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阿寒湖の植物たち

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#植物

「準備を重ねて時を待つ」 森の貴婦人と呼ばれるオオバナノエンレイソウ

「準備を重ねて時を待つ」 森の貴婦人と呼ばれるオオバナノエンレイソウ

春の弟子屈町〜清里町ルートの森の中に白い花の群落をよく見かけます。
これは「オオバナノエンレイソウ」と呼ばれる花です。
かなりの広範囲で咲くので「春の妖精」とか「森の貴婦人」と呼ばれるそうです。

オオバナノエンレイソウは変異が多く、北海道内だけでも9種類ほどあるんだとか。根付く土地の環境によって変わるみたいです。

この変異にはちゃんと訳があります。

オオバナノエンレイソウは発芽から開花まで1

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小さな小さな一輪咲きの「ヒメイチゲ」

小さな小さな一輪咲きの「ヒメイチゲ」

フクジュソウから始まり、エゾエンゴサク、ミズバショウの次に花を咲かせるのが「ヒメイチゲ」です。

イチゲで調べてみるといろんな種類があるんですよね。
特に北海道ではエゾイチゲと呼ばれるものもあるそうなんですが、阿寒湖近隣で咲いているのはヒメイチゲでした。

イチゲは「一花」と書き一輪咲きを表すそうです。
ヒメイチゲは漢字では「姫一花」と表されます。

(2021.5.6撮影)

うっかりすると見落

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可憐な花なのに荒々しい由来を持つ「キタコブシ」

可憐な花なのに荒々しい由来を持つ「キタコブシ」

北海道の動植物には「エゾ」がつくことが多いんですけど、たまに「キタ」がつきます。
キタコブシを見るたびに、エゾとキタの違いはどこにあるのか気になります。キタキツネもそうですよね。

北海道では「マンサク」と呼ぶ地域もあるそうです。
その由来は「(春に)まず咲く」と「満作」からだとか。
キタコブシの花付きが良い年は豊作になると言われ、収穫の目安にしたそうです。

2021.5.10 道の駅丹頂の里

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見つけると思わず嬉しくなる「エゾエンゴサク」

見つけると思わず嬉しくなる「エゾエンゴサク」



エゾエンゴサク青紫に房状に咲く姿がかわいい花です。
高さが15センチ前後と小さいので注意深くみないと見落としてしまいがちです。

群生して咲くことが多いので、最盛期には細かい青紫の絨毯になります。

上記の写真は4月20日にサロマ湖近郊で撮ったものです。

阿寒湖近隣は10日ぐらい遅れて咲き出します。
こちらで咲くものの方が紫が強いような気がします。

上は阿寒湖のボッケ遊歩道で撮ったもの。

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阿寒湖の春 〜フキノトウ〜

阿寒湖の春 〜フキノトウ〜

厚く地表を覆っていた雪が溶けて真っ先に顔を出すのが「フキノトウ」です。春の訪れが遅い阿寒湖の周辺では、4月の上旬ごろからみることができます。
今年は雪解けが早かったので3月の下旬にはもう出てきていました。

遊久の里鶴雅の玄関前にて。

アイヌ語でフキノトウは「マカヨ」葉が何枚も重なっているフキノトウ、その姿を「マカヨ」というそうです。フキノトウに纏わるアイヌの昔話があるそうです。

フキノトウに

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