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20220729|季節を脱いでふたりは潜る
朝、酵素ドリンクを飲みながら『波止場日記』をひらいた。猫にちょっかいをかけられながらの読書はおもうよりも捗らず、数頁しかすすまない。
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その後、おにぎりを拵え、仕事へ向かう。ドタバタと動きまわりながら、同僚と顔をあわす数分間のあいだにすこし喋り、たくさん笑った。お昼頃には上司がふらっと立ち寄ってくれて、ザクロ酢をくれた。
お昼休みは、拵えたおにぎりを頬張りながらブレイディみかこ著『両手にトカレフ』を手にとり、68頁まで読む。
どんな家だろうと、どんな家族の形だろうと、父と母と祖母と私と弟の五人で暮らす家は、暗い夜や雨風から私を守るシェルターだった。小さな子どもにとって、家はすべてなのだ。それが壊れてしまうことは、世界の終わりも同然だ。
自分の見ている世界の狭さに愕然とする。忘れたくないからと付箋を貼ってみたはいいけれど、これは一体なんの意味があるのだろう。知ったふうにだけはなりたくないのに、知ったふうになってしまうから、本というのは厄介で、だからこそ、貴重な存在なのだと思考が真っ二つ。それでも誰かの言葉を借りなければ、自分の思いを伝えることさえできない私は、いつだって本に救われている。続きは寝る前に読もうかしら。
仕事を終え、帰宅。夜ご飯を食べ、菅原敏『季節を脱いでふたりは潜る』を手による。記憶がただしければ、おそらく十回以上の通読をしており、それは近年で最も読み込んでいる詩集ということになるのだけれど、何度読んでも、良いものは良いのだった。「わたしのりんご」と「青が争う夜のしずか」という詩がとくに気に入っているのだけれど、季節が移ろっていくように、日々変化していく心模様は当然ながら私のなかに存在し、それらに振りまわされるように気に入りの詩もかわっていくわけであって、だからこそ何度も読んでしまうのでしょう。ほんとうに良い詩集です。
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きょうはここまで。
それでは、また。
よろこびます。