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くぼしたの行く先。

初期からくぼしたを密かに推してきた私。


なぜここまでに惹かれてしまうのか、ふと二人への思いを綴りたくなりました。
くぼしたについて記事にしている人はたくさんいますが私なりの表現で二人の歴史とともに言葉にできたらと思います。かなり個人的な理解が入り、長々としてしまったので時間のある方だけぜひ。



まず、くぼしたとは何なのか?
乃木坂46の3期生の同期で、
2001年7月14日生まれ、宮城県出身の久保史緒里
1999年7月26日生まれ、東京都出身の山下美月
からなるコンビ。

おそらくですが、2017年7月12日の二人が出演したSHOWROOMにて初めて自己紹介として”くぼした”と披露したことがきっかけで生まれ、この名前は本人たちが考えたものだと思います。




この二人、ただの仲良しコンビとだけでは表せないほど特別な関係だと私は思っています。いうならば運命、簡単に言葉にはできない関係。




乃木坂46の3期生は2016年7月4日にオーディションの募集が開始され、同年9月4日に最終オーディションに残った12人全員の合格者が披露されました。


東京生まれ東京育ち、一人っ子だった山下美月は小学6年生の頃、父に連れられAKB48のコンサートに行きます。そこできらきら輝くアイドルに憧れを持ち、ステージの上に立つ人間になることを志します。若くして芸能事務所に所属。しかし、100のオーディションを受けても受かるのは1つほど。芸能界の厳しさを知り、学校での人間関係に悩んだことで事務所を退所。最後のチャンスとして臨んだのが乃木坂46、3期生のオーディションでした。


一方、宮城県で生まれ育った久保史緒里は11歳の頃、周りがAKBで盛り上がる中ひっそりと乃木坂46のおいでシャンプーのCDを購入。人生初のライブは乃木坂が良いと心に決め、山形県で開催されたアンダーライブへ友達と行くことになります。ライブに行く前から乃木坂に入りたいと思っていた中、会場に向かう電車内でその思いを友達に打ち明けます。その友達の答えは「乃木坂になってほしい。」 その夢は確かなものになり、人生で初のオーディションに挑むことになります。


その後、二人は見事に合格。

しかし、生まれ育った場所も、年齢も、経験も違う二人。
本人たちが口を揃えて「特別な存在」と言い、多くのファンがつくまでの関係になったのには何があったのでしょうか?



二人の最初の転機は、3期生初公演の『3人のプリンシパル』。

二幕からなるキャスティング演劇で、一幕では自己PR、ダンス審査、演技審査などの公開オーディションが行われ、幕間で二幕に出演する3役を誰がふさわしいか観客が投票。その結果を受けて二幕に出演するメンバーが決まるというものでした。

その二幕で久保史緒里は15公演中最多の11公演に出演。山下美月はそれに次ぐ10公演に出演するという成績を残しました。

のちに二人は、
久保「二人とも一幕の自己PRで毎回違うことしてたよね。」
山下「二人とも楽屋から消えて誰もいないところで練習してた。」

久保「舞台上で色んなメンバーと目を合わせて演技したけど、山下は何か違った。一緒にやりたいと思った。」
と話しています。


日々違う役を練習しメンバーと争う日々。精神的にも体力的にも簡単なものではなかったはずですが、二人はそこで実力をつけるとともにどこか惹かれあうものがあったのかもしれません。



その後二人は、3期生の初楽曲『三番目の風』でフロントセンター横、シンメのポジションに。続く3rdアルバム収録曲、『思い出ファースト』でもセンター横のシンメポジションになります。

そして、同期の与田祐希、大園桃子がセンターを飾った18thシングル「逃げ水」の収録曲『未来の答え』においてくぼしたは初のWセンターを任されます。

この頃になるとくぼしたのシンメの関係は定番となっていました。くぼしたという存在が最も認知されたときだったとも思います。運営も二人の人気、実力のバランスをみてくぼしたを推していたのでしょう。



また、19thシングル収録曲『僕の衝動』でも、3列目ではありますがくぼしたはシンメになりました。これで3期生楽曲では4曲連続のシンメトリーの関係。

そしてなんと同じく19thシングルでは『不眠症』で1期生、2期生が多く揃うメンバーの中でくぼしたがWセンターを任されることに。


ついにここまで来たか!
二人の楽曲でのシンメトリーのポジションという関係は切っても切れないものになっていました。


本人たちも、「本当に話が合う。考えてることが一番一緒。シンメになることが多い分、年齢は違うけど共感できることが多い。」
「お互いを高めあえる関係。本当にいい関係だなって思う。」
と話していました。



