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【開催レポ】みんな違ってみんないい!&とりあえずDo!多様な個性が輝く町工場・早川工業が実現するSDGsの目標⑤⑧⑩「ダイバーシティ&インクルージョン」

こんにちは。つながるキャンパスインターン生の祐成です。

つながるキャンパス(以下つなキャン)は、「あなたの出会いと学び、挑戦をボーダーレスに」をコンセプトに日本全国の高校生・大学生および100を超える地域団体・企業・社会人サポーターが集うオンライン上の仮想キャンパスです。

本記事ではつなキャンが実施するキャリアセミナー「つなキャリ」で月日に実施した「経営者図鑑Vol.2」の様子をレポートします。経営者図鑑シリーズの詳細はこちらの記事をご覧ください。

1.series1「経営者図鑑のパーソナリティ×SDGs」

 経営者図鑑シリーズ、第1弾のテーマはSDGs。SDGsとは17のゴール・169のターゲットから構成される、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。その目標に対し、地域社会の中で、経営者たちは何を想い・考え、どのように取り組まれているのでしょうか。SDGsへの取り組みを通じて、挑戦し続ける経営者のパーソナリティに迫ります。(イベント詳細は下記よりご覧いただけます。)

2.GUEST|(株)早川工業 早川寛明さん

 第2回のゲストは、SDGsの目標⑤「ジェンダー平等を実現しよう」や⑧「働きがいも経済成長も」、⑩「人や国の不平等をなくそう」などのダイバーシティ&インクルージョン(多様性における個の違いを認め合い、生かしていくこと)を推進している企業・(株)早川工業代表取締役社長・早川寛明さんをお招きしました。イベント当日は自社工場のある中国から、海を越えてお話いただきました。「言ってみて、やってみて、から考える」をモットーに、多様な価値観を認め合い、積極的に活用していく「ダイバーシティ経営」を通して感動や共感の創造を目指す早川さんと、それを実現する(株)早川工業についてご紹介します。

(株)早川工業のダイバーシティ経営

 (株)早川工業は、障がいを持った方の積極的な雇用やバリアバリュー(バリア【障がい】をバリュー【価値】に変えること)への転換、LGBTQの方々へ配慮をした取り組みをされています。2017年には当時では珍しい「LGBTフレンドリー企業認定」を取得し、ダイバーシティ経営に取り組む企業の先駆者として世間にも大きな影響を与えてきました。また、そのような障がい者・LGBTQの方々への配慮に加え、多様な専門を持った若者、フルリモートの兼業人材、企業の課題解決に取り組む長期インターン生など様々な人材を採用し、より多様で幅広い人々が交わる町工場をつくろうと取り組んでいます。

「ごちゃまぜ」の人材がイノベーションを生む

 早川さんは、この多様な人々が様々な場所から集まる「ごちゃまぜ」の人材が、新たな革新的アイデア、イノベーションを生むのだと言います。
早川さんは実際に早川工業で新しく生まれたモノ・コトの一部を紹介してくださいました。

・部活動・・・社員さんが好きなことを行い、モノ・アート・人と出会える場となる
・クラウドファンディング
・趣味を生かしての自由なものづくり
・誰もが楽しめる出張ワークショップ
・工場を開放しての「町工場フェス」
・ハレの社交場・・・社員さんが自由な発想で感性を発揮できるスペース
・アート展への出展

▲出張ワークショップの様子
▲「ハレの社交場」

これら以外にも色々な活動を行っているという早川工業さん。様々な活動に自由に取り組む社員さんの姿や温かい会社の雰囲気がとても印象的でした。

3.つなキャン社会人サポーターの方が聴く「早川社長」とは

 経営者シリーズは、つなキャン生・つなキャンの協働パートナーがモデレーターを務めます。今回は、普段は工学系エンジニアとして働く社会人サポーター・鈴木孝さんがモデレーターとして早川さんに様々な質問をぶつけました。

「ダイバーシティ経営に受容的でない人たち」との向き合い方

 まず鈴木さんは「様々な新しい取り組みをする中で難しさや失敗もあると思うが、なぜそれだけ新しい取り組みに積極的になれるのか」と質問しました。新しい取り組みは、大きな変化を伴うからこそ困難や内部からの反発もあり、一筋縄ではいかないはずです。

早川さんはこの質問に対し、"反発している人も排除しないこと” を1番大切にしているのだと語ります。

早川さん:新しい取り組みをすると間違いなく反発はあり、変化を嫌う人、理解できない人は当然います。でもそこで反発している人も絶対に排除せずに今まで取り組んできました。同意してくれる人だけを集めて取り組み、反発を排除するのはもちろん楽ですが、そこを排除してしまったらそれはダイバーシティ経営では無いからです。その上で、そのような人たちに変化を「認めてもらう」、「正しいと思ってもらう」ことに重点を置くのではなく、「一緒にいることを許容してもらう」ことを目標としています。「そういう人もいるよね、関わらないけど」程度に思ってもらえればいいと思っています。参加は強制しない、けれど必要な時は頼るなど、排除はせず関われる範囲で関わってもらえるよう小さな気遣いを大切して行動しています。私が入社した当時、若い人が殆どおらずとても苦労しましたが、このようなやり方でくじけずに新しいことに取り組み続けました。そして長い時間を経てダイバーシティ経営の土台ができあがり、反発する人も許容できるような環境の中にタイミングよく多くの若者が入ってきてくれたことで、やっと現在のような新しい取り組みをより積極的に取り入れられるようになりました。

