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乃木坂46をマーケティングのフレームワーク使って考察してみた

乃木坂46のファン獲得や育成についてのマーケティング戦略をマーケティングのフレームワークを使って考察してみました。

乃木坂46のマーケティング戦略のまとめ

・多種多様で量の豊富なタッチポイント
・提供コンテンツの種類の多さ

メンバーの個性を活かした様々な種類のメディアにメンバーそれぞれが露出することでタッチポイントを増やしています。タッチポイントを幅広くすることでファンになるのきっかけを多くする。
そしてファンになってもらったあとは乃木坂46としてのグループ力をいかした質が高く種類も多いコンテンツを提供することで飽きさせない。乃木坂46のファンで居続けてもらう。

乃木坂46というグループを推し出すのではなく、あくまで各メンバーを売り出していくことでファンの入口を増やしていくことにマーケティングの重点を置いている。

これからも乃木坂46の各メンバーが個性を発揮しつづけることができている限り乃木坂46の人気は続きます。

下記で詳しく説明していきます。

自分が乃木坂46にハマった経緯

今更ながらに乃木坂46にハマってます。10周年おめでとうございます。

ドラマ「じゃないほうの彼女」の山下美月さんにハマり、そこから乃木坂工事中と言うバラエティ番組を見ていくうちに山下美月さん以外のメンバーのことも気になりだし、そのメンバー達の出てるメディアをチェックし始めた。今ではほぼ毎日公式サイトの出演情報を確認してたりします。今度は、ライブに行こうかなと思い始めてる。ベストアルバムは特典映像観たくて完全生産限定版買いました。特典映像良かった。

運営側の思惑通りにファンになったと思います。
ということで乃木坂46のファン獲得&育成のマーケティング戦略について普段使ってるマーケティングのフレームワークを利用して考察してました。

AIDMAとAISAS

消費行動を説明する際によく使われるマーケティングのフレームワークにAIDMA(アイドマ)とAISAS(アイサス)があります。AIDMAの考え方をインターネットが普及した現在の消費行動に当てはめたものがAISASになります。

Attention:注目、商品やサービスについて知る
Interest:興味を持つ
Search:検索
Action:購買行動
Shere:共有する

上記の頭文字をとってAISASです。

乃木坂46の場合は特にAttentionの種類と量の多さが際立ちます。とにかく入口が広い。

ドラマ、歌番組、バラエティ、CM、雑誌、ラジオ、タイアップキャンペーン、Web限定コンテンツなどなど毎日どこかで乃木坂のメンバーが露出しています。僕が山下美月さんのドラマをきっかけにハマったように、ハマるきっかけがいたるところにある。

いわゆるタッチポイントと呼ばれるものが多くあります。先日のラジオ番組で乃木坂46の生みの親である秋元康さんが

まずは見つけてもらうことが大事

と言っていました。見つけてもらうための施策(プロモーション)は最重要事項として力を入れてると思います。

SNS時代のマーケティングフレームワーク、「ULSSAS(ウルサス)」

AISASからさらに拡張されたマーケティングフレームワークがホットリンクさんが提唱しているULSSAS。このフレームワークどおりにUGC(ユーザー投稿コンテンツ)が大量に発生していることもタッチポイントの多さにもつながっています。

U: UGC(ユーザー投稿コンテンツ)
新商品を発売したところ、ユーザーが写真つきのツイートを投稿する。
L: Like
UGCを見たユーザーが投稿にいいねやリツイートをする。エンゲージメントが高くなるとリーチが伸び、より多くの人の目に触れるようになる。
S: Search1(SNS検索)
いいねがついたUGCを見たユーザーが、商品について気になり始める。SNS上で検索をして情報収集する。
S: Search2(Google/Yahoo!検索)
商品を買える最寄りの店舗を知りたいと思い、検索エンジンで指名検索をする。
A: Action(購買)
店舗に足を運び、商品を購入する。
S: Spread(拡散)
商品の写真を撮り、それをTwitter上に投稿する。その投稿(UGC)にまたいいねがつき、ULSSASのサイクルが回り始める。

https://www.hottolink.co.jp/service/method/ulssas/

1対5の法則

1:5の法則とは、新規のお客様を獲得するには、既存のお客様の5倍のコストがかかるという法則。
新規顧客は獲得コストが高いにもかかわらず利益率が低いので、新規顧客の獲得以上に、既存顧客の維持が重要であるという考え方である。

https://www.synergy-marketing.co.jp/glossary/law5-1/

新規のファンを増やしていくことも大事ですが、すでにファンになってくれている人から収益をあげていくことも大事です。1対5の法則にしたがうとすでにファンになっている人から収益をあげるほうが利益率が高くなります。

