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ついに迎えた我が家の介護体験記
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介護⑨中高年男3人で過ごす〜他人だから聞き流せる〜特養から一泊だけ外泊許可(最終編)

介護⑨中高年男3人で過ごす〜他人だから聞き流せる〜特養から一泊だけ外泊許可(最終編)

高校野球の中継があって良かった!😅
介護施設から一泊の外泊許可が出て、自宅に戻って来た父と母の代わりに一晩介助をしようと試みる中高年の息子2人。

男性ならば同感していただけると思いますが、男の親子、特に話すことはありません。いや、父は若いときから饒舌。自分の関心のあること、人の噂話を切れ目なく喋り続けます。

いやあ、これはたまらん。弟は究極のマイペース人間で、親と同居しているこの自宅へ到着早

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介護⑧〜中高年男3人で過ごす〜特養から一泊だけ外泊許可〜父の一時帰宅(続編)

介護⑧〜中高年男3人で過ごす〜特養から一泊だけ外泊許可〜父の一時帰宅(続編)

続編です。
実家に着いたあと、いつもと様子が違うことを察したのか、父は開口一番「お母さんは、どうした?」とポツリ。

ここは心を鬼にして「もうお母さんは、お父さんの世話をするのは難しい。お母さんがいない前提で今日は、俺たち兄弟で世話をする。お母さんがいつまでもいるとは限らないからと」ピシャリ。

父は泣きそうな顔で「楽しみにしていたのに。」と声を絞りだしました。
いやいや何年も会っていないのではな

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介護⑦〜中高年男3人で過ごす〜特養から1日だけ外泊許可(前編)

介護⑦〜中高年男3人で過ごす〜特養から1日だけ外泊許可(前編)

こんにちは。久しぶりの投稿となりました。

遂に根負けしました。
以前、せっかく入居できた特養なのに「早く出たい」と会うたびに力説していた父の事を書きました。

その後も、月1回の面会のたびに猛烈にアピールが続きました。
現実問題として。
要介護認定3の状況。そして老母も腰が悪く、その他の持病もあり、父の特養退去、自宅復帰は、夫婦共倒れになる可能性が極めて高いのです。
それにも関わらず、父は相変わ

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介護⑥〜人は一人では生きていけない

介護⑥〜人は一人では生きていけない

 昨年末に、特養に入居する父が施設から出たいと懇願しているのを、老母と説得に向かいました。結果は、渋々ながら父はまだまだ施設のお世話になる事に理解を示したようです。

大晦日に慰労の意味も含め、実家にいる母を訪ね、私の弟や私の家族も含め、焼肉パーティーを催しました。

その折、母より「施設の担当の方から、電話があったよ」「ご長男さんが施設に継続してお世話になるように強く言ってもらえたおかげで、あれ

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介護について⑤〜父を説得に行く

介護について⑤〜父を説得に行く

 前回の記事では、特養に入居中の父が、施設から出してくれと懇願し、施設のスタッフの方を困惑させているという事を書きました。

今日は、その様子を見に母と施設へ訪問。父と面会し、長男として、今戻ることは難しい旨をハッキリ宣告して来ました。非常に気が重かったのですが。

 透明のアクリルボードが載った面会机で待つこと数分。スタッフの方の押す車いすに乗って表れた父。半年ぶりに見るその姿は前回にも増して一

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介護について④早く家に帰りたい

介護について④早く家に帰りたい

 父が特別養護老人ホームに入居して早くも8ヶ月が経過しました。コロナ禍のピークが過ぎ、5類に移行されたとはいえ施設の側も面会には慎重なため、面会のタイミングも限られています。
そう、なかなか父の様子は、分かりづらい。

一方の母は、父の入居当初は落ち込んでいたものの、次第に旧友たちとの交流が復活するにつれ、元気を取り戻し、今では亭主元気で留守が良いとばかりに笑、ずっと父に拘束されていたこれまでと違

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介護について 特養入居の日 

介護について 特養入居の日 

ついにこの日を迎えました。父が入院先を出て、特別養護老人ホームへ入居する日が。

入居日当日。約3か月振りに会う父は十二指腸潰瘍の治療のため、絶食療法をしたようで一回りも二回りも小さくなっていました。

退院した病院の受付で入居する介護施設の方が大型のバンでお迎えに来てくれました。

父は数ヶ月振りに私の顔を見ると微笑み、私の名前を発する事はありませんでした。(私の名前を忘れたのかな?)
そして病

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介護について

介護について

 私も50代の半ばになり、否が応でも自分の老化に加えて親の介護も意識する頃合いとなりました。

自分の幼少期や学生時代、あれだけしっかりしていた親が、年齢とともに体だけでなく、日常の振る舞いも衰えていくのを目の当たりにするとなかなか複雑な気持ちになります。親に対して全幅の親愛や敬愛を寄せている方であれば、それは受け入れ難い感情になる方も多いと思います。

介護を経験してみて、強く感じたのは、親に対

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介護について その2 特別養護老人ホーム

介護について その2 特別養護老人ホーム

 80代を迎えてから急激に老化が進んだ父。現役時は大手化学メーカーの研究職らしき仕事をしていて、理路整然とした性格でした。2年くらい前、次第に時折支離滅裂な話を突然しだしたりして、
今思えば予兆はあったのでしょう。

 先日、持病の手術をした際、麻酔が効き過ぎたのか夜中に覚醒。
ベッドから転落。骨折し整形外科のお世話に。急激な展開に父自身の頭も混乱したのでしょう。入院中に認知が進み、要介護認定とな

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