政治講座ⅴ1371「麻薬供給国(中国)とフランクリン・ルーズベルト大統領の母(デラノ一族)の清(中国)とアヘン貿易の過去」
中国と米国の因果応報。歴史は繰り返される。
そこで、現在から歴史を振り返る。
日本を戦争に追い込んだフランクリン・ルーズベルト大統領と麻薬・阿片の関係を振り返る。
18世紀にルーズベルト家は「ハイドパーク・ルーズベルト」家(19世紀から民主党支持)と「オイスター・ベイ・ルーズベルト」家(共和党支持)の二つに分かれる。
オイスター・ベイの共和党員であった第26代大統領セオドア・ルーズベルトはフランクリンの遠縁の従兄であった。
両家は政治的な違いにもかかわらず、親交が続いた。
母のサラ・デラノ(Sara Delano, 1854年 - 1941年)はフランス系プロテスタント教徒(ユグノー)であり、デラノ一族は阿片戦争のころから中国(清)とアヘンを含む貿易を手広く行って財を為していた。米国のルーズベルト一族は麻薬・阿片貿易などの利権を有していたこととルーズベルト自身が共産主義シンパシーを持っていた。しかも人種差別主義者であり、その後の大統領ハリー・トルーマンもそのためにこの当時、KKK(白人至上主義団体)に加入していた。
このように、ルーズベルトの人種観、特に異人種間の結婚に対する考えは、現代的な視点から判断すれば基本的にはレイシズムに基づいていると言える。
駐米イギリス公使ロナルド・キャンベル(Ronald Hugh Campbell)との私的な会話では、ルーズベルトは、スミソニアン博物館の研究者であるアレス・ハードリチカによる、日本人の頭蓋骨は「われわれのより約2000年、発達が遅れている」という見解を紹介した上で、「人種間の差異を重視し、人種交配によって文明が進歩する」などと語り、「インド系やユーラシア系とアジア人種、欧州人とアジア人種を交配させるべきだ。だが日本人は除外する」、「日本人が敗北した後は、他の人種との結婚をあらゆる手段を用いて奨励すべきである」などとキャンベルに語ったという。このような自らの人種差別的感情と、第二次世界大戦以前からのアメリカにおける日本人に対する人種差別的感情を背景に、大戦中にアメリカ国内とアメリカの影響下にあったブラジルやメキシコ、ペルーなどの中南米諸国において、ヒトラーのユダヤ人強制収容と同様の日系人の強制収容政策を推し進め、自由を束縛するとともに財産を放棄せざるを得ない状況に追い込んだ。
翻って、今の中国共産党は、かつて米国がマニフェスト・デスティニー(Manifest Destiny)と言って、西部開拓を正当化したのと同じである。「文明は、古代ギリシア・ローマからイギリスへ移動し、そして大西洋を渡ってアメリカ大陸へと移り、さらに西に向かいアジア大陸へと地球を一周する」という、いわゆる「文明の西漸説」に基づいたアメリカ的文明観である。
上記の模倣した具体的例は「中国の夢」は「中華民族の偉大なる復興」と「一帯一路」、二つの部分が構成している。
かつて東は中国から西はローマ帝国に及ぶ広大なシルクロードを勢力下に置き、鄭和の艦隊がアフリカの角にまで進出して文化や経済と科学技術をリードした中国の栄光を取り戻す」という意が込められている。
今回は歴史を振り返って、中国と米国の類似性と中国の民族弾圧・人種差別・ジェノサイドは米国が日本に対して行った強制収容所やに戦闘員以外の子供・女性・赤ちゃんを原子爆弾で一気に殺害するという人種差別と国際法違反を平然と行ったのである。今回はそのような報道記事を紹介する。
蛇足:「米国がいう認定は事実的根拠がなく、純粋に悪意と中傷に属する。中国はこれに断固反対し、米国に厳正な申し入れ」と主張するが、日本に言わせると、「処理水」を科学的根拠を示さずに「核汚染水」と言う中国は、まさに「我田引水」の域から離れられない我儘な国家と言わざるを得ない。笑止千万!
