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スポーツで言う「腰をひねる、腰をまわす」という本当の意味

今日は背骨について少し解説してみます

専門用語がたくさん出てくるのですが、簡単に言うと

「腰の骨を回すのではなく、胸の部分の骨を回して動きを作ろう」

と言うことです

今回の記事でわかること

・胸椎の動きの大切さがわかる

・多裂筋の動きの重要さがわかる

・綺麗な姿勢を保つのに必要な、多裂筋の働かせ方がわかる

以上のことについて解説していきたいと思いますので最後までお付き合いください

背骨(特に第12胸椎)を動かしてみよう

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良い姿勢を作るために最初に気をつけたいのは、背中にある「多裂筋」と言う筋肉です

実は、姿勢の悪い人の多裂筋は正常に動いていないというのです

正しい姿勢の基本を作るのは背中です

背筋がピンとした姿勢は、背骨を正しい位置に維持することで成立します

それを維持しているのが、背骨のサイドにある多裂筋なのです

背骨の構成は、

頚椎・・・7個

胸椎・・・12個

腰椎・・・5個

仙骨

尾骨

合計26個の椎骨という骨が積み重なってできています

 この中でも特に、背骨を正しいポジションで維持するために重要と考えられるのは、腰椎のすぐ上にある「第12胸椎」周辺の多裂筋となります

この周辺の筋肉の動きが悪くなると、背中を反らせたり、その姿勢をキープしたりする事ができなくなります

その他には、体をそらすという動きだけでなく、体を捻ったり、腕を上げたりする上半身の動きにも制限がかかってきます

これは、背中を丸めた前屈みの状態で腕を上げると上げにくいことからわかります

背中の図や写真を見ると、頚椎にも腰椎にも左右に横突起が出ているのがわかります

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しかし第12胸椎の横突起は極端に短いです

上半身の動きを作るのは胸椎で、中でも一番動きが大きいのが第12胸椎なのです

反対に、背骨の中で一番動きが悪いのが腰椎です

背骨の下部、腰の部分の骨です

これは陵南の「越野」

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出典「スラムダンク」井上雄彦

胸椎や股関節が固くなって、腰椎がねじれてしまうと、近くを通る足への神経を傷つけてしまう可能性が出てくるので、腰は本来捻れないシステムになっています

世間一般では、「腰を回す」「腰をひねる」という言い方をしますが、実は腰椎はほとんど動いていないのです

それではどこを動かして捻る動きを出しているのかというと、それが「第12胸椎」なのです

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出典「ペナントレース やまだたいちの奇蹟」こせきこうじ

柔軟性を得たいからと言って腰椎をこんなに捻ったらダメ

例えば、座った状態で足を動かさず、上半身を左に90度ひねってみましょう

この時、坐骨から腰椎は動いておらず、腰の部分は後ろを向いたままだと思います

そして、お尻が接しているところから20〜30センチくらい上の背骨からひねりが始まって背中も横向きになっていきます

その捻りがはじまった部分の骨が、第12胸椎となります

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 この時、もし第12胸椎の動きが悪かったりすると、本来は動かないはずの腰椎を無理矢理動かさなければいけません

そうなると、当然の如く腰に負担がいくことになります

ゴルフのスイングで、骨盤を回して、さらに膝を動かしてボールを打っていると・・・

膝と骨盤を回す→下半身がブレる

第12胸椎周辺の多裂筋を使ってしっかりひねる→骨盤が安定するため下半身がブレない

野球のスイングも同じ原理です

この章のまとめ

第12胸椎周辺の多裂筋は重要

第12胸椎を柔軟に動かそう

腰椎はねじる動作は苦手

腰椎がねじれると神経を損傷する原因になる

腰痛予防で腹筋はやめた方が良い

本来は動かない腰椎を無理に捻るとぶっ壊れます

それが腰椎分離症、脊椎すべり症です

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動くのが苦手な腰椎が動くことで骨同士がぶつかり続けて割れてしまいます

つまり、疲労骨折して分離して外れてしまい、それが神経を圧迫して腰痛や足の痛みやしびれを起こします

 第12胸椎周辺の多裂筋を鍛えることなく、腹筋ばかり一生懸命頑張って鍛えたり、頑張ってランニングすることで、逆に腰椎や骨盤を悪くしてしまう事がよくあります

最近ではプロ野球のキャンプでもあまりランニングをしていません

 これが体にいいと思って運動していても、後々逆効果であった運動をやっている人はたくさんいます

背中の多裂筋を動かさないのは腰痛の原因の一つなのに、体を縮める腹筋運動ばかりしていてはもったいないです

腹筋運動についてはこちらの記事を

テレビや雑誌・新聞記事でも「腰痛には腹筋がとても大事」と言います

医者に言われたらそりゃもう信じてしまうのは当然です

腹筋をしている時に腰が痛くなっても、「いつか治る」と思っているので、痛すぎてできなくなるまで変に真面目な日本人は続けてしまいます

その結果、腰痛はどんどん悪化します

その理由が腹筋運動だったということも診てきた患者さんで実際にありました

この章のまとめ

・腹筋だけ鍛えてもダメ

・セットで背中部分の多裂筋を鍛えよう

多裂筋がきちんと動いているのかチェック

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 では、第12胸椎周辺の多裂筋がきちんと動いているのかどうかチェックしてみましょう

やり方は簡単

うつ伏せになって「上体反らし」をしてみましょう

①腕をまっすぐ上にバンザイするように伸ばしてうつ伏せに寝る

②足を床から離さず反動を使わずにゆっくり状態を反らせてみよう

※首だけ上げたり、腰を使って反らせたらダメ

いかがでしょうか?

指先は床から何センチくらい離れましたか?

30センチ以下の人は多裂筋がほとんど動かなくなっています

多裂筋が良く動く人ほど指先は床から離れます

理想の高さは60センチくらいです

この動きは、ストレッチだけではなく、背中の多裂筋を縮めることで背中を外らせる動きをクセつけるトレーニングになります

ただ単に反るのか、多裂筋を意識してそこを働かせるために反っているだということをイメージしてやるのかでは、結果が全然変わってきます

気をつけた方がいいのは、うつ伏せで状態反らしをする時に、頭の後ろで手を組んだり、腰に手を回して状態反らしをすると、支点が腰になってしまって腰を痛めてしまう事があるので気をつけましょう

多裂筋の矯正方法はこちら^^

まとめ

第12胸椎周辺の多裂筋は重要

第12胸椎を柔軟に動かそう

腰椎はねじる動作は苦手

腰椎がねじれると神経を損傷する原因になる

腹筋だけ鍛えてもダメ

セットで背中部分の多裂筋を鍛えよう

今日言いたいことはそれくらい

ペナントレース やまだたいちの奇蹟はLINEマンガでも読めるので是非^^

数少ない兄が弟に勝つマンガです^^


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