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クレカの話④ カード会社に連絡を取ります

この記事は『レジの話⑦ カード会社に連絡を取ります』を
タイトル変更し、再編したものです。

2000年前後まで、クレジットカード決済をするには、電話や通信でカード会社に連絡を取り、承認を取らなければいけなかった。
その手続きを前回、順に第3関門までご紹介した。

そうはいいつつ、なかなか電話も通信もしない。
なぜなら第3関門まではできるだけ
「電話・通信」をしないための事前確認ステップ。
「客にバレぬようにこっそりと」確認を済ませることもあった。


「電話代・通信代がかかる」という感覚も現代とは違ったし、その通信網も脆弱なうえ料金も高かった。

インターネットが普及する前は、定額制などではなく、弱い通信網に「1回あたり」「○秒あたり」で料金を払っていた。

「電話・通信」をする前にできる事はやり、見逃しても確率的に影響が低いものは見逃し、出来るだけ「電話・通信」をしなかった。

カード会社に払う決済手数料も店の利益幅を食っていたのだが、それに匹敵するほどの割合で負担となっていたのが通信代。
クレジットカードを使うには、レジ本体への投資も必要で、さらに利益は食われていく。
必然的にクレジットカードを導入しても割に合うというのは、高額品や厚利幅品を扱う少数であった。

それは百貨店や家電店、家具店、アパレル店、夜の飲食店などであり、その中に食品スーパーが入れないことも「食料品にカードは使えない」というイメージを後押ししていた。


ようやくたどりついた第3関門 
カード会社との通信


カード決済の承認のため、通信を済ませたところ「カード会社に連絡してください」と表示されることがある。

この場合、気を落ち着けて、出来るだけさりげなく
”よくあることのように”
客に伝えなければならない。

「お客様、カード会社に連絡を取りますので少々お待ちください」

これに対する客の反応で 
こちらの緊張感が変わる


偽造カードや明白な盗難カードであれば、「電話ください」ではなく「使えません」表示となる。
「電話ください」表示は、電話で直接話して何らかの確認をする、もしくは条件をクリアすれば使えるというようなものだ。

しかしながら、クレジットカード=借金ともみられていた時代背景から、ご近所さんもいるであろう「レジという公衆の面前」で、さらし者にでもされた気になり、「すみません、現金で払います」と現金で支払い、大急ぎで袋詰めを済ませ、小さくなってそそくさと帰っていく主婦はよくいた。

だから、
さりげなく ”よくあることのように” 
伝えるのだ。

ここで変な言い方をすると、電話連絡の結果、普通に使えたとしても、「ご近所さんの前で恥をかかされた」とこちらの非を追及されることもある。

レジ係が「連絡ください」表示を見るなり、「あ~」と落胆の言葉を漏らしたり、横目で冷たく「お客様、ちょっとこのカード使えないみたいですね。連絡とらせてもらうんで、商品まだ持って行かないでくださいね」なんて言おうもんなら、この後に大炎上が待っている

このほかには「えっ何でですか?」と大慌てになり、急に濡れ衣を着せれれたかのように、動転して「先月もちゃんと払ってる」「昨日ほかの店では使えた」などと早口でまくし立てる人などもいた。

月に数百~数千件のクレジット決済を対応する大型店側から言わせれば、「連絡ください」は毎日のように何件かあるものだ。

一般ユーザーにはそうそう出くわすことではない非日常であるのはよくわかるが、「連絡ください」は、ほんの些細なことで「ちょっと一旦お話を…」というだけのことが多い。

一例では「支払いはされてますが、先月の明細書の郵便帰ってきたんですけど引っ越してません?新しい住所は?」とか。
携帯電話もまだ普及してない頃でもあり、手続しないまま引っ越されたら、急に音信不通扱いになってしまう。本当に単なる連絡手段の一つでもあったのだ。

それを知っている客にとっては、「あれ、先月引き落としされてなかったっけ」、「なんだろう」ぐらいで、それほど構える必要はない。

それを知ってるくせに、何気に
「連絡」を避けようとする客


Lv.1★ :手慣れた紳士

ここで手慣れた感じで
「あぁ、そう」と、
別の名義のカードを取り出す場合は要注意だ。

名義が違う時点で、最初のカードか、出し直したカード、もしくはそのいずれもが、本人のカードではないことになる。
カードが通ろうが通るまいが、そのまま見逃すわけにはいかない。

悪質性の差はあれど、
少なくとも「不正カード利用」
である。

「先程のカードと
 名義が異なりますが?」
「ああ、友人に買い物頼まれてカードと一緒に預かったけど、駄目なら、自分のカードだすから」等のパターンが多い。

そのまま使わせてはいけない。

身分証明書の提示などを求めた上で、本人確認ができたカードなら、決済し直してみてもいいが、身分証明書も提示しないのであればシャットアウトしよう。
他人名義のカードを出すこと自体、不正であることも伝えないといけない。

しかしながら、
私の経験上では大抵の場合、
この客は、おとなしく
身分証明書を提示する。

そして、この手慣れた紳士的が
出し直したカードは「通る」

こちらがあまり強く言えない状況や受け答えをよく知っていて、抜け穴もわかっている。

おそらくは偽造や盗難のカードではないのだろうが、カードが通らなければ、すっと、自分の安全なカードを出してさりげない受け答えをすれば通り抜けられると分かっている。

こういうやつは身分証明書の提示を求めても騒いだりしない。
「手慣れ」ているのだ
ある意味、悪質性が高いのかもしれない。

決済後、サインをいただく間などに
「頼まれものでもご友人のカードなどは使えませんので」
「はいはい、気を付けますね、サインしたよ」
「ありがとうございました、またお越しください」
と、通りいっぺんのやり取りをして終了となる。

こういう客の中には、諸事情で本当に悪意なく他人名義のカードをずっと使っている人もいる。
それは自分名義のカードでは限度額が低いからとか、本当に頼まれごとで預かりっぱなしとか。「仕事に必要な買い物はこのカードですればこっちで払っとくから」と、仕事の依頼主から預かりっぱなし等である。
本人に言わせれば悪気はないのだろうが、いずれにしてもカード規約上「不正利用」であることには変わりない。

Lv.2★★:別のカード取ってくる

これとは違うやりくちで、電話連絡させずにうまく切り抜けようとするやつらがいる。その多くは複数人のグループだ。

レジで「連絡ください」表示が出たときの切り抜け方がわかっている。

その時点で明らかに一般人ではない。

犯罪者集団だ

つづく


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