皇紀2683年9月19日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
中国外交部、「主要な麻薬供給国」認定に断固反対
新華社 によるストーリー •11 時間
【新華社北京9月18日】中国外交部の毛寧(もう・ねい)報道官は18日の定例記者会見で、バイデン米大統領が11日に中国をいわゆる「主要な麻薬供給国」と認定する報告書を議会に提出したことについてコメントを求められ、次のように述べた。
米国がいう認定は事実的根拠がなく、純粋に悪意と中傷に属する。中国はこれに断固反対し、米国に厳正な申し入れを行った。
中国政府は麻薬対策を非常に重視している。これまでに456種類の麻酔薬品と向精神性薬品、2種類の危険ドラッグ(フェンタニル類と合成カンナビノイド類)を規制品目に指定し、規制品目が最も多く、規制が最も厳しい国の一つとなっている。麻薬製造が容易な化学品は38種類が規制対象となっており、国連の規制品目より14種類多い。中国の麻薬取締部門は、麻薬製造が容易な化学品の各プロセスに対する全過程の動態モニタリングメカニズムを確立し、健全化している。中国が世界の麻薬対策の模範であり、麻薬取締政策の執行が最も厳格で徹底している国であることに疑いの余地はなく、国際社会に広く認められている。
逆に米国を見れば、世界の5%を占めるに過ぎない人口で、世界の8割のオピオイドを消費している。世界の麻薬取締事業のブラックホール、混乱の源であり、主要な麻薬需要国といえる。中国の麻薬対策に向けた努力に対してとやかくいう資格はない。米国の麻薬氾濫は自身の能力不足、管理不足に根源があり、国内の需要を減らすことが抜本的な方法となる。われわれは米国に対し、中国への攻撃と中傷をやめ、米中協力のためになることを多くするよう促す。
米国、コロナで薬物中毒の死者数が急増…密輸への中国政府の関与に警戒、米中「薬物戦」の様相
文=藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー
【この記事のキーワード】中国, ワクチン接種, 米疾病対策センター, 日本と世界の先を読む
中国は米国に次ぐ世界第2位の製薬産業を擁している。なかでも低価格のジェネリック医薬品や薬の原材料の生産能力が高い。先進国に比べて規制も緩い。米麻薬取締局によれば、中国の業者がフェンタニルなどを大量生産し、メキシコやカナダなどを経由して米国に大量に送り込んでいるという。フェンタニル1キログラムの仕入れ価格が中国国内では約3000~5000ドルだが、米国で売りさばけば150万ドル以上の稼ぎになったという(2019年末時点)。
暗号化されたメッセージアプリやビットコインなどの仮想通貨の普及も、こうした取引の温床になっている。中国からのフェンタニルの流入は、オバマ政権時代から問題視されていたが、中国との間の外交課題として初めて取り上げたのはトランプ前大統領である。
トランプ氏は2018年12月、習近平国家主席と首脳会談を行ったが、会談後にホワイトハウスが出した声明文には、最大の焦点だった貿易交渉の結果よりも先に、中国によるフェンタニルの規制強化が記述されていた。
トランプ氏がこの問題を最重要視したのは、同氏の支持者が多いとされる「ラストベルト」が全米で最も深刻な被害を受ける地域のひとつだったからである。中国政府は2019年4月にフェンタニルを危険薬物に指定し、規制すると発表したが、事態は改善されることはなかった。
トランプ氏は2019年8月、ツイッターの投稿で「習主席はフェンタニルの米国向け販売を阻止すると述べたが、まったくそうはなっておらず、多くの米国人がいまだに死んでいる」と批判した。一向に事態が改善しないことから、米国で「中国政府が黒幕である」とする説が高まっている。中国の麻薬産業は国際市場の過半数のシェアを握っているとされており、中国政府が「ドル箱産業」をつぶすわけがないからである。中国政府が麻薬の密輸に関与しているとの疑いは1971年から提起されている。
「悪質なフェンタニルの蔓延は米国に向けられた『アヘン戦争』である」と指摘する専門家も存在する。米軍特殊作戦司令部は2014年9月に公表した戦略白書の中で「『薬物戦』も一種の戦闘状態である」と位置づけているが、フェンタニルのように死に至るほどの高い中毒性を有していれば、軍事目的の化学兵器とみなされてもおかしくはない。
米国内で「ワシントンは中国との対決を避けてきたが、直ちに強力な制裁を科すべきである」との論調が高まっている(8月2日付ZeroHedge)。バイデン政権が中国と対峙しなければならない難問が、またひとつ増えたのではないだろうか。
(文=藤和彦/経済産業研究所コンサルティングフェロー)
ニュースサイトで読む: https://biz-journal.jp/2021/08/post_243734_2.html
Copyright © Business Journal All Rights Reserved.