そして20thシングル、『シンクロニシティ』において山下美月、久保史緒里の二人は同時に福神として初選抜を果たします。

しかし、山下美月はフロント、久保史緒里は2列目とシンメの関係からは離れます。

同じく20thに収録された3期生楽曲『トキトキメキメキ』でもシンメにはならず。ここで4曲連続だった関係は止まりました。



これには何か意味があるような気がしました。



この頃からそれぞれ個人の仕事が増えるようになります。


久保史緒里は2017年8月、ファッション誌『Seventeen』の専属モデルに起用。山下美月は2018年8月、ファッション誌『CanCam』の専属モデルに抜擢。同年10月公開の『日日是好日』では映画初出演を果たしました。


順風満帆なアイドル人生を歩んでいるかように見える二人。ですが同時に、アイドルとしての活動の現実に思い悩んでいる時期のように見えました。

初期の頃には見えなかった、自分たちが少し成長したことで見えてくる現実。


2018年6月、久保史緒里は体調不良を理由に乃木坂46の活動を休養します。
グループ内での努力の仕方、自分の在り方に悩んだ末、心も体も限界に達してしまった結果でした。

21stシングル『ジコチューで行こう!』の楽曲には不参加。『真夏の全国ツアー2018』をすべて欠席。同ライブの最終日、アンコールで復帰しますが、続く22ndシングル『帰り道は遠回りしたくなる』からはアンダーメンバーとして活動を再開します。

またその後の23rdシングル『Sing Out!』では選抜メンバーに選ばれ、くぼしたの再会が望まれましたがそこには山下美月の姿はありませんでした。



久保が休養期間からアンダーで活動している間も、グループの中心で活動していた山下美月。坂道AKB第3弾『初恋ドア』ではセンターを務め、ドラマでは『神酒クリニックで乾杯を』、『電影少女 -VIDEO GIRL MAI 2019-』に出演するなど活躍を見せていましたが、体調不良により23rdシングル『Sing Out!』への参加を見送ることになりました。


連日早朝から深夜まで続く仕事。グループの活動も個人の活動も常に完璧を求めた結果、倒れてしまい病院に運ばれます。限界まで自分を追い込んだ結果でした。

その後、『真夏の全国ツアー2019』でグループの活動復帰。次の24thシングル『夜明けまで強がらなくてもいい』から楽曲への活動を再開します。




この頃、フォーメーションでシンメになるくぼしたというのは過去の話になっていました。

肩を並べて成長していった初期とは違い、それぞれ個人で壁にぶつかり思いつめた期間。乃木坂46の中でも体調不良で休業したメンバーはそれほど多くはありません。私はこの休業は自分を見つめなおす良い期間だったのではないかと思います。常に全力で挑むけれど少し不器用だという点では二人は似ているのかもしれません。



くぼしたが距離を置き、それぞれ別の道を歩んだ意味。
 

それは二人がより成長するためだったのではないかと思います。


近すぎると分からないもの。グループから離れ、自分を俯瞰して見つめる。
自分の居場所はどこなのか。自分は何をしたらいいのか。

それぞれが自分と向き合い、それぞれの個性を磨き力をつけて帰ってくる。
また二人が再開したときにそれは大きな力を発揮するのではないか。




2020年、世界中に新型コロナウイルスが蔓延しグループの活動が思ったようにできない中、配信シングルとして新曲が発表されます。

『Route246』
秋元康とタッグを組み、小室哲哉が復帰した意欲作でした。


ここでセンター齋藤飛鳥の後ろ、いわゆるセンター裏でくぼしたはシンメになることになります。


今まで別の道を歩んでいた二人がまた交わる瞬間でした。グループ内での立ち位置が明確になってきた二人。私は絶好のタイミングだったのではないかと思います。


のちにこんなエピソードも。

久保の誕生日に山下からLINE。
「シンメ嬉しい。」
久保からの返信は
「泣いた。今まで気持ち悪いと思われたくないから言えなかったけど。」


二人はお互いの関係についてこのようなことも言っています。

山下「私はアイドルでシンメ感とかバランスが個人的に重要視してて。自分で誰が一番合うのかなって考えたら久保ちゃんだと思った。」「久保ちゃんのほうが全然ダンスも歌も私よりうまいしシンメになりたいっていうのもおこがましいって思っちゃうんだけど。でもやっぱり好きなの。」