つまり、いかに既存の顧客を離さないようにするかがとても大事になります。いわゆるチャーンレート(解約率)を低くする必要があります。
解約率を低くするためには良質なサービスの提供はもちろん、ユーザーを飽きさせないブラッシュアップの継続が求められます。

ユーザーを飽きさせないブラッシュアップの継続

卒業と新加入

グループを卒業するメンバーは毎年います。また新しく入ってくるメンバーもいます。ちょうど今年に5期生と呼ばれるメンバーが加入していきます。グループ内のメンバーを定期的に入れ替えていくことでグループ全体の鮮度を保つようにしてます。飽きさせない仕組になってます

冠番組「乃木坂工事中」

メンバーが入れ替わることによるグループ全体の鮮度を保つだけでなく、各メンバーの色々な面がみられるのも飽きさせない施策の一つになってると思います。

その各メンバーの意外な一面が見られる代表的なコンテンツが乃木坂46の冠番組である乃木坂工事中です。アイドルがそれとなく出てきてファンだけが楽しめるような番組ではなく、普通にバラエティとして楽しめる番組になってると思います。ジャニーズでいうと「SMAP×SMAP」「嵐にしやがれ」「鉄腕ダッシュ」「学校へ行こう」みたいなレベルのバラエティ番組。

番組が面白いのはMCのバナナマンの力も大きい気がします。バラエティ素人の乃木坂46メンバーを上手く活かして盛り上げているのはバナナマンの実力です。それに2人がバラエティに不慣れなメンバーの育成に一役買ってくれてると思います。
そしてなにより日村さん、設楽さんが毎回すごく楽しそう。バナナマンファンも楽しんでみてくれてると思う。

推しを見るために乃木坂工事中を見ていたはずが他のメンバーも好きになってたりします。推しが続くことになる。

公式Youtubeの乃木坂配信中で過去の放送みれるのでぜひ。普通に面白いです。


推しが続く

グループの鮮度を保つためにも卒業と加入がある。
推しが卒業することで乃木坂46のファンをやめてしまう恐れがあります。しかし僕の考えでは乃木坂46のファンを辞めてしまう人は少数派だと思ってます。

理由としては二推しがいるファンが多いのでは?と思っているからです。

“二推し”とは、○○ちゃんが好きだけれど、××ちゃんも良いと思っているという、一推しではなく二番目に推していることを意味するアイドル用語。

https://news.1242.com/article/131937

推しの意味については下記を参照ください。

推しが卒業しても二推しが残り、それが推しとなりまた新たな二推しが誕生していくのではと思ってます。結果的に長期的に乃木坂46のファンになる。

乃木坂46見ているとメンバー同士の仲がよく、メンバー間でも推しが存在していたりします。メンバーの組み合わせを推してたり、また数人で結成されるユニット楽曲もあり、推しがいるユニットを推しだすこともありそうです。その影響もあり、二推しどころか三推し、四推しも存在しそうです。

僕が乃木坂46を好きになったきっかけの山下美月さん。同じ3期の久保史緒里さんとの組み合わせは二人の名前の一部をとって「くぼした」と呼ばれてたりします。とても仲のよい雰囲気を色々なメディアでも実感します。くぼしたの良さは下記参照。久保史緒里さんも推してます。

推しが、ずっと居続けることで飽きることない。乃木坂46の沼から抜けるきっかけがなくなる。

ファンマーケティング

ファンマーケティングとは、ブランドや商品、サービスのファンに着目し、彼/彼女らと密接にコミュニケーションをとることで、「中長期的な売り上げの増大」や「ブランドやそのカルチャーの共創」を図るマーケティング方法、またはその概念です。

https://www.dentsudigital.co.jp/topics/2020/1013-000585/

上記のステップの中の「育む」ところについて考えてみました。

ツボを捉える最適なコミュニケーション施策

双方向でコミュニケーションのとれるライブコンテンツが充実している。主なライブコンテンツとしてはステージライブ、握手会(今はオンライン対応)、Showroomなど。