【現代版アヘン戦争】中国が米国に麻薬「フェンタニル」を蔓延させ、薬物過剰摂取の死者数が過去最多の10万人越え
2022年5月22日
アメリカでは、薬物の過剰摂取による死者数が年々急増しており、深刻な問題となっています。
米疾病対策センター(CDC)によると、米国内で薬物の過剰摂取により死亡した人数は、昨年11月までの1年間で10万6854人に達し、過去最多記録を更新したとのことです。
元々、米国の薬物過剰摂取の死者数は急増していましたが、コロナ禍によってさらに増加し、2019年と比較してこの3年間で3万人以上も増えています。
中でも、薬物中毒死者数の3分の2はフェンタニルを含む合成オピオイドが関係しており、合成オピオイドに関わる死亡例が、この2年で2倍近くに増えていることが明らかになっています。
フェンタニルは、手術の麻酔薬やがんの鎮痛薬として使われていますが、安価で少量で効くことから、近年、非合法ドラッグとしてアメリカで急激に出回っています。
このフェンタニルの主な供給源とされるのが中国であり、近年はメキシコの犯罪組織を通じて、中国製のフェンタニルの米国への流入が急増しています。
○【中国は世界一の大麻生産国】日本で大麻を解禁しようとする動きも、中国共産党による工作だった!!
フェンタニルはモルヒネやヘロインの50倍以上の強さがあり、純度100パーセントなら2ミリグラムで死に至ると言われています。
アメリカに出回り始めたのは2013年頃で、オバマ政権時代から問題視されていましたが、トランプの支持者の多い地域が最も深刻な被害を受けていたため、トランプが初めて中国間の外交課題として取り上げました。
米麻薬取締局によると、中国国内のフェンタニル1kgの仕入れ額は3000~5000ドル、米国で売り捌けば150万ドル以上の稼ぎになり、暗号化されたメッセージアプリやビットコインなどの仮想通貨の普及がこうした取引の温床となっています。
こうして中国が仕掛けたフェンタニルの蔓延は、米国に向けられた『アヘン戦争』であると指摘する専門家もいます。
イギリスが清朝をアヘン漬けにしてアヘン戦争をしたように、現在、中国がアメリカをフェンタニル漬けにしようとしているわけです。
○習近平が「アメリカ潰し」でマジで始めた「現代版・アヘン戦争」のヤバすぎる罠!
言うまでもなく、中国共産党は、この日本においても大麻を解禁させて新たな市場を生み出し、日本人を麻薬漬けにしようとしており、ネット上で「大麻は安全」だと言って私たちを洗脳しているのも、実は中国共産党の仕業であることが分かっています。
日米戦争に日本を無理やり引きずり込んだ悪名高きルーズベルトアメリカ大統領の評価
ルーズベルトなる人物は、1929年の大恐慌時代に「ニューディール政策」(経済学者ケインズの理論)でアメリカ国内の大量の失業者を救った男である、と教科書には紹介されているが、最近の見解は、「ニューディール政策」は大失敗で、アメリカ国内での不満は増大していた事が分かった。
それで、戦争に参入すれば失業者の仕事が増え景気は良くなると考えたのであろうか。
しかし、アメリカ国内では「戦争反対!」の意見が圧倒的であった。
したがって、国民を騙して日米戦争を起こしたのである。
しかも、日本が戦争をせざるを得ない「ハルノート」を(国民には知らせずに)日本に突き付け、真珠湾攻撃を誘い、アメリカ国民には「日本という国はとんでもない国だ!」と演説で訴え1941年~45年の5年間にわたる戦争に踏み切ったのである。
しかも、共産主義思想を容認し、ソ連のスターリンには、様々な特権を認め(ヤルタ会談でのルーズベルトの決断)終戦後の「冷戦時代」を招いた。
しかし、このような悪名高いルーズベルトであったが、この行為がアメリカ国内ではバレなかったのであろうか?