早川さんの「反発」も決して切り離さない姿勢や努力、細やかな気遣いが変化を伴うダイバーシティ経営を可能にしていることがわかりました。ある程度人が集まれば反発はどこでも起こり得ます。早川さんの「排除はしない」という考え方は、人と関わる幅広い場面で大切にできそうだと感じました。

ダイバーシティ経営が多様な個性を輝かせる

 次に鈴木さんは「ダイバーシティ経営の良さ」について尋ねました。早川さんは、経営者ならではのリクルート(求人・人材募集)の視点でその魅力についてお答えくださいました。

早川さん:ダイバーシティ経営を始めて1番良かったことはリクルートです。早川工業は田舎にある小さな工場です。他の企業と比べて十分な差別化が図れず、以前は新卒が全く集まりませんでした。長い間リクルートで苦悩する中、活路を見出したのが障がいを持った方LGBTQの方を雇用するダイバーシティ経営でした。誰でも得手不得手はありますが、その度合いによって社会の基準で勝手に評価され、本来なら生かせる能力を持つのに採用されない障がい者の方やLGBTQの方などは多くいます。しかしダイバーシティの環境を経営者側が作ってしまえば、普通では働きづらいとされる特性を持つ人でも、その人の得意・強みを十分に発揮でき、会社は会社として求める能力を持った人を確実に採用できるのです。実際に早川工業には、障がいや苦手を持ちながらも強みを生かし、誰よりも速く正確に作業ができる人もいます。早川工業ではどんな人でも採用する、安い労働者として採用するのではなく、1人の早川工業の強い「武器」としてそのような人たちを採用しています。

ダイバーシティ経営を通して、働きづらいとされる特性を持つ人たちも、それぞれの個性を十分生かせる場で働くことができ、会社側も本当に求める人材を採用できるWin-Winの関係と確かなマッチングが成り立つからこそ、新たなイノベーションや感動、共感を生むことができるのだと感じました。

4. 最後の質問:ルーティーン

最後に全ゲストに必ずお聞きする「ルーティーン」についてご紹介します。

早川さんのルーティーン

・リモートエクササイズ
中国での隔離生活における運動不足解消のため、奥様と電話を繋ぎ、同じ動画を見ながら毎日足パカ運動をするようにしているそうです。
気持ちのシャットダウン
気持ちが高ぶった時や焦ってしまった時に冷静な判断ができるよう、1度立ち止まって気持ちを落ち着かせることを心がけているそうです。

早川さんの人柄が垣間見える素敵な回答でした。次の経営者さんのルーティーンも楽しみです。

5.お知らせ

イベントの様子を限定公開中!

 ゲスト・早川さんとモデレーター・鈴木さんでお送りした経営者図鑑 第2回。今回は4名のつなキャン生が参加してくれました。本レポートの中では紹介しきれなかったお話が沢山あるので、つなキャン公式LINEアカウントを友達追加してくれた方に限定でアーカイブ動画をプレゼントします!

動画をゲットする方法は簡単2ステップ!

1.つながるキャンパス公式LINEアカウントを友達追加!

2.チャットに「経営者図鑑」と送信!

ぜひつなキャン公式LINEを追加して、動画もご覧ください◎

次回はSDGsの目標 "①貧困をなくそう、③すべての人に健康と福祉を、⑧働きがいも経済成長も"

GUEST|株式会社ここにある代表取締役・藤本遼さん

 兵庫県尼崎市にて、「イベント・地域プロジェクトの企画運営や立ち上げ支援」「会議やワークショップの企画・ファシリテーション」「共創的な場づくり・まちづくりに関するコンサルティングや研修」など、「場を編む」活動を行う株式会社ここにある代表取締役・藤本遼さんが登壇します。
「すべての人が楽しみながら、わたしとしての人生をまっとうできる社会」を目指す藤本さんの足跡からは「自分とは違う人とどう付き合っていくか、如何に共生・共創していくか」これからの時代に必要なヒントが垣間見えます。当日はフラットで、多様で、あいまいで、対話的で、共創的で、自律的な「生態系」をデザインする、「ここにある」の不思議な世界についてのお話をお聞きしながら、パーソナリティに迫ります!

実施概要
日時|2022年3月10日(木) 19:00-20:30/18:50より入室可
   ※申込締切:当日15:00まで
会場|オンライン(当日のzoomURLは申込者にメールでご案内します)
会費|無料
定員|20名程度(先着順/事前申込必須)
対象|全国のU24の若者

\詳細&申込はこちらから/






  

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