おぼろげな記憶を頼りに、数回しか来たことない街を歩く。大して愛着も思い出もないけれど、電車内のアナウンスに引き寄せられて、気付けば降りていた。改札を出てから正気に戻ったけど、時すでに遅し。次の電車は始発だ。缶コーヒーを片手に進む真夜中の散歩は、少し肌寒かったけれど、魅力的だった。

画像1 【140字小説13】

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