なぜなら、ルーズベルトは1932年に大統領に当選してからなんと1948年まで4期連続で当選したのである。(但し1944年に病死している。)余程世渡り上手であったと認めざるを得ない。しかし、ルーズベルトの死後今年で74年になるが、アメリカ国内からはあちこちで、ルーズベルトに対する非難の声が高まっている。フーバー元大統領の回顧録や、元共和党の国会議員であったハミルトン・フィッシュ等々からである。彼らの声を聞き、マッカーサー元最高司令官や元共和党の大統領であったブッシュ・ジュニアも、ヤルタ協定に対する批判を行っている。日本を太平洋戦争(大東亜戦争)に引きずり込んだ事、スターリンと隠然たる同盟関係を結んだ事、中国では最初は国民党の蒋介石を支持していたが、途中からスターリンを通じて共産党の毛沢東を支持し、蒋介石を台湾に追いやった事、そして戦後は世界を民主主義と共産主義の二大思想に分け、冷戦時代を築いた事、等々は全てルーズベルトが残した悪業績と言えよう。
現段階では、以上のようなルーズベルトの思想や言動を批判するような事を口にすると、マスコミや歴史学者からは「レヴィジョニスト」(修正主義者)という批判と言うか罵倒が浴びせられる。残念ながらアメリカの正統派歴史観は「今でもアメリカの言論は学問の世界を支配している。」である。
歴史が過去の出来事を正当に評価してくれる時代を願望する。
F.R.の過ち
フーバーまでの大統領は全員ソ連を承認しなかったが、ルーズベルトだけが共産主義にシンパシーを持って共産党一党独裁国家を承認した。これに国際社会も日本も倣った。それが第2次世界大戦の始まりだった。ルーズベルトは東欧からシナ・東南アジアに広がった共産主義国家群を作り出した最大の功労者であり、ソ連の工作員だったといわれても仕方のない大統領だったことがわかる。チャーチルの愚かさもわかる。
アメリカはここで真の敵を間違って大きく国益を損なったことを反省できなかったために、その後の愚劣な冷戦を戦うはめになった。シナを共産主義に売り渡し、朝鮮戦争やベトナム戦争まで戦いたくさんのアメリカの若者を死なせた。
今もなお、アメリカが真の敵を間違い続ける名人であることがわかる。
日本はフーバーやウエデマイヤーに連なるアメリカの真正保守主義者としっかりつながることが重要だと思った。
アメリカが大麻非犯罪化に動き出した!ー人びとはなぜマリファナとかくも懸命に戦ってきたのだろうかー
園田寿 甲南大学名誉教授、弁護士
2022/10/12(水) 16:45
■はじめに
1970年に制定された規制物質法(Controlled Substances Act、以下ではCSAと略す)は、アメリカの薬物規制に関する最も重要な法律である。現在、連邦法上、マリファナ(大麻)の栽培、所持、流通、消費は、このCSAによって厳格に禁止されている。
CSAは、規制するすべての薬物について5つのカテゴリーを設定し、それに応じて法律に従わない使用を罰している。
マリファナはヘロインやLSDなどとともに、もっとも厳しい〈スケジュールⅠ〉で管理されているため、CSAはマリファナを規制するというよりも、実質的には禁止しているに等しい。
しかし、州レベルに照準を合わせると、現在約3分の2以上の州が、医療目的か、あるいはさらに進んだ娯楽目的でのマリファナ使用を認めており、マリファナ規制について連邦と州のねじれた関係が続いている。連邦政府も州のそのような動向には理解を示してきたとはいうものの、マリファナは依然として重大な連邦犯罪であることに変わりはない。
このような中でバイデン大統領が10月6日に出したステートメントは、世界に衝撃を与えた。
以下では、アメリカの薬物規制を振り返り、今回のバイデン大統領のステートメントの意義について考えてみたい。
■20世紀におけるアメリカ薬物規制の沿革ーCSA制定までー
