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台湾の中国語教科書、表紙をよく見ると…

「教科書の表紙、これは何のイラストですか?」

クラスメートが授業中、先生に質問した。9月中旬からずっと使い続けている教科書なのに、なにをいまさら……と思ったのだが、あれっ、確かに、これはどこだろう。ちゃんと注意してみたことがなかった。

真ん中にあるのが台北にある地上101階建ての「台北101」なのはわかる。防疫ホテルからも見えていたしね。けど左にあるのは…? じゃあ右奥は…?

えっ、もしかして左って北京にある中国国営メディア「中央電視台(CCTV)」のビルじゃない? いわれてみればかすかに見覚えがある。携帯を取り出しググってみる。

やっぱりそうだ。では右奥は?

こちらは香港、中国銀行タワーのようだ。

チコちゃんに叱られそう(古い)。毎日目にしているはずの教科書の表紙なのに、こんな興味深いデザインになっていることに気づいていなかった。

教科書を編集・出版しているのは台湾における中国語教育のラスボス的存在、国立台湾師範大学の中国語センターである。で、台湾(中華民国)といえば中華人民共和国とはもう3四半世紀以上いがみあいを続けてきた歴史がある。

それなのに、教科書の表紙のイラストには中国の首都・北京と、中国の一部である香港の高層ビル群が描かれているのだ。

教科書のタイトルは「當代中文課程」。日本語にすると現代中国語コースという感じか。この表紙イラストに、「中国語」「中国」に対する台湾人の微妙な立ち位置というか、捉え方というか、現れているような気がしてならない。

まあ中身はほとんど台湾関連のエピソードばっかりなんだが

ちなみに「はじめに」を読んでみると「台湾内外で中国語を教える教員の方々のニーズにあわせて編集してあります」と書かれている。

つまりこの教科書、大陸側に留学した外国人が使ったっていいし、香港に留学した外国人が使ったっていいのである。本当に使われるかどうかは別として、一応建前上はそういう前提で編集されたものなのである。そういえば本文は必ず繁体字のあとに簡体字が添えてある。

いやーおもしろい。気づかせてくれたクラスメートにお礼を言いたい。


【2022/11/01の日記】

机に向かっての勉強時間は2時間48分。

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