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東南アジア駐在記

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足掛け7年に渡ってマレーシア・ベトナムでの生活を体験しました。海外の人達と一緒に仕事をして感動した事や、日本と海外の採用の違い、気をつけるべきメンタルケアなどをまとめています。
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記事一覧

駐在経験ゼロの私が突如マレーシアに赴任することに

駐在経験ゼロの私が突如マレーシアに赴任することに

海外赴任は突然にやってきた遡ること2012年の年末を間近に控えたある日、ボスから
「たぁぼまるさん。マレーシアでソフトウェア開発の拠点を新しく立ち上げるので、技術責任者として赴任してもらえますか?」

と思いもかけず海外赴任の内示を受けました。

それまで、海外旅行すらほとんど経験したこともなく、特に海外志望でもない私にとって、それは青天の霹靂でした。

「えっと・・・マレーシアって南国だよな。」

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海外暮らしのメンタルケア

海外暮らしのメンタルケア

はじめに私が初めて海外赴任を経験したのは2013年のマレーシアから。それから足掛け7年に渡り、マレーシアとベトナムで生活してきました。

同じ東南アジアといっても、マレーシアとベトナムでは生活感が全然違います。同じ地域でもベトナムなら北のハノイと南のサイゴンでは、そもそも気候からしてまったく違う。そこに暮らしている人の気質もそれぞれ違います。

私と一緒に海外赴任を経験した同僚達は、次々に日本へと

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海外と日本の採用の違い

海外と日本の採用の違い

日本から海外にくる若者たち海外で仕事をしていると日本から「自分の英語力を生かして海外で活躍したい!」と希望に胸を膨らませて渡航してくる若者たちを見る機会があります。

時には日本での勤務経験もなく、新卒で海外に飛び込んでくる若者もいます。

今回は、誤解を恐れずに私の正直な気持ちを書いてみようと思います。もちろん、これは私個人の考え方なので、必ずしも正しいわけではないでしょう。そこのところを理解し

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マレーシアのシリコンバレー!?サイバージャヤでの海外暮らし

マレーシアのシリコンバレー!?サイバージャヤでの海外暮らし

マレーシアのシリコンバレー2012年末、マレーシアに進出するために、10日間ほどの視察旅行に行き、新しいオフィス候補地と住居となるコンドミニアムの下見を行いました。

マレーシアのシリコンバレーと言われていたサイバージャヤという場所です。

マレーシアは産油国であり観光資源のある国ですが、1996年に当時の首相であったマハティール氏の指導の元、MSC計画という国家プロジェクトが始まりました。

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ウクライナ人と徹夜で仕事した話

ウクライナ人と徹夜で仕事した話

はじめに今回はマレーシア駐在時に出会ったウクライナ人の話をしたいと思います。

彼との出会いは、オフショア開発の推進という、私の背中を押すエピソードの一つになっています。

積み上げられたタスクマレーシアでの開発が佳境を迎える中、SCRUM開発のタスクチケットは数百も積み重なり壁に張り出していました。

私はSCRUMチームとは独立して自分のミッションに懸命に取り組んでいたため、しばらく気がつかな

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ベトナム人から手渡された手紙

ベトナム人から手渡された手紙

はじめに私が開発拠点としてハノイに進出したいと思った理由は一言で説明するのが難しいです。

今回はマレーシア駐在時に出会ったベトナム人開発者の女性の話をしたいと思います。

彼女はハノイで大手開発会社に勤務しており、数ヶ月間のオンサイト契約で私たちと一緒にマレーシアで一緒に仕事をしていました。

佳境を迎えた製品開発製品開発がいよいよ佳境を迎えていました。

彼女とタスクの仕様について、連日激しい

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車社会のマレーシア

車社会のマレーシア

はじめにマレーシアが車社会であることは事前にインターネットなどを調べて知っていました。

しかし、見ると聞くとでは大違いで、実際にマレーシアで暮らしてみると車の必要性を痛感します。

マレーシアは東南アジアの中で、シンガポールやタイと並んで発展している国です。都市部は鉄道網が整備されているため、都市部に住んでいれば、車が無くても暮らしていけます。

実際、マレーシアに移住した日本人も車を所有してい

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マレーシアの人達はフレンドリー

マレーシアの人達はフレンドリー

意外に親切だったマレーシアの人達初めてマレーシアを訪れてから足掛け7年。
この間、首尾一貫して変わらない私の感覚があります。それは、マレーシア人は人なつこくフレンドリーだということ。

ちなみに、これについてはマレーシアで暮らす日本人達の中でも異論があります。ですので、これから書くことは私個人の見解で、私から見たマレーシアだと思ってください。何かの参考になれば幸いです。

マレーシアに来て驚いたの

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海外赴任はいつも突然やってくる

海外赴任はいつも突然やってくる

マレーシアからハノイへ・・・マレーシアに赴任して3年半ほどの歳月が流れ、色々な事がありました。
楽しい事も沢山あれば、辛い事もありました。

ようやく落ち着いた日々を過ごし始めた頃、ボスが私に言いました。
「たぁぼまるさん、ベトナムのハノイに開発の拠点を立ち上げる事を決めましたよ。今度はハノイに行ってください。」

私「そうなんですね・・時期はいつ頃でしょうか?」
ボス「早速、来週から行ってくださ

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日本と世界の国民性の違い

日本と世界の国民性の違い

海外で働く日本人が陥りやすい心理マレーシアに進出した日本企業の知り合いの方が撤退して日本に帰任するとき、最後に言い残した言葉

「なんか虚しくなったんですよね・・・」

この言葉は今も私にとって印象深く残っています。

マレーシアに進出した日本人が罹る病というかマイナスの心理状況。

私はマレーシアに来て「日本人は世界的にみてもトップレベルの労働力をもった国」だと感じるようになりました。

具体的

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ベトナム人が会社で炊飯器を買った話

ベトナム人が会社で炊飯器を買った話

はじめに私たちがハノイに進出して、8ヶ月ほどが過ぎた、ある日の事。

なぜか炊飯器を抱えて出社してきたベトナム人の女性スタッフのハンさん(仮名)。

「今日から私たちは社内でランチを食べようと思います。この炊飯器でご飯を炊いて、おかずは皆が家から持ち寄ります。あなたも一緒に食べましょう!」

なるほど、その発想はなかった。炊きたてのご飯が社内で食べられたら最高だよね。

こうして、社内でのランチ会

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多様性を受け入れて生きるということ

多様性を受け入れて生きるということ

はじめに私は、いつからか使命感で仕事をするようになっていました。

自分に課せられた任務を、なんとしても成し遂げるために努力を惜しまずに働きました。

幸いにして、私はソフトウェア開発という天職に巡り会う事ができ、仕事は多忙を極めましたが充実感をもって働いていました。

マレーシアで訪れた心境の変化マレーシアで暮らすようになると、そんな私の心境に少しづつ変化が訪れます。

マレーシアでは仕事に使命

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