20世紀初頭、マリファナ規制は、他の多くの薬物と同様、主に州の判断に委ねられていた。当時の憲法理論によれば、連邦政府の権限は外交や安全保障、通貨発行、税などの権限に限られ、国民の健康、福祉、道徳、安全のための一般的な措置を制定する直接的な権限はないとされていた。警察権に含まれる薬物規制も、アメリカ合衆国憲法修正第10条のもと、各州に留保されていた。連邦政府には、一般的な健康法や刑法などを制定する権限はなかった。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、各州が様々な健康条項に基づいて薬物規制を始めた。当時、南北戦争終結の余波で、負傷した退役兵士の間にモルヒネ依存者が増えていたこと、また、悲惨な戦争経験による一般市民のPTSD(当時は「過敏性心臓病」と呼ばれていた)の自己治療のために、アルコールをはじめとする酩酊物質が乱用されたことなどがその背景と考えられる。
州をまたいで流通する製品の管理については、連邦政府の権限とされていたため、連邦政府はルーズベルト大統領の時代に、最初の健康法と消費者法である純粋食品医薬品法(1906年)を成立させた。この法律は、マリファナを含む医薬品を単純に違法とはせず、正しい内容表示を義務づけ、粗悪品や誤表示のある医薬品の製造や出荷を禁止するための法律であった。
その後1914年には、麻薬を禁止するものではないが、マリファナやその他の麻薬の購入者、販売者、生産者に登録と職業税の支払いを義務付け、違反に対して罰則を科すハリソン税法が成立した。
その間、1910年のメキシコ革命によって、マリファナ喫煙の習慣があった多数のメキシコ難民が南部の州に流れ込み、大きな社会問題となった。これが後のアメリカにおけるマリファナ規制を動機づけることになる。
連邦政府による麻薬対策への要求は高まり続けていたが、その頃はむしろアルコールに対する反発の方が大きかった。しかし、麻薬と同様、連邦政府には憲法上、アルコールを禁止する権限はないと考えられていたため、1919年に憲法修正第18条が追加され、「酔わせる酒の製造、販売、輸送」が禁止された。1933年まで続く禁酒法時代の幕開けである。
禁酒法は、1929年からの世界恐慌により財政的理由によって解除され、アルコールを合法化して課税するという政策に変わる。財務省内に置かれていた禁酒局が麻薬局(FBN)に置き換えられ、初代長官となったハリー・アンスリンガーがマリファナと真剣に向きあうことなった。彼はその後32年間長官の座にあり、全米で反マリファナ・キャンペーンを展開した。
彼がその成立に力を注いだのが、1937年のマリワナ税法(Marihuana Tax Act)である。この法律は、マリファナの流通に重税を課し、医療制限のための負担の大きい煩瑣な登録手続き、違反に対する厳しい罰則を設け、全米におけるマリファナ使用を抑制しようとするものであった。なお、この法律が第二次世界大戦後にGHQの強い指示によって制定された、日本の大麻取締法の母法となった。
第二次世界大戦後の薬物事犯に対する世界的な協力関係の高まりとともに、薬物使用に対する国際条約が制定された。その代表的なものが、1961年の「麻薬に関する単一条約」と1971年の「向精神薬に関する条約」である。これらの条約の特徴は、加盟国に対してマリファナを含む薬物の使用、生産、売買の規制を義務付けたことである。
ところで、1960年代は、連邦薬物規制にとって大きな転換点だった。ベトナム戦争反対、そしてカウンターカルチャーの高まりと若者の麻薬使用の前に、ニクソン大統領が「麻薬戦争」を宣言し、薬物に対する懲罰的アプローチを強化したのである。アメリカは、マリファナを懲罰的に禁止する国際的な反麻薬体制を率先して導入した。
ニクソンが「麻薬戦争」を宣言する少し前、連邦におけるマリファナ規制の中心的存在であったマリワナ税法が、1969年に連邦最高裁で違憲とされた(リアリー対合衆国裁判、395 U.S.6 (1969))。免税措置を受けるために犯罪歴のないことを申告しなければならなかったが、この点が合衆国憲法が保障する自己負罪拒否特権に抵触するというものであった。この判決により、連邦レベルにおけるマリファナ規制に大きな空白ができたのであった。
ニクソン大統領は、ジョン・ミッチェル司法長官に、既存の連邦薬物法を統合し、処方薬と違法薬物の取引に対する連邦政府の規制の範囲を拡大する、包括的な連邦法の草案を起草するよう命じた。その枠組みは、公衆衛生と法執行の両方の手段を組み合わせたハイブリッドな性格を持っていた。CSAは、議会で圧倒的多数の支持を得て成立し、1970年10月27日、ニクソン大統領はCSAを包括的薬物乱用防止・管理法のタイトルⅡとして署名した(Pub. L. No. 91-513, 84 Stat.)。
