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行間を訓む vol.25 Blue Journey 2nd DIGITAL SINGLE 公開記念 ~ さくらみこ / 宝鐘マリン / 尾丸ポルカ「君になりたかった」 編 ~

プロローグ


 皆様ごきげんよう!腰を上げるまでが長い面倒な男、つななでございます。Blue Journey楽曲第1弾のnote記事投稿からかなり間が空いてしまいましたネ。…と申しますのも、6月6日の角巻わため生誕祭に向けて諸々準備をしていたことと、わためぇの新オリ曲「Fins」の発表を受け私の中で「ちょっと話が変わってきたぞ」となりまして…優先度を鑑みてディレクション変更を行った兼ね合いがありまして至る現在という具合です。スミマセンデシタッ!!

 「セトリをむ」・「行間をむ」とわためぇの楽曲関係の記事を連続して書かせて頂きましたが、新曲「Fins」を取り上げさせて頂きました記事「行間をむ vol.24 ~角巻わため『Fins』編~」の記事がnote公式様よりマガジン「アイドル 記事まとめ」に追加されました!ありがたい限りでございます!▼

※マガジンに追加された当該記事です▼

※角巻わため生誕祭・セトリの記事はこちら!▼


 さて、宣伝ばかりで恐縮ですが話を本筋に戻しまして。ホロライブの新音楽レーベル"Blue Journey"より 第1弾「僕は独りだ」の楽曲MV公開から役1か月。2023.05.15.に第2弾「君になりたかった」のMVが公開されました。前々回のvo.22に引き続き、今回も楽曲の歌詞に注目してんで参りたく思います。

第1弾の記事はこちらからどうぞ!(宣伝)▼


 今回もホロライブメンバー3名による歌唱ですが、3期生・船長こと宝鐘マリンさんは前楽曲に引き続き参加。そこへ0期生・エリート巫女のさくらみこさん、5期生・サーカス団座長の尾丸ポルカさんを加えこれもまた目新しいメンツです。

初見の方、もう一度という方は下記から是非一度ご試聴下さい!▼

 
 前回の「僕は独りだ」においては自分ひとりにフォーカスを当て、心中の葛藤(自分対自分)を描いたような内容でしたが、今回は舞台が学校で、登場人物は2人の同級生同士(自分対他人)へと変化し、それぞれお互いへの「憧れ」・「嫉妬」・「羨望」といったワードが出てくる構図のように取れます。
 早速ですが次の章から歌詞の内容についてんで行き、文字通り「青き旅路」を歩んで参りましょう。お付き合い頂けると幸いです✨


 注)セクション分けや歌詞の内容の考察ついてはあくまで筆者の個人的主観です。私自身は専門家でも何でもありません。もしかすると表現や言葉使い等に間違いもあるかもしれませんし、解釈違いが起こることは否めませんので万一の場合はご容赦ください。


歌詞訓み(§1)


――― リズミカルな導入音楽に誘われ、物語の幕が上がります。


聞こえないふりしてた
僕のイヤホン片方 そっと外す、君
忘れたいよ 思い出したくないよ
息をひそめて じっと チャイム待ってんだ

 君の声が聞こえないふりをするためにつけていた、僕のイヤホンの片耳を君という存在がそっとイヤホンを耳から外させた。正直忘れたいし一時でも思い出したくもないのに。この苦しい時間授業が早く過ぎ去るように、吐く息ですら潜めるようにして授業の終わりチャイムを待つしかできない無力さとみじめさにさいなまれる。


「さよなら」
そっと手を伸ばしてみても
「ありがと」
僕にはできないこと 全部
君は できるみたいだ

 僕に出来ないことは些細なことを含め余すこと無く全て君にはできるみたいに思えてくる。「さよなら」と言わんばかりに遠ざかる心の距離。心に折り合いを付けるようについて出た言葉は「ありがと」という雑な挨拶になってしまう。「こんなはずじゃないのに」とどこかで悔いている。君に手を伸ばしてみてみたところで、もう届かないところにいることは分かっているのに。

 ※挨拶の言葉が4音のチャイム音にかかっており、学校という舞台における授業の開始と終了を告げる合図と重なって、心に在る感情を並べているような描写。


君になりたい ずっと嫌いだったんだ
強がって眠れないや 午前 0 時
不安だらけの僕は

 いっそ僕は君に成り代わってしまいたいと何度思ったことか。だからいつからかずっと君を好きになれなかったし、視界から遠ざけたくもなった。そんな自分も嫌いで。悔しくて、辛くて、強がってしまって眠れず、不安だらけな状態になり、気がつけば時計の針は零時を指している毎日。


大丈夫なんて 今は どうでもいいんだけど
大人みたいな顔した劣等感
君になりたかった

 「大丈夫」と言い聞かせて今はどうでもいいふりをしてすました顔をしているけど、その陰で大人な顔をしているように見える劣等感が顔を覗かせてしまっている。今だから言える、「君になりたかった」と。



