マガジンのカバー画像

本のこと

39
3000年後にも残っていてほしい『良書』をご紹介しています。
運営しているクリエイター

記事一覧

本:モモ

「懐かしい」 数十年ぶりに本屋で再会した『モモ』。 モモ ミヒャエル・エンデ 作 , 大島 かおり 訳 小学3年生の頃、 転校したての学校の図書館で この分厚い本を読み切ったわくわく感と爽快感が蘇る。 久しぶりに読んでみて まったく中身を覚えていないことにびっくり! ちょっぴり冷っとするところもあるけど こんなあたたかくて美しい豊かな物語だったとは。 夢中であっという間に読み切ってしまった。 *** 『モモ』は、 おとなたちが灰色の男の誘惑に負けて 大切な時間と心を

本: 20 CONTACTS 消えない星々との短い接触

私へ この手紙は挑戦状である。 20 CONTACTS 消えない星々との短い接触 原田マハ というくだりから始まった 現実と妄想のコンタクト。 綺羅星のごとく 歴史に名を残した二十人の物故作家へ 著者・原田マハさんが手土産と 質問をひとつ携えて会いにゆく 20+αの星との出会い。 コンタクトする前からコンタクトは始まっていて、 歓迎されることもあれば、逃げ出されることもあり、 ゆっくり話せる時もあれば、会話なき対話もあり。 紡ぎ出された物語すべてが、 著者から星

絵本:まどからおくりもの

まどからおくりもの 五味太郎 🎄🔔🎄Merry Christmas🎄🔔🎄 クリスマスになると思い出すもの 長靴のお菓子 ローストチキン アイスケーキ クリスマスリース そして 絵本「まどからおくりもの」🎁 と、 プレゼントを配っていくサンタさん。 まどから贈られた動物たちへのプレゼントは、 ちょっとおかしくてちょっとおしい。 動物たちは、願ったものとは違っても、 サンタさんからのプレゼントに大喜び。 私自身、クリスマスプレゼントの中で、 一番覚えているのがこ

本:『自分の時間』

「次に紹介するならこの本」と決めたものの、 こういう普遍の真理に富んだ本はどの言葉も身に沁みて、 何度も読み返してたらあっという間に10月になってしまった。 自分の時間 アーノルドベネット 著 渡部昇一 訳 約1か月前。 久しぶりに連絡をくれた学生時代の親友は、 毎日とても充実してて、 充実しすぎてキャパオーバー。 自分や家族、仲間との、大切な思い出の 記憶と記録の残し方に悩んでた。 私自身、仕事でもプライベートでも、 やりたいこと・やらなきゃいけないことが どんどん詰

本:『さよならは青色』

世界の美しさ 心地よい人の気配 優しい世界 光と色 これは私の 写真家・岩倉しおりさんの印象。 朝焼け?夕焼け?に染まる海に佇む 女の子の写真を見つけたときから 一目惚れ。 今回ご紹介の本は彼女の写真集。 さよならは青色 岩倉しおり ***** PENTAXブランドにて"フィルムカメラプロジェクト "開始。 https://news.ricoh-imaging.co.jp/rim_info/2022/20221220_037858.html そのプロジェクトの一

本: 美術手帖ーディック・ブルーナの謎ー

小さい頃によく読んでいた本が 「小さなうさこちゃん」から始まる 「うさこちゃんの絵本」シリーズ。 それが私たちの手に届くようになったのは、 それを見つけて日本に入れてくれた人がいたから。 それを知る機会になったのが、 『美術手帖2010年4月号「ディック・ブルーナの謎」』 本には作家・ブルーナさんの絵本づくりにはじまり、 それを日本に仕入れた編集者や翻訳家の話も書かれている。 なかでも、日本版「うさこちゃん」の誕生秘話を通して、 絵本づくりに携わるおとなたちから、 未

本『世界でいちばん素敵な宇宙の教室』

本『世界でいちばん素敵な宇宙の教室』 監修:多摩六都科学館天文グループ 写真 :日本星景写真協会(ASPJ)/NASA 星をテーマに探して出会った どんぴしゃりな一冊。 などなど、 宇宙への素朴な疑問に対して 2017年時点の科学で わかっていること、 まだわかっていないことを、 わかりやすく真摯に教えてくれる。 まさに仏陀の悟り。 宇宙即我。 科学って実はとっても神秘の世界。 私たちすべての存在は宇宙の一部で、 宇宙は私たちすべての存在で成りたっている。 という

