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12月に短歌、俳句、詩を思考した記録。

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短歌

1.
ワンルームに君臨しましたザ・ゼウス★ 仕事で疲弊し帰ったワタシは

2.
リカちゃんの靴をずっと探してるの リビングお庭川崎新宿

3.
かさぶたをつなげて作る オリオン座 北斗七星 冬の三角

4.
遥か遠き地中の火山の噴火する音で目覚める けだるい朝

 5.
スカートを翻し歩く学生の 後姿に沈む わたしのぜつぼう

 6.
気絶する!日曜の真昼のフードコート、四人家族が遠目に見てる

 7.
真っ暗な部屋の中で想うのは 君の横顔君の死に顔

 8.
綿雲を数えて眠る子供らは皆墓石の下、飛行機の上

9.
金髪の幼女が売ってたマッチ棒インスタにあげて「いいね」×6

10.
プレーンのヨーグルトにはちみつをかけ一匙なめる、空っぽの孤独

11.
コルクからそっと芽吹いて咲いたのはケシの花と黒いタンポポ

12.
腐りゆくわたしに集いし鴉達 消して散らして無かったことにして。

13.
限りなく続く団地の中心に展開されし螺旋階段

14.
まぴんくのドレスを着たかわいいあの子 にこにこ笑って落ちて死んだよ

15.
手首に刻む赤き横線は無への階段、登れ!切れ!毟れ!

16.
青い鳥文庫を100冊読んだけど、幸せのありか見つからなくて。

17.
真っ暗な部屋の隅にひとりいます 朝は来ません朝は来ません

18.
ももかわぼんじりすなぎもゆびねぎまめだま全てを塩でお願い。

19.
ウインナーコーヒーゆっくり混ぜながら、軽く目配せ、うん。幸せにね。

20.
心の奥底に空いた穴の奥 漏れるユルシテタスケテユルシテ

21.
普通にマジメにしっかり生きていくことが出来ずにすみませんごめ

22.
読みなさい書きなさい言葉に触れなさい それが僕等の文明保護

23.
さよならが所々に落ちている 子供部屋で私、今日も一人

24.
てんしょんをせめてあげていきましょう だってこの後飛び降りるんだから

25.
人が生きると書いて人生と読むらしい ほんとかなぁそれ、実在すんの

26.
滑走路の向うに佇む貴方の顔 微かにわずかににじんで見えない

27.
アルミホイルを頭に巻いてみる 君とおそろい、微笑んで、みる。

28.
アルフォート、空高く投げ、大気圏を越え、人工衛星となる

29.
アイスとアイヌは似てるねと言って一冊を薪にくべた横顔

***

■俳句

1.
「人間失格」をプールに投げ捨てた。

2.
マフラーに香水馴染ませ、待ち合わせ。

3.
こんにちはわたしマグちゃん、お前誰?

 4.
タンポポを踏み潰し歩く帰り道

***

■詩

Family

 家のミニチュアがあったのでげんこつで潰したら「解放されました、ありがとう!!」という小さい声がそこから聞こえてきた。

 しかし、潰して10秒する間もなく「ぐええええええ苦しいよおおおお寂しいよおおおお」と悲鳴が聞こえ、「ぐええええええ」ともう一度言った後何も聞こえなくなった。死んだみたいだった。

 多分ここまで読んで、この声の主を男子は「女の声」と思ったことだろう。女子は「男の声」と思ったことだろう。

 違うよ、
お前の声だよ。

***

■散文

1.
生まれてきてしまい大変申し訳ない。
生きてしまい大変申し訳ない。

2.
どんなにドールに愛情を注いでもどんなにドールが増えようとも、 私の心の穴など埋まるはずがないのに。

3.
自分の食べるものでしか自分の身体は構成されないと思うと、どうも怖いのだ。

***

■評

「いやぁ~なんとかなんとかだね。公開したね。この記事」
「そうだねぇ」
「なんといっても、このsカウ者、先月からいまいち帰宅後の様子が変なんだって」
「そうなの」
「そう!うぐ横になってもうずっと動けないんだって」
「そうなんだ」
「ただでさえ怠惰なのに困っちゃうよ」
「そうだねぇ」
「だからこの短歌も実は1月のある一日に一気に作ったものが多いらしいよ」
「今月(1月)ではなく?」
「そこは遵守したみたい。えらいねぇ」
「そうかなぁ」
「でも今月はまだ一つも作ってないんだって。やばくない?」
「そうかなぁ」
「やばいよ!だって作らないと僕達は来月・・・2021年2月に存在しないことになる」
「どういうこと?」
「僕達はこの■評でしか存在しえない言葉だけの存在だ。だから作者がこの記事の更新を怠った瞬間僕達の存在は消滅する」
「でもまた書いたら存在するんでしょ?」
「まぁそうだけど」
「いいじゃないか、存在の点滅。いい響きだよ」

***

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