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【SLAM DUNK GI】178話「エリートのあひる」


バスケフェスティバル

「デサフィアンテ」。

後半にはNBAプレーヤーでもある流川楓のサプライズ登場。


試合後、会場をジャックし、高らかにUJBリーグ開幕を宣言したチェアマンの三田良祐。

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日本バスケット界が活気を取り戻したターニングポイントとして記憶が新しい記念すべき日である。


その日からCBAリーグ、JBAリーグ所属チームの動きはさらに慌ただしくなる。


慌ただしい中で、結果がついてこなかった南烈は契約満了を言い渡された。

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プレパラシオン東京という新規参入チームを誕生し、牧紳一は退路を断ってトライアウトにのぞんだ。

代理人の花形透の日常にも大きく変化をもたらし、日々を併走。

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その花形透は、ある地方都市のCBAリーグチームに出向いていた。


「久しぶだな。大維。」花形

「あっ!? 花形さん。お久しぶりです。なぜこんなところに?」大維

すると花形は名刺を差し出した。

「代理人? スカウトですか?」大維


「そうだ大維。まさかお前のルーツに隠された事実があったとはな。いや正確に言うと、隠れた事実、のちに表に出るような事実があったとはな。」花形

「どういうことですか?」大維

翔陽は部員が多い。だから苗字じゃなくてコートネームで覚えてくれと言ってたな。」花形

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「・・・・」
「杉村大維」花形


「お前があの日本代表の杉村直也の弟、杉村大維だったとはな。」花形




「あっ。いや別に隠していたわけじゃなくて、あの時は、兄貴は川部製作所に入社したばかりで、日本代表じゃなかったですし。」大維



確かにそうだな。そして弟の杉村大維は、ここCBAリーグ2部に所属している。」花形


「小さい頃から今でも兄貴の影響を受けて、バスケはずっとやりたかったんで。」大維
 



「それにしても3軍でくすぶっていた素材がじつはエリートに血を引いていた。ということだな。」花形


翔陽の1年生、ウインターカップ前に3軍から合流し、

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決勝リーグであひるの爪を残した大維の正体は、

三井寿が所属したCBAリーグ川部製作所、主将、元日本代表、杉村直也の弟、

杉村大維だったのだ。


「今でもオフシーズンには一緒に自主トレでもするのか?」花形

「そうですね。やります。」大維

「どうだ? 幼少の頃から年の離れた兄と一緒にバスケをして、身につけたというダックインは大人になった今でも通用するか?」花形

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「まぁ 不思議ですよね。相手は日本代表なのに、2部の下位チームの俺でも抜ける時がある。大人になっても兄弟であることは変わらないんだなって思います。」大維



「そうか。いい答えだ。」花形




「不思議ですよ。あっ 俺、今、日本代表抜いた??って。それならもっと上にいけるんじゃないか!?いつか兄貴と同じ舞台で戦えるんじゃないか?って錯覚しますよね。」大維



「本当に錯覚なのか?」花形
「えっ?」大維 

花形は代理人としての経験を踏まえて話した。

「CBAリーグは実業団だ。個人的にプロ契約をする選手も出てきてはいるが、まだ稀だ。会社員であり、特に2部のチームの傾向に多いのは、就職するためにバスケをやるという上昇志向の低い選手だ。これは選手が悪いというわけではない。組織、サラリー面様々な要素が生み出す日本バスケット界の現状でもある。実力のある選手がバスケをやらないという選択すらしてしまう。」花形



「仙道さんのことですか?」大維

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「1つの例だな。しかし、3軍から自主練を怠らずチャンスをつかんだお前は違う。現状、2部に所属していてもお前は違う。俺の買い被りか?」花形


「いや、もちろんです。新しいリーグだって開幕する。きっと今よりも数倍、華やかな舞台だって思います。いつか俺も、、、。」大維



「夢を追いかけろ」


大維は花形が唐突に抽象的な大きなことを言ったように思ったが、花形は違った。

確か小学生時代のチームのTシャツに記された言葉だったな。高校生になったにも関わらず練習着を着ていた。身長が止まったからだったか。」花形

「はは(笑) そうですね。止まっちゃいましたね。今でもこんなですよ。」大維

杉村大維、162cm。


「いや、ここまできたら武器だろう。プロリーグが開幕する。バスケット選手としての能力によりフォーカスできる。翔陽のギアとして機能したように、元日本代表の杉村直也を出し抜くダックインでUJBリーグにチャレンジしないか?」花形



「出来るんですか!?」大維


「俺は1つの仮説を立てている。翔陽のキーワード阿吽の呼吸だった。それには時間を費やした。どう時間を費やしても、及ばない阿吽の呼吸があるとしたら?」花形

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「何ですか?」大維


「DNA。 兄弟にしか割り込めない呼吸があるのではないか?という仮説だ。」花形



「兄貴と同じチームでプレー??8個上なんで確かにちゃんとしたそういう機会はなかった。」大維

「面白そうな仮説だろ?」花形

「チャレンジさせてください!」大維

花形はポスターを渡した。


「レ―ゼンダンク神奈川。CBAリーグの川部製作所とJBAリーグが統合され名称が変わる。プロ契約だ。そしてトライアウトが開催される。なんとか売り込みをかけ推薦しよう。」花形

「もう一度言う。夢を追いかけろ。杉村大維。」花形


「はい!」大維


その後、レーゼンダンク神奈川トライアウトに見事、合格を果たした。

主将、元日本代表の杉村直也の弟、

レ―ゼンダンク神奈川、1番 杉村大維。

エリートの兄とエリートのあひる。

ドリームズ・ファンド杯、準決勝
エリートとあひるの共演が実現する。


第4章 レーゼンダンク神奈川 集結 
「翔陽の1年生」編

次章へ続く

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