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【ヴィーガン思想は矛盾しているのか】 ☆海外の食の事例も踏まえてヴィーガン思想を分析していきます。

ヴィーガンとは何か

ヴィーガンとは、動物性食品を一切口にしない、完全菜食主義者を指します。いわゆる菜食主義者=ベジタリアンと混同されがちですが、ベジタリアンは、乳製品や卵など、肉・魚以外の動物性食品を食べるか否かで分類される、様々なタイプの菜食主義の総称であり、ヴィーガンはその中の一つで、卵や蜂蜜までも排除する、最も制限が多い分類ということになります。

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単にベジタリアンとして菜食生活を行う人たちは、自身の身体の健康に意識をフォーカスして取り組む人が多いですが、ヴィーガンを実行する人たちの意識の根底には、一切の動物を苦しめることなく生きるべきだという、動物愛護のポリシーがあります。

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人間に消費される動物たちの苦しみなどが、排除するべき対象です。そのため、その規制は食事にとどまリません。毛皮やシルク、羽毛を排除するなど、衣食住の全ての面に関して規制がかかる特徴があり、徹底したポリシーを持って生活を営んでいます。

なぜ海外ではヴィーガン料理や有名人が多いのか


今日の日本でも、ヴィーガンの人数は徐々に増えつつありますが、アメリカなどの欧米諸国では、比にならないほどのヴィーガン人口が既にいて、さらに爆発的に増え続けています。


アメリカやオーストラリアなどで、特にウィーガンは多いのは、まず、それらの国は肥満という深刻な社会問題を抱えているという背景があります。アメリカでは実に三人に一人が肥満という現状で、病気のリスクを軽減するために、動物性食品を除くことは効果的であるとされています。

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菜食に切り替えることが、健康につながるということが、医学的に証明されるようになり、実践する人が増えたのです。

また、実践する人が増えたことで、レストランなどでも、ヴィーガンに対応するメニューを設ける店が増えました。ヴィーガンとして暮らしやすいこともまた、ヴィーガン人口の増加に寄与していると言えるでしょう。

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さらに、ヴィーガンは、環境問題とも密接に関係しています。食料を生産する過程には、環境に負担をかける要因がたくさんありますが、中でも畜産に関係する要因は大きく、影響は顕著です。


例えば、農林水産分野の温室効果ガス排出量は約5000万トンですが、そのうち、牛などのげっぷと排せつ物から出るメタンと一酸化二窒素は約3割弱に上ります。

また、畜産の飼料は、人間が食べる量の何倍にもなり、食料不足が予想される、今後の地球にとっては非効率であると考えられます。さらに野菜などの農作物を生産する場合に比べ、畜産は、水も大量に使用し、汚染にも影響している現実があります。

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このような環境的側面から、ヴィーガンになる人も少なくないのです。


欧米諸国では、環境問題への取り組みも発達しており、日本に比べ意識が高い人の数も多いため、ヴィーガンを取り入れる人もまた、多くなっているのだと考えられます。


ヴィーガンは矛盾しているのか


最近では、ヴィーガンの矛盾を指摘する声が一部で上がるようになりました。野菜などの農作物もまた、生物を殺さなければできないのに、ヴィーガンを取り入れる人は、その視点を欠いているという指摘です。

例えば、農地を開拓し、耕す過程で、そこに生息していた野生動物を排除し、行き場を無くし死に追いやったり、耕す過程で、虫や微生物を殺し生態系を乱しているということを無視するのかということです。

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ヴィーガンに関する問題で、こういった衝突が後を断ちません。食にまつわる考え方の違いで、人間が衝突することは、よくあることですが、ヴィーガンの場合は、ヴィーガンの意識に倫理的な要素が強いために、ヴィーガンとヴィーガンでない人のイデオロギーの差が浮き彫りになりやすく、衝突を招きやすいのです。

このヴィーガンが矛盾してるか否かの議題の答えを考える際にもっとも重要なことは、我々人類はまだ、本当のところを知りようがないということです。これを食べなかったから生物を守れたとか、これを食べたから地球に悪影響を与えたなど、表面的で単純なことでは語れないのです。

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さまざまな要素が密接に影響を与えあって存在しているこの地球で、長く人類が暮らすために、何をすればいいのか、それぞれがよく考え良いと思うことを実行するということに尽きるのです。

ヴィーガンはそれを考える上で一つの生き方にすぎないのです。

人類は、他人にイデオロギーを強制することなく共生するべきだという意識を持たないと解決に向かわないかもしれません。

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日本では今後ヴィーガン料理や思想が浸透するのか、もしくは日本で受け入れられるのか


精進料理など、古来より菜食に近い和食に馴染みのある日本人は、日本が世界でも有数の長寿国であるのは、和食によるものだと認識している人が少なくありません。


そのため、食生活を見直す必要性や危機感を感じている人は欧米よりも少なく、その点から欧米のような速度では浸透しないと考えられます。

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また、寿司や鰹の出汁の文化など、日本の伝統料理や家庭の食卓では、海の恵みを使ったものが多く、魚は身体に良いとされる教育が根底にあるので、それらを排除するヴィーガンに抵抗感を覚える人も多いと予想されます。

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とはいえ、グローバル化が進む中で、日本でも海外の人との交流やSNSでの情報をきっかけに、ヴィーガン思想に目覚める人は今後も増えてはいくでしょうし、食の多様性を受け入れる姿勢は、今後間違いなく徐々に成熟していくので、ヴィーガンも生きやすい国に一歩ずつ近づいていくでしょう。

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