宇宙一、大恋愛
わたしは決して明るいあなたが好きなのではありません。
わたしは決して温かいあなたが好きなのではありません。
わたしは、あなたがわたしの為に照らしているわけではないことを知っています。
君たちはふたりで一つなんだと、皆が言うことに苛立ちを隠せないことに気づいています。
だから好きで、大好きで、愛しています。
ぼくは静かに佇む君が好きだ。
ぼくは毎日違う姿になる君が好きだ。
けれど君は自分を卑下してばかりで、君のそういうところが好きじゃない。
一人で生きていけると、ぼくを突き放すところが好きじゃない。
だから、もう終わりにしたかった。
さいごに君に会いたくて、地球を燃やした。
君は驚いていた。そして、泣きながら僕をぶった。
「あんたなんてことしてんのよ?!」
え?え?
「なんでわたしに会いに来たの?!」
「…きみを愛しているから。」
今度は蹴られた。
「わたしは…わたしも、あなたのこと愛してたよ!けど、信じられない!本当はわたしのことなんて嫌いなはずだ。それでこそ美しい恋だったはずなのに!」
意味がわからない。わからなすぎて、ぼくも怒れてきた。
「どうして、好きなものを好きだと言ってはいけないんだ!確かに、ぼくのおかげでいるはずが、そんなのはねのけて白く輝く君に嫉妬したことはあったよ。僕の色に染まらないから悔しかった。それでも、君が輝く姿はやっぱり美しくて…そんな君も僕は愛していたんだよ。」
「どうしてあなたはわたしの為にあろうとするの?あなたはみんなから愛されている。でもわたしは、そんなみんなみたいな理由であなたを好きだったわけじゃない。みんなと同じように愛されたって、わたしは愛を返すことはできなかった。なのにあなたは、わたしの為に地球も燃やしてしまった。それでも愛していると言えるの?」
「ぼくは…」
たぶん、燃やされた。
嫌悪なのか愛なのかなんて、どうでも良い。
ただ、わたしはあなたに抱きしめられて幸せだった。
もし生まれ変わることができるのなら、地球に咲く植物になってまっすぐにあなたを愛したい。
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