本『ガウディが知りたい!』

ガウディが知りたい! GAUDI エクスナレッジ https://www.xknowledge.co.jp/book/9784767803692 スペインの超有名な建築芸術家 アントニ・ガウディ。 彼は自分の創造の秘訣をこう語る。 カッコイイ〜!!! 1本の木から創造主の芸術を探求し続けたガウディ。 昔は何となく、 その不思議な造形に惹かれていたけど、 建築写真とガウディの言葉、 ガウディを知る人たちから、 その魅力が腑に落ちた。 彼はこの世界を生きながら神秘を発

本『和菓子と言の葉』

和菓子と言の葉 藤原夕貴 https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334953003 という思いで創作する藤原さんの和菓子の世界。 眺めていると、 ふと見逃していたり、 ふと忘れてしまった、 この世界の美しさを思い出させてくれる。 光、水、空気、音、季節を、 和菓子と言葉を通して こんな風に再現・表現できるのすごい!!! 感動とリスペクトの1冊です。 いつか和菓子も食べてみたい。 @wagashi_art

本『ON READING 読む時間』

本『ON READING 読む時間』  / Andre Kertrsz アンドレ・ケルテス 本を読む人の白黒写真集。 カフェで、 路上で、 書斎で、 楽屋で、 公園で、 窓際で、 屋上で、 子どもが、 大人が、 老人が、 本を読んでいる。 色もない、 動きもない、 二次元の世界、 にもかかわらず、 そこに生きる人たちは、 おかしくて、 愛しくて、 美しい。 写真家・アンドレケルテスさんの世界観。 ::: 昔、タイトルに惹かれて立ち読みした写真集。 5年ぶりに

『後世への最大遺物』という勇気

いつかの夏休み、 書店の名著特集で平積みされた文庫の中で ふと目に留まった 『後世への最大遺物』というタイトル。 『後世への最大遺物・デンマルク国の話』内村鑑三 著 著者・内村鑑三氏はその名よりも 『代表的日本人』という著書の方が もしかしたら耳にすることが多いかもしれない。 ただ私は、数ある名著の中でも 『後世への最大遺物』は何度も読み返してしまう勇気の1冊。 というくだりで始まり、 数多ある遺産の中でも著者自身、 考え、実践してきたものの中から、 思い当たるものを

『旅をする木』で彼と出会えた

読書好きの父が「この本よかったよ」と教えてくれた1冊。 『旅をする木』星野道夫 著 アラスカへ移住した写真家と聞くと タフでぶっ飛んだ人なんだろうな、と思っていたけど、 予想を反して、 星野さんの言葉はとても柔らかくて優しくてびっくりした。 本にはアラスカで暮らす星野さんの 日々の気づきが丁寧に綴られている。 日記のようでもあり、 大切な人への手紙のようでもあり、 厳しい自然の中で見つけた美しい世界と 同じ世界で多様な人生を送る私たち人間への、 愛と感謝とリスペクトに

本『悠久の時を旅する』

写真家・星野道夫さん。(参照『旅をする木』) 文庫を読んで写真集が見たくなり、 取り急ぎ図書館で借りれる本を借りてきた中の1冊。 写真集『新版 悠久の時を旅する』 星野道夫 https://crevis.co.jp/publishing/39/ ああすごい。 壮大な時間をかけて"この一瞬"を掴み取る。 求めて、求めて、求めて、 やっと出会えた一瞬を写真というかたちで永遠にする。 出会えないかもしれない。 いや、 出会えることが奇跡。 そんなわくわくにフォーカスし

『旅をする木』『スイミー』『花をながめて大切なことに気づく100の言葉』『食べられる庭図鑑』_つきこ文庫2022年8月

友だちのカフェに送る4冊の本。 8月は"アラスカ"と"海の底"と"植物たち"の物語をお届けします。 まるでそこにいるような感覚で「涼」を楽しめる本たちです。 *つきこ文庫 2022年8月選書*::: *文庫/名著『旅をする木』星野道夫 著 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167515027 読書好きの父が「この本よかったよ」と突然連絡をくれて読むことに。 星野道夫さん。 アラスカへ移住した写真家と聞くと とてもタフ