歌詞訓み(§2)


このままずっと、すれ違ったままなのか ―――


「ごめんね」
気付かれないようにじっと
「青春」
友達のふりして笑う
後悔 切なくなんかないよ

 この浅はかな気持ちに気付かれないようそっと隠しておき、「友達」というお面を被って笑いを貼り付ける。「ごめんね」と心で詫びても通じるはずが無いのに。切なさなんて無いけど、後ろめたさと後悔は拭えない。これが僕の「青春」とやらなのだろうか。

 ※ここでもチャイムの4音と歌詞が連動。心の解像度在処を上げ、探っている。


気付いてしまった 僕じゃない、と
君にむけたその笑顔
眩しくて 息が止まる気がした

 「スポットライトが当たるのは僕ではなく、君なのだ」と気付いた瞬間、君に向けた笑顔が消え失せてしまうくらいに君の存在自体が眩しくて、息が止まるかと思ったくらいに心が締め付けられる感覚を覚えた。


僕は 君になれない
たったそれだけのことさ
ぎこちなく手を振った
いつものように 放課後の教室

 そう、僕は決して君に成り代わることができない。たったそれだけのことなのに、心のどこかで諦めきれない自分もいる。放課後の教室でいつものようにぎこちなく手を振って君を見送ることしか出来ない自分に嫌悪感を抱きながら。


こんな痛みも そうだ 僕だけの青春
さよなら 言えないままの1ページ
明日、またね

 こんな風に痛みを抱えることも僕だけにしかない「青春」とやらなのだろうか?そんな感情にピリオドを打てずさよならを言い放てずに空白のままの1ページを作ってしまうことですら?今はお茶を濁すように「明日、またね」と言葉を絞り出すのが精一杯だけど。


忘れたよなんて きっと
知らないふりして
大人みたいな顔した劣等感
僕は 君になりたかった

 「そんなことは忘れてしまった」と知らないふりをしてすました顔をしているけれど、ほんとうは劣等感が大人みたいにポーカーフェイスをしながら確かに心のどこかに在るんだ。なぜなら僕は君のような人生を歩みたかったと心から思ってしまっているのだから。


エピローグ


心に巣食う、劣等感。


 誰しもが心に抱く、自分以外の他者とを比べて必要以上に落ち込んでしまう「劣等感」を青春の代名詞「学校」に於いて繰り広げられるやりとりに準えて表現され、みこち・船長・座長の3名の歌声が感情表現を歌に乗せて具現化しているようなナンバーでした。

 今回のMVでは2人の同級生がお互い「自分が持たざるもの / 優れた点」を持っているように見えてしまい、羨ましさから来る嫉妬や心のすれ違いを描いているように思えます。
 「隣の芝生は青い」ということわざがありますが、正にこの曲の歌詞が表現しているように、なぜだかどうして「人のものは自分のものより良く見えてしまう」のです。(その価値観は人にもよると思いますが…)人間は欲深い生き物ですから、それを本能では欲してしまう。自分が努力しても手に入らないものであればあるほどにそれはやがて「羨ましさ/憧れ/羨望」から「ねたみ/そねみ/うらみ」等の負の感情に引っ張られてしまうこともあるでしょう。
 でも、だからといって周りを見るばかりでは自分が持つ「個性オリジナリティー / 持ち味 / 強み」に気付かず過ごすことになってしまうでしょう。「僕は独りだ」の回の結びでも触れておりますが、「個」の集合体が「全≒社会」なのですから、全員が全員同じというわけでもありませんし、そんな優秀な「個」だけで社会が成り立つなら人間なぞとっくの昔に無用の長物だったと思います。
 隣の芝がいかに青かれど、「人は人、自分は自分」とある程度割り切らないことには「劣等感」との付き合い方は難しいのかもしれません。しかしながら人が「成長」を遂げる為には自分独りだけでは難しい。様々なコミュニケーションを通して自分には無かった価値観・考え方・アイデアを取り入れ、糧にして自分の中に落とし込むことで、その人の「個性」として自分自身を磨き上げていく。その道中で切磋琢磨できる仲間や関係者と出会い、励まし合い、議論し、交流をしていく。それが年齢問わず「青春の1ページ」となってそれぞれ個人に蓄積されていくのでしょう。――― きっとね。


6月19日にリリースされる第3弾「あの日の僕らへ」も楽しみですね!
ついにティザー第1弾も公開され、愈々感が高まって参りました!▼


何やら7月8日には重大発表があるとか!要チェックですね!
Blue Journey 公式チャンネルとTwitterはこちらです!▼

Blue Journey 公式Twitter:https://twitter.com/blueJourneyinfo


…それではまた次回の「行間をむ」でお会い致しましょう!👋
群青な心の旅路の行方やいかに!
2023.06.17. つなな

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