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『ツバキ文具店』『はるとあき』『大事なことは植物が教えてくれる』『スペクテイター43号 わび・さび』_つきこ文庫2022年3月

友人のカフェに置く4冊の本たち。
3月は春らしく「植物」が表紙にある本たちを選んでみました。


*つきこ文庫 2022年3月選書*

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*文庫/名著『ツバキ文具店』小川糸 著

  https://www.gentosha.co.jp/book/b11835.html

植物の表紙の文庫本を探していたところ出会った1冊。
ドラマでご存じの方も多いと思います。

鎌倉で代書屋を営む雨宮鳩子・通称ポッポちゃん。

今の時代における代書屋と言えば、
祝儀袋に名前を書いたり、記念碑に彫る文章を書いたり、
命名書や看板、社訓や為書きの類の文字を書くのが主な業務内容とされている。(中略)
とにかく書く仕事であればなんでもこなした。
早い話、文字に関するヨロズ屋というわけである。(P12)

ポッポちゃんのもとに飛び込む代書仕事は、
お悔やみ状や絶縁状、亡くなった旦那様からの手紙、昔の恋人への手紙など、
シチュエーションは様々ながら、
いつも誰かの大切な人への思いを代筆してお伝えする。

バーバラ婦人、マダムカルピス、男爵、パンティ、QPちゃん、、、
愛称豊かな仲間たちと鎌倉の生活に癒さながら、
彼女は書くことを通して、亡くなった先代との葛藤に向き合い、
思いを昇華させていく。

今日だけは、誰のためでもなく、自分自身の文字を書くのだ。
代書仕事は、いろいろな人の心や体になりきって文字を綴る。
自分で自分を褒めるのもなんだけど、様々な人の字に憑依するのも、
上手にできるようになってきた。
けれど、
ふと立ち止まって考えると、
私は私自身の文字をまだ知らない。
まるで私の体を流れる血のように、私そのものであるような、
どこを切っても私のDNAがあふれ出すような、
そういう自分の分身のような文字に出会えていなかった。
先代には、確かにそれがあったように思う。(P174)

過去の出来事も今の状況も何も変わらないけど、
言葉にすることで昇華される思いがあることを思い出させてくれる1冊。

ちなみに私は字が上手ではない。
親友に手紙を贈ったとき、
文章の内容に泣いてくれた一方で、
小学生男子のような文字に大爆笑された。

それくらい字が得意じゃない私にとって、
伝えたい思いが伝わる最高最善の手紙を書ける、
依頼者の人と柄を言葉にして文字というかたちで表す
ぽっぽちゃんの手紙はリスペクトです。

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*建築/科学/アート『スペクテイター43号 わび・さび』
 エディトリアル・デパートメント 発行

  https://www.spectatorweb.com/back_issues.html

わび・さび――――このたった四文字のことばの奥に広がる
宇宙を巡る旅へと皆さんをお連れしたいと思います。
はじまりは、たまたま読んだ一冊の本でした。(中略)
「わび・さび」という謎めいた世界の実像を明らかにすべく、
現代から平安時代、日本からサンフランシスコと
時間と空間を縦横無尽に行き来しながら続けた旅は
実にエキサイティングでした。(中略)
この旅を追体験してほしいという思いを込めて、
この特集をつくりました。(P013)

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著者の思いのとおり、
これはぜひ、手に取って、気になるところから読んでいただきたい1冊です。

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*言葉/ 本『大事なことは植物が教えてくれる』
 稲垣栄洋 著

  https://magazineworld.jp/books/paper/3141/

言葉には力があります。
落ち込んだとき、悩んだとき、
言葉に助けられることがあります。
元気を出したいとき、勇気を出したいとき、
励ましてくれる言葉があります。
人生の節目で、人生の門出で、
贈ったり、贈られる言葉があります。
それは名言や格言かもしれませんし、
詩の一節や歌詞かもしれません。
言葉は「言の葉」です。
それにしても言葉という字には、
どうして、植物の「葉」という字が使われているのでしょう。(P5)


という著者の問いかけからはじまり、
古今東西の人たちが植物を通して残してきた言葉と共に、
その謎を考えていく。
優しい挿絵とともに楽しめる1冊です。

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*絵本『はるとあき』
 斉藤倫 作/うきまる 作/吉田尚令 絵

  https://www.shogakukan.co.jp/books/09726850

3月は絶対これ、と決めていた絵本。
巡る四季の中で、隣合うことのないはるとあき。

はるとあき

季節をこえて始まった
はるとあきのお手紙交換。

はるはなつに、
あきはふゆに、
手紙を託し返事を待つ。

春にはあって秋にないもの。
秋にはあって春にないもの。
似ているようで真逆の季節。

いつか おあいできる ことを

会えないけれど思いは一緒。

四季それぞれの豊かさと
交わし合う言葉が優しくて心地いい。

そんな
穏やかな幸せが伝わる絵本。

季節をこえて思いは届く『はるとあき』
絵本と私の気づきはこちらでも紹介しています。
https://note.com/tsuki5/n/n108c4e313200

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本は時間と空間を超えて出会える人との出会い。
心に響く光る言葉を知る機会。

たくさんの人に読んでもらえたらなと思い
大好きな本を紹介しています。
気になる本があったらぜひ、読んでみてください!


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私が未来に残していきたいと思った感動の本をお届けします。
参照:https://note.com/tsuki5/m/m62112b6f15d5

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