ステージライブにまで足を運んだり、握手会に参加するのは、コアなファン向けの「育む」ステップだと思います。ライトなファンには少し敷居が高い。
しかもライブは年に数回しか開催されないために接触頻度が低くなります。握手会もそんなに多くはできません。

しかし今はYoutubeをはじめライブ配信のプラットフォームが数多くあり敷居を低くするだけでなく接触頻度も高くできています。とくにShowroomでのライブ配信はメンバーが交代で担当することでほぼ毎日開催されています。たった30分ですがリアルタイムでファンが推しと交流できる機会が気軽にあるからこそ「育む」ができている。
メンバーが多いことで交代で担当できるところもグループの強みを上手くいかせてると思います。

遠藤さくらさんのShowroomの様子

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、読者にとって価値あるコンテンツの制作・発信をとおして見込み顧客のニーズを育成、購買を経て、最終的にはファンとして定着させることをめざす一連のマーケティング手法です。ポイントは「価値あるコンテンツを作る」こと、「顧客を育てる」こと、そして「ファン化する」の3つです。

https://innova-jp.com/content-marketing/

ポイントの3つ
①価値あるコンテンツを作る
②顧客を育てる
③ファン化する

②顧客を育てる、③ファン化するについては先述したので、ここでは①価値あるコンテンツを作るについて注目したいと思います。

楽曲

楽曲についてはレコード大賞の受賞や販売ランキング上位を占めるなどしています。いわゆる表題曲の質は当然良い。しかし表題曲以外にも実はたくさんの素晴らしい楽曲が存在します。その一番の例が「きっかけ」だと僕は思ってます。

「きっかけ」は、表題曲ではなく、2016年5月にリリースされた2ndアルバム『それぞれの椅子』のリード曲です。
2016年はファンでもなかったので僕はわからないですが、おそらくファンの間では話題になるくらいのレベルの曲だったかもしれません。

ミスチルの桜井さんが紹介するなどして徐々に話題となり、ついには「きっかけ」が2021年末の紅白歌合戦で披露されることになります。紅白なら世間的にも有名な楽曲(シングルで発売するような曲)をするのが通常です。紅白で表題曲ではない「きっかけ」を披露する。乃木坂46の楽曲の層が厚さの証明だと思います。
(生田さんの最後の出演となる紅白の演出は、とってもよかった。また見たい。)

また「きっかけ」は紅白だけでなく、THE FIRST TAKEでも披露されています。4期生の遠藤さくらさんのパフォーマンスが素晴らしいので見てない人はぜひ見て聴いてほしい。遠藤さくらさんの良さと「きっかけ」の良さどちらも実感できると思います。さくちゃんカワイイ。

女性からの支持

乃木坂46はモデルのメンバーがすごく多い。女性誌の専属モデルで多くのメンバーが活躍しています。

週刊誌とかでグラビアを飾るアイドルは普通にいますが、女性誌で専属やレギュラーでモデルとして活躍することは少ない。いてもグループ内に1人、2人くらいですが、乃木坂46は10人以上います。

女性誌をきっかけに乃木坂46を知る女性も多いと思います。実際、3期生の梅澤美波さんもモデルをしていた白石麻衣さんをきっかけに乃木坂を好きになったと言っていました。

モデルとして活躍できているというのは女性からの支持が高い証拠です。

マーケティングでも女性からの支持を受けることは重要です。映画でレディースデイがあるように女性を優遇する施策は数多くあります。


ラジオ

乃木坂46を知るようになって驚いたのがラジオへの出演が多いことです。僕がラジオを聴く習慣があまりないからかもしれませんが、色々なラジオにでているのに驚かされました。

ラジオをそんなに聴かない僕でも知っている「オールナイトニッポン」。これまでも有名な方々が担当している番組です。おそらく「オールナイトニッポン」をやるのが夢ですと言う芸能人も多い気がします。
その有名な「オールナイトニッポン」の水曜日の担当が乃木坂46です。