なお、このときニクソン大統領によって任命された超党派のシェーファー委員会は、マリファナに関する法律を検討し、マリファナの個人的な使用は非犯罪化されるべきであると決定した。ニクソンはこの勧告を拒否したが、1970年代の間に、11の州がマリファナを非犯罪化し、他のほとんどの州が罰則を緩和した。
■CSAとマリファナ
1. CSAの構造
CSAは、薬物規制の分野における65年間の連邦法を統合・拡張した、包括的で複雑な法律である。
CSAは、3つの基準に基づいて、薬物を5つのスケジュールに分類している。
1)現在米国で認められている薬物の医療用途、
2)薬物の安全性、
3)乱用や中毒の可能性。
スケジュールⅠの薬物は、薬としての価値がなく、最も危険なものであると考えられている。
スケジュールⅡからⅤは、医療用として認められている薬物を含み、安全性の推定レベルが、まだかなりの規制を受けるスケジュールⅡから、スケジュールの中で最も規制が緩いスケジュールⅤへと上がっていく。
「規制」物質とは、乱用の可能性がある薬物で、包括的な法律によって規制されているものである。規制物質の所持、製造、および調剤は、原則として違法である。
CSAは、危険性、既知の医療上の利益、及び乱用の可能性に応じて、物質をスケジュールしている。
規制対象物質には、麻薬、幻覚剤、アヘン及びアヘン誘導体、興奮剤、抑うつ剤、及び蛋白同化ステロイドのような薬物が含まれる。当初は、42種類のアヘン、22種類のアヘン誘導体、マリファナを含む17種類の幻覚剤は、医学的価値が認められないとして、最も厳しいスケジュールであるスケジュールⅠに分類された。
CSAは、上述の麻薬に関する単一条約を念頭に置いており、ニクソン政権の「麻薬戦争」の目玉として制定された。それまで連邦政府は、マリファナの実質的な取締りはほとんど州に任せており、連邦政府は、表示法、物品税、財源措置、モデル法案、医療条項などを通じて、麻薬の使用を抑制しようとする200以上の多様な法律を制定していた。CSAは、この「膨大な数の法律」を1つの包括的な枠組みに集約するものである。その主たる目的は、医薬品を厳重に管理し、違法な使用による転用を防止する体制を構築することであった。とはいえ、CSAは、州と連邦の刑事執行の間の伝統的な権限分担を解消するものではなく、連邦政府は大規模な密売に、各州はストリートレベルでの使用に焦点を当てることになった(アメリカ全体におけるマリファナによる逮捕者の9割以上は、州警察によるものである)。
2. マリファナの位置づけ
スケジュールⅠの薬物は、「乱用の可能性が高い」ものであり、「米国での治療において現在受け入れられている医療用途がない」ものであり、「医師の監督の下で使用するための安全性が認められていない」ものである。
マリファナは、ヘロインなどのアヘン誘導体、LSD、エクスタシー、メスカリン、ペヨーテなどの幻覚剤とともに、スケジュールⅠに分類されている。したがって、CSAの下では、大麻はいかなる目的でも医師が処方することはできず、また、州法でも医師が処方することを認めていない。
CSAにおいては、マリファナは幻覚性物質として分類され、スケジュールⅠの下で管理されている。CSAにおけるマリファナの定義は広範であり、あらゆる種類の大麻草を包含している。
3. CSAにおける罰則
刑事罰はスケジューリングの分類に従うのが原則であるが、関与した特定の薬物や量にも関係する。例えば、マリファナを含むスケジュールⅠの薬物を初めて所持した場合、1年の自由刑に処せられる。それ以後の所持は、ほとんどが1年ごとに罰則が重くなる。販売した場合は、より厳しく罰せられる。マリファナを含むスケジュールⅠ薬物のいかなる量の販売も、5年の自由刑と25万ドルの罰金である。50キログラムを超える量の販売では、指数関数的に増加し、終身刑になることもある。
■CSAに対する司法省の態度
連邦法であるCSAはアメリカ国内で普遍的に適用される。したがって、州がマリファナの合法化をいくら進めても、それは(形式的にせよ)連邦犯罪を構成することになる。