久保「私こそ山下とのシンメは本当に好きなの。でもやっぱさ、私がそこに立っていいわけがないのよ。私が頑張らないといけないっていうのはずっと思ってたから、山下もそんな風に言ってくれて。こういう関係だからこそのうれしさってある。」

山下「一人一人でも頑張っていけるけど、こうさ、二人で行きたいじゃん。」



驚くのが3年前に二人がSHOWROOMで話していた内容とあまり変わっていないこと。様々な経験をした分、言葉に重みが増しているけれど。

個人でも十分な力をつけたように見える二人が、それでも一緒に頑張りたいといえる関係。決して仲がいいだけではない、ライバルでもない。アイドルとして活動していく中で互いをリスペクトし、互いを指標のようにしていたのではないでしょうか。


乃木坂のどのコンビとも少し違う独特な関係性だと思います。



そして、2021年1月。
白石麻衣の卒業後初のセンターを任されたのは山下美月でした。

その隣を固めるのは同期の
久保史緒里と梅澤美波。


『9th year birthday live』の山下美月のスピーチより。

「初めてセンターをやるということを聞いた時は、今の自分にはあまりに背負うものが大きすぎて、「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ」って、最初は自分に言い聞かせていました。」
「でも、そんな時に手を差し伸べてくださった、メンバーだったり、スタッフさんだったり、ファンの皆さんだったり、本当にたくさんの方々のおかげで、自分は1人じゃないんだなっていうことを実感することができました。乃木坂のセンターという大きすぎる場所に、私が今ちゃんと立てているのかは、正直まだ自信がありません。でも、こんな私でも、笑顔で迎え入れてくださって、居場所を作ってくださった皆さんがいてくださったおかげで、自分のことを、ちょっとだけ、好きになれたような気がしています。」


久保史緒里は「今は3期が一番頑張らなくちゃいけないとき。」だと頻繁に言っていました。1期生や2期生の卒業が相次ぐ今、個人の様々な経験をもとにまた新たな風を吹かせるのは3期生なのかもしれません。



少し話がそれましたが、くぼしたに惹かれる理由は何か。


私はこの文章を書いていて一つ思うことがありました。
少年マンガのストーリーみたいだなと。


幼いころ、二人は仲良しでよく一緒にいた。しかし、ひょんなことから二人は離れ離れに。別々の道を歩むことになってしまう。そこからはそれぞれ冒険をしさまざまな戦いを経て経験値を得てゆく。そして強くなった二人は重要な場面で再開。そこで最大の力を発揮する。


いつの間にかこのようなヒーロー的なストーリーに惹かれ、憧れていたのかもしれません。二人なら乃木坂を救うヒーローになるのではないか。


勝手な妄想をしすぎました。



最後に。


久保史緒里は、乃木坂オタクというキャラで様々な企画に参加。司会を務めることも多くなりました。また持ち前の歌唱力でライブや歌番組などで存在感を発揮。

山下美月は、小悪魔やあざといキャラで様々な番組やドラマで活躍。持ち前の美貌とバラエティ力でどんな場でも結果を残しています。


全く違うキャラ、むしろ対極にいそうな二人。
ただしそれが絶妙なバランスを生み出していてこのコンビの魅力になっているのです。


形は違えども、二人はそれぞれ正統なアイドルの姿だなと私は思います。



このコンビはいつも一緒ではないからいいのかもしれません。


時々お互いを確かめ合って、またそれぞれの高い場所を目指す。


そしてここぞという時に背中合わせで光り輝くからこそ尊い。


私はこれからも二人の発展を願って応援していきたいと思います。




ここまで読んでいただきありがとうございました。私の勝手な理想で話を美化しすぎているかもしれません。ひとつの物語を読んだと思って内容を解釈して頂ければ幸いです。



ー追記ー

27thシングル『ごめんねFingers crossed』収録曲「全部夢のまま」でくぼしたは歌割が一緒に。曲中でじゃれあう二人がとてもかわいらしいです!

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