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「入りにくいお店」であることは悪いことじゃない?

僕は今、京都でLaughterというコーヒーショップを運営しています。

ところで、皆さんはまちを歩いていて
「このお店入りにくそうだな…」と思った経験はないでしょうか?
誰しも一度は感じたことがあるのではないかと思います。

僕も入りにくそうだなと何度も思ったことがありましたし、コーヒーに詳しい・詳しくないに関係なく誰もがふらっと立ち寄れるようなお店を作りたいと思い、テナント探しの際はとにかく間口の広さを重要視していました。

結果的に、間口が広い物件と出会うことができ、それを最大限生かそうと全面ガラス張りに仕上げました。

外からは中の様子が完全に見えるようになっているので、通りがかりの方がふらっと入ってきたり、帰り道の小学生が話しかけてきてくれたり、時には迷っている方に道を聞かれたり…
ガラス張りにしたことで、店内と店外の境目があいまいになり、生まれるコミュニケーションが沢山ありました。
ここは、ガラス張りにしてよかったと思うポイントです。

一方で、
「入りにくいお店だと思っていました」
というお声もいただきます。

ガラス張りになっていることで、お客さんが入っていないことも見えますし、逆にお客さんが入っていて店内が盛り上がっている様子を見て「入りにくい」と感じる方もいるようで中々難しいものです。

チェーン店ではない個人店にとって、この「入りにくいお店」問題はどうしても直面するものだと思います。
せっかくだったら一人でも多くの方に気軽に立ち寄ってもらいたいという想いがあるので、「入りにくいお店」ってなんだろうとずっと考えていましたが、最近「入りにくいお店」というイメージは決して悪いものではないのではないかと思い始めました。
それは、

「入りにくいお店」というイメージを持っている方はまだ来店されたことないケースが多い

ということ。「入りにくいお店」というイメージは、実際に来店して嫌なイメージがついたというよりは、来店されたことが無い方が抱いているイメージのことが多い気がします。
もちろん、営業を頑張ってもっと知名度や口コミを増やして実際の来店に繋げていく事が大事ですが、少なくとも「行きたくない!」というマイナスイメージではないと言えます。
逆にお店の存在自体は認知してもらえているとプラスに捉える事も出来ます。

また、ネットが普及したことで、来店前に情報を仕入れられるようになり、ぱっと見で何のお店か分からなくてもGoogleマップで調べればメニューから店の雰囲気、値段までが入店しなくても分かる時代になりました。
うちのお店でも立ち止まってどんなお店か調べているんだろうなぁと思う方が時々います。
入りにくさの根底は結局「色んな事が分からない」事だと思います。そんな疑問を入店前に解消できるようになったのは大きいです。

以前とあるコーヒーショップの方のブログで、「入りにくいお店」は良い意味でお客さんの選別になっているという記事を見ました。
「入りにくい」とは言い換えたら、独特の雰囲気やこだわりを持っていそうなお店とでも言えるでしょうか。

その雰囲気をお客さん側が感じ取って入店するかを決めてくださる。
だからこそ、「入りにくいお店」であることは悪いことではないのだと。
これにはなるほどなと思いました。
お店の雰囲気は内装や店員の感じも重要ですが、「店内」という空間を共に作り上げるお客さんがいてこそ完成されるものだと思っています。

ジャンル分けするならば、「自家焙煎コーヒー専門店」といえる当店も、コーヒーの知識や飲む量に関係なく、ふらっと立ち寄っていただける場所でありたいと思っています。

ぜひ、京都の地で美味しいコーヒーと共にお待ちしています!

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