした身体は、もっと誠実に、もっと純粋に語る。それは大地の意義について語るのだ。
 あなたが「精神」と呼んでいるあなたの小さな理性も、あなたの身体の道具なのだ。
 あなたの最善の知恵のなかよりも、あなたの身体のなかに、より多くの理性があるのだ。
『ツァラトゥストラはこう言った(上)』氷上英廣訳、岩波文庫(p50〜52)

 元々、東洋思想では『心身一如』があり、『心身一元論』がずっと昔から言われています。

『心身一元論』がどういうことかと簡単に言うと、「心と体は繋がっていますよ」ということです。

心をなくし、体をなくす


 しかし、その「からだ」がガチガチで痛みも感じないような状態であると、「からだ」に聞くにも聞けない。
そのガチガチの状態を、「ゆるめる」ところから始めてみることをお勧めします。

 きっとガチガチであるということは、日々忙しくされているのだと思います。
これは、個人的な要因だけではなく、忙しくさせられている社会的な要因も多く考えられると思います。
しかし、その中で少しでもよいから今ある時間から、「からだ」に目を向ける時間を確保することが大切であるとお伝えしたいです。

 忙しいの「忙」という字は、分解すると【心」と【亡くす】と分けることができます。
つまり、忙しい状態であるということは、「心をなくしている」と考えることができます。

 先ほどの『心身一元論』でこのことを考えてみると、心身は繋がっているので、心をなくせば、体もなくなってしまいかねません。

だから、体から、心を取り戻すことをお勧めしたいのです。

体から、心を取り戻す


 そうは言っても、なかなか時間も取れないと思います。
簡単にできる体をゆるめる方法として、自分の体をさすることをお勧めします。

 仰向けに寝た状態で、胸の真ん中に手を当て、そこを上下にゆっくりとさする。
範囲は、鎖骨のあたりからみぞおちまでの間でよいかと思います。

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 そこを特に時間などは決めずにやさしく、さすると、呼吸のしやすさを感じられてくると思います。

 呼吸をしやすくしようと意気込まないように、注意してください。
イメージは、自分の体を労るようにさすることです。
こうしたことでも、ガチガチの体を緩ませることは出来るのです。

 これだけで万事OKとはいきませんが、これだけでもやる前と比べて体の変化を感じられるはずです。

さいごに


 『心身二元論』『心身一元論』などの身体のことに興味をもたれた方はこちらの本がお勧めです。


 そして、この著者である斎藤孝先生もこのように言っています。

 私は、それは身体の奥底にある感覚であり、必要最低限の情報を得たら、最終的には自分の身体の声を聞いてみるべきだと考えています。
 このように言うと非科学的なように聞こえるかもしれませんが、人は案外、自分が何を感じているのか分かっていないものです。もしくは、それを感じていても言葉やイメージとして把握できていません。
『生きることの豊かさを見つけるための哲学』 斎藤孝(p38)


 だからこそ、体をゆるめるところから、始めることをお勧めしたいのです。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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