そもそもCSAは、州法が連邦法を補強する目的で、法執行における連邦と州の協力関係を実現するために制度設計されたものである。つまり、連邦は主に州を越える流通業者や卸売業者を標的にし、これに対してストリートレベルの使用者に対しては各州が対処することにしてきた。多くの州がマリファナを合法化している現在、マリファナを禁止する連邦法が、より寛容な州法をどの程度まで無効としているかが問題になっている。
しかし実は、司法省は、連邦政府の一定の優先事項が満たされる限り、各州が医療用または娯楽目的のマリファナを合法化する制度を創設することを認めると表明しているのである。
確かにオバマ政権の最初の3年間は、司法省は医療用マリファナ薬局の家宅捜索を続け、2000年から2008年までは年間約200件、2009年から2011年までは年間約100件の家宅捜索を行っている。しかしその後、司法省は、2009年10月19日、2011年6月29日、2013年8月29日、2014年2月14日、2014年10月28日の一連のメモ(覚え書き)で、マリファナ使用を非犯罪化した州では、州が連邦優先事項に違反する大麻使用を認めない限り、大麻に対するCSA禁止規定を執行しないと発表した。
連邦優先事項とは、次の8項目である。
未成年者へのマリファナの配布防止
マリファナ販売による収益が犯罪組織に渡ることの防止
マリファナが合法な州から他の州への横流しの防止
マリファナ関連の行為が違法薬物の売買の隠れ蓑として使われることの防止
マリファナ関連での暴力や銃器の使用を防ぐ
マリファナによる運転障害やその他の公衆衛生上の悪影響を防ぐ
公有地でのマリファナ栽培を防ぐ
連邦財産内でのマリファナの所持や使用を防ぐ
各州がこれら8つの好ましくない結果を防ぐための適切な対策をとっている限り、連邦政府は州のマリファナ合法化を妨げることはない。
2021年、バイデン=ハリス政権1年目の薬物政策優先事項に関する声明
以上のような状況で、昨年(2021年)4月にバイデン=ハリス政権1年目の薬物政策優先事項に関する声明が出された(The Biden-Harris Administration’s Statement of Drug Policy Priorities for Year One(2021年4月1日))。
今回の声明は、この2021年の声明をさらに具体的に進めるものである。概要は次の通りである。
過剰摂取と依存症の危機は、あまりにも多くのアメリカ人とその家族に悲痛な犠牲を強いている。2015年以降、過剰摂取による死亡者数は35%増加し、2019年には70,630人と歴史的な高水準に達した。これは、アメリカにおける他のどのタイプの傷害死よりも高い増加率だ。違法に製造されたフェンタニルやメサドン以外の合成オピオイド(SOOTM)が増加の主因となっているが、近年、コカインやメタンフェタミンなどの精神刺激剤が関与する過剰摂取による死亡も、特にSOOTMと組み合わせた形で増加傾向にある。
バイデン大統領は、過剰摂取と依存症の蔓延に対処することが政権の緊急優先課題であると明言している。3月、大統領はアメリカン・レスキュー・プランに署名し、薬物乱用・精神保健サービス庁と保健資源サービス庁が重要な行動衛生サービスへのアクセスを拡大できるよう、約40億ドルを充当する法案を成立させた。バイデン大統領はまた、薬物使用のために人々を投獄すべきではなく、代わりに治療を提供すべきであると述べている。さらに大統領は、現在刑事司法制度に存在する人種、性別、経済的不公平を根絶する必要性を強調している。
この薬物政策の優先事項は以下の通りである。
エビデンスに基づく治療へのアクセスを拡大する。
薬物政策へのアプローチにおける人種的平等の問題を推進する。
エビデンスに基づく有害物質削減の取り組みを強化する。
青少年の薬物使用を減らすための、エビデンスに基づく予防の取り組みを支援する。
違法薬物の供給を削減する。
回復可能な職場の推進と依存症労働者の雇用拡大、そして
回復支援サービスへのアクセスを拡大する。
国家薬物統制政策局(ONDCP)は、これらの優先順位を満たすために、ホワイトハウスの他の部門、機関および議会、州と緊密に協力する。(太字は筆者)
■結語
2021年の声明でもっとも注目されるべきは、処方箋オピオイド(麻薬)の監視と供給をコントロールする取り組みでさえ、逸脱行為を特定し刑罰によって根絶する努力としてではなく、医療の品質管理という観点で語られていることである。
