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和紙の可能性

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和紙のこと、染めや工芸など和紙加工のこと、つづっていきたいと思います。
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#藍染

思いついたら即実験

思いついたら即実験

トップ画像はドウサ液を使って月模様を表現してみる実験🧪
一旦乾かして、藍染めの染料を使って上手く白抜きになるかどうかやってみます。 満月と三日月の模様のご注文なので、三日月をどうするか🌙
地球の影で三日月になるので、影の部分を藍の染料の薄めのものを使って色付けしてみようと思ってます。

墨色を入れた和紙を一回藍染めして、その上からドウサ液を重ねてみました。
一旦乾かして来週以降藍をのせていきま

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タペストリーの染め直し

タペストリーの染め直し

ずいぶん前に作ったタペストリー。
藍染めと柿渋染めの和紙のタペストリーです。
大切に使ってくださって嬉しいです。
端の方が少し破れてきたのと藍色が褪色しているので、お直しを承りました。

まずは水洗い。
長年の埃や汚れをできるだけ洗い流します。

水洗いして 乾いたら こんにゃく糊を塗る作業です。
こんにゃく糊を塗るのは和紙の強化のためです。

こんにゃく糊を塗って色が濃くなって、模様が浮き出てき

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和紙の藍染め

和紙の藍染め



お月さまの模様を入れた藍染のご注文をいただきました。
まず、ドウサ液を使って 刷毛でまん丸模様を描きます。

いったん乾かして ドウサ液を付けたところに裏からまず
藍の染料を刷毛で塗り

表に返して 模様のところに藍染の染料が入り込まないように
慎重に全体塗りをしていきます。

丸模様が今回は直径15cmくらいにということで
また、左上の隅に というご指定で こんな感じになりました。
まだ藍染

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藍染めの染め直し

藍染めの染め直し



お客様が何年か使って藍色のさめたタペストリーを持ってきてくれました。

       銀箔の色が 酸化して変化してます。

本銀箔は もともと こんな風なきれいな銀色。
しっかり時代がついて風格がありますね。

とりあえず、水洗いして 長年のほこりなどを洗い流します。

       アクリル板に乗せて そのまま 乾かします。

    藍染をする前に 念のためこんにゃく糊を塗布し
    紙

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和紙の藍染め

和紙の藍染め



藍染めした和紙を干して乾かしてます。
この後 水洗いします。

満月の模様は 最初ドウサ液で 描いておきます。
ドウサ液で描いた模様は 乾いた状態ではほとんど見えません。
藍染は 水洗いする染めなので こんにゃく糊で 水洗いできるように加工しておきます。(次の写真)

こんにゃく糊で湿り気が出ると 月の模様がわかります。
藍染は 最初裏から薄い藍を入れ、表からは濃い藍の染料を模様にかからないよ

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和紙の藍染まとめ。

和紙の藍染まとめ。

和紙に藍染をするとき一番ネックになるのが 染めた和紙を水洗いすることです。
和紙って 水洗いすると破れるよね~ という意見を持っている人が大半だと思います。
そしてそれは正解です。
破れにくくするために こんにゃく糊 を塗布します。
まず、藍染する和紙に表から こんにゃく糊を塗ります。

こんにゃく糊は乾いたら 糊跡が見えません。
また この写真の和紙にはドーサ液で模様を付けているのですが、そのド

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ゆうさんの仕事

ゆうさんの仕事



絵描きのゆうさんが 先日クラフトマン道場に遊びに来てくれて
麻紙に藍染実験をして 持ち帰りました。
その後 自宅で仕上げて「こんなのができたよ」って写真を送ってくれました。
さすが、絵描きさんだと思えるような雰囲気を出した藍染の作品になってます。ボクにはできないなぁ。

こちらも ゆうさんの作品。
麻紙という素材はボクは使ったことがなかったので勉強になりました。

これはパネルに貼った様子です

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藍染めレポートその2

藍染めレポートその2

藍染の染めなおし。
使うのは大和藍。

1g計って 200ccのお水に溶きます。
大和藍は 本藍とインディゴの混ぜ物。
とても手軽に使えます。 



       藍を溶いた様子

    染めなおしの作品のぼかし部分に まずは霧吹きをします。

   藍の染料を刷毛で入れていきます。

ドウサ液で 模様を入れているところには藍の染料が入り込まないように慎重に作業を進めていきます。

    

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こんにゃく糊の使い方 その1

こんにゃく糊の使い方 その1

こんにゃく粉 こんにゃく芋をすりつぶし粉状にしたもの。
こんにゃく粉を200ccの水に1gの割合で溶いて糊状にしたものがこんにゃく糊です。

良くかき混ぜてだまだまがなくなったら使えます。
こんにゃく糊の特徴は 和紙の強度が上がる。毛羽立ちを抑える。塗った跡が残らない(てかてかしたりしない、和紙の風合いがそのまま残る)。
などなど

藍染の準備として 藍染をする和紙にこんにゃく糊を塗ります。

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クラフトマン道場・藍染編

クラフトマン道場・藍染編

クラフトマン道場と称して 染め和紙や作ることを経験したい人に遊びに来てもらってます。
今日のお友達は 絵描きの ゆうさん。

麻紙という種類の主に絵画用に使う和紙を持ってきてくれました。
あらかじめ ドーサ液で模様を付けてます。
大きな月ですね。

ボクが使っている紙は 土佐和紙。
こんにゃく糊をしみこませて 破れにくい加工にしています。
麻紙はもともととても強い紙で こんにゃく糊の加工はしていま

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藍染レポート完結編

藍染レポート完結編



和紙の藍染のタペストリーの 染めなおしが完成しました。

やり直し前がこの色合いだったので またこれから20~30年位は使ってもらえると思います。
トップ画像は 染めなおしてこんにゃく糊でアクリル板に張り付けしわを伸ばしているところ。乾けば完成です。

ずっとかけっぱなしで お日さまが当たるところで15年くらいたっていたのでところどころ 破れがありました。

     繕いの作業もしました。

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藍染の染めなおしのお仕事

藍染の染めなおしのお仕事



昔に作った藍染和紙のタペストリー。
おそらく15年か20年近くたっていると思います。
お客さまより染めなおしのご依頼を承りました。
玄関先で日の光がよく当たるところにかかっていたので、色あせが進んでます。
まず 黒竹を外し水洗いしました。
少しだけ黄色っぽい汚れが落ちたくらいで、そんなに汚れてはなかったです。 さっぱりした感じになりました。

次の作業は こんにゃく糊を塗ること。
水400cc

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