他の曜日のパーソナリティが強力

6年担当していた初代の新内眞衣さんが卒業し2代目パーソナリティとして久保史緒里さんが就任されました。先日の初回の感想としては、初パーソナリティとは思えないほどのクオリティでした。声も聴きやすいですし話も面白かった。その初回で久保さんも言ってましたが、オールナイトニッポンの他の曜日の担当がすごい。そんな中に乃木坂46のメンバーが任されるというのは人気の高さをうかがえます。

当然ながらラジオは音しかありません。アイドルはビジュアル重視でもあるはずですが、音だけのラジオでもその魅力は落ちない。むしろラジオだからこそテレビよりも身近に感じることができるのかもしれません。

6年もパーソナリティを務めていたの新内眞衣さんは本当にすごいと思います。まいちゅん推しでもあったので卒業して乃木坂工事中で見れないのはとても寂しい。ラジオも少しの期間しか訊けなかった。

メンバー自身が最高で未完のコンテンツ

楽曲とかモデル、ラジオ、女優などコンテンツを提供していくれていますが、一番のコンテンツはアイドルとしての彼女たち自身の成長過程、メンバー自身が最高のコンテンツだと思います。

ほぼ素人同然だった女の子が一流のアイドルとして、大人として、人として成長していく過程をみれることが一番のエンターテイメントコンテンツだと思います。

グループとしてもメンバー各個人としても成長し続けていること(変化し続けていること)が最大の魅力だと思います。

常に完成していない、未完成ゆえの儚さや危うさ。そこにいい意味での不安感(ドキドキ感)があり、応援してあげたくなる気持ちが生まれる。応援することで、ファンも一緒に乃木坂46を作り上げていくような感覚になる。

未完成だからこそ魅力がある。

乃木坂46のマーケティング戦略

どのマーケティングフレームワークにも当てはまるような戦略が実施できている。また各コンテンツの質も一定以上のクオリティになっていると思います。

乃木坂46のマーケティング戦略の中で一番充実しているところは入り口の戦略。乃木坂46へのタッチポイントの種類と量が豊富にあるのがマーケティング戦略の中で最も特徴的なところだと思います。

乃木坂46の各メンバーの個性を活かすように幅広くタッチポイントを用意している。ホントに幅広すぎる。

Eテレ「将棋フォーカス」のMCを向井葉月さんが担当してます。アイドルと将棋の組み合わせはなかなか珍しい。普通に向井さん将棋が上手いみたいです。渡辺九段いい笑顔w

卒業してしまいましたが、中田花奈さんは麻雀のプロになってます。雀荘カフェまで経営するほど麻雀好き。

中途半端なマスコット的な存在で番組に出演しているのではなく、向井さんも卒業生の中田さんもガチで好きなので、各コアなファンからも支持されているようです。

各メンバーが個人でしっかりと露出していくことで乃木坂46全体を知ってもらう。そして乃木坂46を知ることで他のメンバーも知る。
様々なタッチポイントをつくり入り口を多くしたあとは乃木坂46のグループとしての力を活かしてファン化させていく。乃木坂46というグループの露出を増やしていくのではなく各メンバーの露出を強化させて入口を多くしていくマーケティング戦略だと思います。

実際にキーワード検索のトレンドを見ると「乃木坂46」は右肩下がりで減ってきています。


しかし「山下美月」や「遠藤さくら」など個人の名前は右肩上がりに増えています。

乃木坂46のマーケティング戦略で一番のポイントは

・多種多様で量の豊富なタッチポイント
・提供コンテンツの種類の多さ

メンバーの個性を活かして、あらゆるメディアに露出してタッチポイントを増やすことでファン獲得のきっかけを多くする。ファンになってもらったあとは乃木坂46のグループ全体で質が高く種類も多いコンテンツを増やすことで飽きさせない継続性を保つ。

乃木坂46の各メンバーが個性を発揮しつづけることができている限り乃木坂46の人気は続くはずです。

追記(2022年9月1日)

乃木坂46のライブに初めて行ってきました。最高でした!!!


蛇足

個人的に好きな楽曲とPVを紹介します。

ざぶんざざぶん

もしも心が透明なら

僕は僕を好きになる

帰り道は遠回りしたくなる

せっかちなかたつむり

毎日がBrand new day

Sing Out!


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