そして、多くの著名な政治家や法律家が、現在の危機から逃れるために逮捕という手段を選択することはできないと公言している。
今回の声明ではこの考え方がさらに具体的に進められたのである。
今後CSAの規定では、連邦司法長官は、保健福祉長官、アメリカ食品医薬品局、国立薬物乱用研究所と協議の上、分類にそぐわなくなった薬物をCSAスケジュールから削除、またはスケジュール間の移行、つまり「再スケジューリング」の手続きを執ることになるだろう。再スケジュールの基準には、以下のものがある。
乱用される可能性が実際にあるか
薬理学的効果の科学的証拠
麻薬またはその他の物質に関する現在の科学的知識の状態
乱用の歴史と現在のパターン
乱用の範囲、期間、および意義
公衆衛生に対するリスクがある場合はその内容
心理的または生理学的依存性
すでに規制されている物質の直接的な前駆物質か否か
マリファナに関して重要なのは、現在認められている医療用途があるかどうかという点である。今後は、この点に関して(おそらく積極的な)審議がなされることになるだろう。
年間約150万人の人びとが薬物容疑で逮捕されてきたが、そのほとんどがマリファナに関係していた。
過去数十年にわたって薬物との戦いに1兆ドル以上を費やしてきたアメリカ合衆国が、この戦いがほぼ一貫して違法薬物を販売したり使用したりする人びとを「犯罪者」にしようとする執拗な努力であったことを認めた。そしてこれは実質的には、数十年にわたって行なわれてきた「薬物戦争」の終結宣言なのである。
今まで多くの人びとが、マリファナの何に対して、また、なぜ、かくも懸命に戦ってきたのだろうか?(了)
[参考]
Kathleen J. Frydl:The Drug Wars in America, 1940-1973(2013)
Jonathan P. Caulkins,others:Marijuana Legalization(2016)
Osbeck&Bromberg:Marijuana Law in a Nutshell(2017)
Emily Dufton:GRASS ROOTS―The Rise and Fall and Rise of Marijuana in America(2017)
Christopher M.White:THE WAR ON DRUGS IN THE AMERICAS(2020)
JohnHudak:MARIJUANA―A Short History(2020)
David Farber:The War on Drugs(2022)
〈追記〉
THCに関して、記事に一部誤りがありました。ご指摘を受けましたので、削除して訂正いたします。ありがとうございました。(20221012)
甲南大学名誉教授、弁護士
1952年生まれ。甲南大学名誉教授、弁護士、元甲南大学法科大学院教授、元関西大学法学部教授。専門は刑事法。ネットワーク犯罪、児童ポルノ規制、薬物規制などを研究。主著に『情報社会と刑法』(2011年成文堂、単著)、『改正児童ポルノ禁止法を考える』(2014年日本評論社、共編著)、『エロスと「わいせつ」のあいだ』(2016年朝日新書、共著)など。Yahoo!ニュース個人「10周年オーサースピリット賞」受賞。趣味は、囲碁とジャズ。(note → https://note.com/sonodahisashi)
【座右の銘】法学は、物言わぬテミス(正義の女神)に言葉を与ふる作業なり。
参考文献・参考資料
中国外交部、「主要な麻薬供給国」認定に断固反対 (msn.com)
中国の麻薬産業は国際市場の過半数のシェア、「ドル箱産業」をつぶさない:米国、薬物中毒の死者数が急増 | ビジネスジャーナル (biz-journal.jp)
【現代版アヘン戦争】中国が米国に麻薬「フェンタニル」を蔓延させ、薬物過剰摂取の死者数が過去最多の10万人越え | RAPT理論+α (rapt-plusalpha.com)
アメリカが大麻非犯罪化に動き出した!ー人びとはなぜマリファナとかくも懸命に戦ってきたのだろうかー(園田寿) - エキスパート - Yahoo!ニュース
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?