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母になって「家は狭い方が良い」と思えた理由

つづるです。家族が増えて、自分自身の住まいについて考える機会が増えました。普段は住宅設計に携わっている私ですが、出産後は「家は部屋を作りすぎず、ちょうどいい塩梅の狭さが必要なのではないか」と思い始めました。

そんな時、面白い研究論文を発見しました。


「住まい」と「妊娠期から育児期の女性の精神健康状態の関連性」について。
この論文が「ちょうど良い塩梅の狭さの家が必要」というぼんやりとした考えをはっきりさせてくれました。

「住まい」と一言で言っても、戸建てなのか集合住宅なのか、部屋数はどのくらいか、同居している人、立地、集合住宅だとしたらエレベーターがあるのか、何階に住んでいるのか…など状況や条件は人それぞれですが、細分化してデータを取られていました。

結論としては、


・「部屋数」が多ければ多いほど女性の精神健康状態が悪い傾向にある
・「持ち家」「戸建て」が女性の精神健康状態が悪い傾向にある

という興味深いものになっていました。

妊娠中や育児中の女性にとって、空間の広さは、部屋の手入れや掃除に時間や体力をとられるなど、家事の労力が大きくなる。そのため精神的負荷も増えるという結果になっているようです。

ほかにも「同居人(夫や両親など)との関係性」「利便性(スーパーなどが近いかどうか)」など「住まい」以外の要素も影響がありました(ストレスの話はいろんな要因がありますもんね)

「戸建て」が産前産後のお母さんの精神健康状態に影響するから、集合住宅がおすすめですよ!という話ではなくて、「家族が管理可能なキャパを超えた家に住むと、家事の手間が増えて大変」ということなんです。そう、まさにわたしがぼんやり感じていた「ちょうどいい塩梅の狭さ」とはまさにこのこと。

もしこれから家を考えたいなと思っている&小さなお子さんを育てておられるお父さん、お母さんがいたら「家事負担」が増えるような家になっていなかどうかは是非見直してみてほしいと願います。

おわりに

子供が生まれると広い家がほしくなると同時に、今まで以上に自分の時間が無くなりました。今は時短家電に積極的に頼りながら、スキマ時間にnoteを書いています。わたしも子供が生まれるまでは何となく今より広い家を購入しようかなぁと考えていましたが、産後は考えがちょっと変わりました。

設計の仕事をしている身としては、「新しく暮らす家が、前の家より負担が増え 手間が取られるような家にならないように提案する」このことを意識して家づくりのお手伝いをしたいと思います😊


参考論文ー居住環境と妊娠期から育児期の女性の精神健康状態の関連性について(都市住宅学79号,2012,P157)

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