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『嗣永伝 NO.2』 嗣永の自己紹介というか、活字に苦手意識を持っている人間が、自身で小説を書くようになった経緯を語っていく。

小説を書こうと思い立ち、
実際に小説の執筆に取りかかったわけだが、
そう簡単に最初から上手く書けるわけもなく、
案の定、執筆は難航した。

小説を書きたいという
情熱だけはあるものの、
ストーリーにしたいテーマもなければ、
技術も語彙力も壊滅的に欠落しており、
小説の冒頭だけはなんとか、
それっぽいものは書けるものの
一向に完成させられずに、
小説の出来損ないのようなものを量産する日々が続いた。

才能ないのかも……

その上、尋常じゃないほど文章の構成力がなく、
書きたい描写だけは浮かぶものの、
それを文章として読める状態に持って行くまでに
かなりの時間がかかってしまい、
一日中書いて、書き上がった文章は
原稿用紙、一枚に満たないなんてこともザラだった。

ストーリーも浮かばない。
思いついてもチンケな物語。
語彙力もボキャブラリーも欠落してる。
文章の構成力も圧倒的に足りない。
とにかく遅筆で文章を仕上げるのに時間がかかる。

やっぱ、ぼくは学習障害なのか?

なのに、文章に対するこだわりだけは、いっちょ前に人一倍ある。

読みやすく、面白く、リズム良く、
適切な表現を求め、美しい言い回しにこだわる

よい文章を嗅ぎ分ける嗅覚は持っているくせに、
それをいざ自分が書こうとすると、
その自分の中での正解にたどり着くまでに、
とにかく時間がかかるのだ。

前に進まない……💦

こう言うと何なのだが、
というか人と比べたことがないので、
それがあるのかどうかも判断できないのだが、
ぼくにはよい文章を見極める審美眼がある。

あくまで個人的主観で、好き嫌いで判断しているだけなので、
その好き嫌いが、判断できるといってるだけで、
自分がよい文章を書けるとは言っていないので、
その辺はあしからず。

そしてそれは、なぜかはわからないけど、
読む前から、パッと見で判断できるのだ。

「あ、これ、好きそう!!」とか

「お、この文章、読みやすそう!!」とか

そういった感じで、見分けられて、
実際に読んでみると、
その通り読みやすかったり、
面白かったりする。

精度は9割9分9厘くらいと思う。

これまで面白そうって思って、
小説を買って、ハズレを引いたことがない。

ジャケ買いならぬ、パッと見買いだ。

まあ、だから何だ? って言われたら、それまでなのだけど……。

まあ、それはそうと、
その審美眼はあるくせに、
自分でその文章を書けないせいで、
一向に小説を完成させられない日々が、
永遠と続くのだ。

たぶん、10年以上は、
小説を完成させられない日々が続いたと思う。

まあ、その日々があったお陰で、
ある意味、文章力の筋トレになり、
人並みには文章が書けるようになったのは
間違いないとは思うが、

まあ、今でも遅筆なのは、変わってないけれど……。

あ、ちなみに遅筆なのは、小説のときだけで、
ふつうの会社で文章を書くときや、
こうして記事を書いているときなんかは、
それなりに速筆なほうだと思う……。

おそらく、良い文章を書こう!! って
ヘンに力が入ってしまって、
それが原因で遅筆なんだと思うけど、

ときどき、その力みが抜けて、
超速筆になったりする。
一般的に言うところの
ゾーンに入る的な感じだろうか?

まあ、いいや。

文章を書くときに、いつも思考が寄り道をしている
せいで、よく脱線するのは大目に見てほしい……。

で、何の話だったけ?

ああ、10年かかったね……。

で、その10年かかって、
あることを辞めたのだ。

文章の完成度を求めることを!!

幾ら良い文章をどれだけ書けようとも、
完成させられなければ一緒!!
小説もどきの文章を量産するだけ!!

そう決意し、ある短編小説を3日で書き上げた。

文章はひどいものだったし、
ストーリーもグダグダで
オチも無ければ、盛り上がりもない
ちょっと、ここで人様に見せるには
憚られるような、駄作だった。
(一生お蔵入りにするつもりなので、その作品を公開することはないと思います)

ただ、駄作だったが、
10年以上も小説を完成させられない
日々を過ごしていたこともあり、
小説が完成した瞬間、

「や、やっと完成させきれた!! ぼくでもやればできるんだ!!」

や、やっと……(涙)

と、しばらく放心状態だったと思う……。

そして、それがぼくの小説家として、
最初の第一歩を踏み出した日だった……。



次回に続く……




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