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ディスタンスセックス

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「三体」の影に仏教

 アジア人作家として初のSF最大の賞であるヒューゴ賞を受賞!
全世界で2900万部を売り上げた!
バラク・オバマ称賛!

 ……等々華麗なる賛辞が尽きない「三体」であるが、枯淡と生活を送る私なりに彼の作品を考察してみた。ちなみに翻訳家の大森望先生が下記の通りまっとうな感想を掲載されているので、どうぞご参照ください。

 さて、私はここで羅輯というキャラクターに注目した。

 ネタバレになる

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ディスタンスラブーデザイナーズベイビー

ディスタンスラブーデザイナーズベイビー

 コロナによる急激な人口減に対応するため、政府は妊活に補助金、さらにはデザイナーズベイビーも未婚、既婚を問わず、全女性解禁となった。もちろん既婚夫婦が望ましいが、独身で未婚であっても母となりたい女性に門戸を開かれたのだ。

 技術の進歩は目覚ましい。半実体から遺伝子情報を読み取れるようになり、女たちは俳優や知識人など、自分が望む相手の精子を作成し、妊活に励むようになった。

ディスタンスラブ―ラミネート加工

ディスタンスラブ―ラミネート加工

 困ったのは俳優やスポーツ選手である。自身がセックスした訳でもないのに勝手に相手の女性が半実体を使って自分にほぼ触れ興奮し、映像や匂いから自分とほぼ同じ遺伝子情報を持った精子を作成され、受精されてしまうのだ。知らぬ間に半実体が浮気をしている、と言えばわかりやすいであろうか。

 そこで、いわゆる3Gのラミネートを行った。つまり3D映像までを公開し自身の肌触りや匂い、更には遺伝子情報を封印してしまう

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ディスタンスラブー半実体の誕生

ディスタンスラブー半実体の誕生

〇半実体の誕生
「だから、しょうがないじゃ、、僕だって、まさか昔の2次元youtubeがそんな風に使われるとは思わなかったんだ。」
「……貴方はそれで平気なの?」
妻の声は上ずっていた。
久しぶりに妻とテキストのみのやり取りをした。こんな話は半実体はおろか、画像すらしたくない。

コロナでソーシャルディスタンスを取らざるをえなくなってはや3年。世の中は指数関数的な発展を遂げ、5Gを通り越して8Gに

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ディスタンスラブー夫婦の距離

ディスタンスラブー夫婦の距離

 コロナ禍で濃厚接触が影を潜め、セックスはいの一番に問題扱いされた。とは言え少子化まっしぐらの日本において生殖活動は最優先事項である。
そこで、政府は下記の通り基準を定めた。
・20代の夫婦は毎日PCR検査の上共同生活が可能。
・一方が30を超えた夫婦は毎日のPCR検査の上、抗体がある場合は共同生活可能。抗体がなくても子がいない場合は共同生活、子がいる場合は性交予定があれば夫側が共同生活に参加が可

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