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海外PIのすゝめ Vol.1

大学院生やポスドクには一番身近な職業である大学教員、自分もアカデミアで職を得ることを夢見る人は多いでしょう。けれど、ポスト獲得の厳しさに直面する先輩を見て将来に漠然とした不安を持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな皆様に、「海外でPIになればいいじゃん!」と気軽に勧めるべく、我々はこれまで海外でPIになった方々の体験談をご紹介してきました。PI (Principal Investigator)とは独立ラボをもつ大学教員です。
ケンタッキー大学の河島先生ペンシルベニア州立大学の岩月先生イリノイ大学の山田先生華中農業大学の津田先生など、海外で羽ばたき、活躍しておられる先生方がいらっしゃいます。じゃぁ、海外でPIになるにはどうするの?今日ご紹介するのは、シンシナティ大学の佐々木敦朗先生 ( @atsuosasakiuja1 ) による、ジョブハンティングセミナーです。

佐々木敦朗先生は広島のご出身、東京理科大学を出て、広島大学で修士号取得、久留米大学で博士号を取得されてから、「先生、ちょっと僕アメリカで独立してきます!」と一念発起で渡米されました。UCSDのFirtel研究室で3年(2002年~2005年)、ポスドクとして細胞の走化性におけるRasとPI3Kシグナリングの役割を研究し、トップジャーナルに数々の論文を発表なさいました(下記)。しかしPIとして独立するにはどうすればいいのでしょうか?

主な業績 in Firtel Lab
2004 J. Cell Biol.
2005 Nat. Cell Biol.
2005 Mol. Biol. Cell
2006 J. Biol. Chem.
2007 J. Cell Biol.
2010 Dev. Cell
主な業績 in Cantley Lab
2011 Sci Signal.
2011 Science
2011 Nat. Genetics
2012 Cell
2013 Cell
2013 Nat. Stru. Mol. Biol.

そこで佐々木先生はハーバード大学のCantley研究室へ移ることに。Cantley教授はPI3K研究の一人者で超大御所。数々のPIを輩出しておられます。またボストンは学問の街であり、数々の研究者、日本人研究者もたくさん留学しています。ここで佐々木先生はいざよいという研究者グループを立ち上げ、ここで切磋琢磨し相談し合った仲間がどんどんPIとして独立していくことにつながりました。

つまり海外PIとして独立するコツがここに集約しているわけで、その集大成を活かして、見事ポジションを獲得! 2012年からシンシナティ大学でラボを開設されました。では佐々木先生はどのように工夫をなさったのでしょうか?続きは動画でご覧ください。ジョブハンティングの虎の巻です。

海外PIのすゝめ Vol. 1
 米国PIのPros. & Cons.
海外PIのすゝめ Vol. 2
 ジョブハントプロセス
海外PIのすゝめ Vol. 3
 各プロセスでのツボ
 佐々木先生が思う大事なこと

就職活動をなさっている時点で既にR03をお持ちだったのも強いですね。独立なさってからの活躍も目覚ましく、まずR01(2億円程)、さらにR21を獲得、ついに2個目のR01とテニュアへの道を着実に進んで行かれました。佐々木研究室のWebsiteはこちらです。 

佐々木ラボの主な業績
2013 Sci Rep
2014 JBC
2014 J of Cancer Research
2016 Mol. Cell
2016 JCI
2017 Cell Rep.
2018 Cell
2019 Nat. Cell Biol
2021 J Biochem.

いかがでしたか?ジョブハンティング虎の巻、具体的なコツが満載の動画を3回に分けてお送りしていきます。コツを活かせば、あなたも海外PIになれるかも!?
次回は具体的なジョブハントプロセス、効果的なカバーレターやCV (履歴書) 、Research Proposal、Teaching Statementの書き方、推薦書の集め方を徹底的に解説してくださいます。お楽しみに!

まずはUJA編集の「留学のすゝめ」を参考に海外留学からはじめましょうか。将来のPIはあなたです!



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