「もう、何もかも面倒くさい…」 40歳の独身男は今日も一日をだらだらと過ごしていた。データ入力の仕事は、ただただ時間を潰すための作業に感じられていた。 そんな男のもとに、ある日、見慣れない男が現れた。「未来から来た」という未来人は、男に「未来の家」を売り込んできた。衣食住がすべて自動化され、健康的な生活を送れるという。 半信半疑ながらも、300万円という値段に惹かれ、男は購入を決めた。 "300万円で一生働かなくてもいいのか" 未来の家は、まるでSF映画に出てくるよう
夏美は、鏡に映る自分の姿にため息をついた。何度目のダイエットか、もう数えきれない。冷蔵庫にはサラダチキンとブロッコリーがぎっしり。それでも、心のどこかで「あー、いっぱい食べても太らない体になりたいな」と願っていた。 そんなある夜、いつものようにコンビニでダイエット食品を選んでいると、友人に誘われてパフェバーへ。甘い香りと華やかな雰囲気に包まれ、普段なら絶対選ばないような豪華なパフェを頼んでしまった。 「すごい美味しそうですね。よかったら一口いかがですか?」 隣に座った男
"大凶" 「なんだよ、ついてねーな」 すがる思いで立ち寄った神社で、おみくじを引いたダイサクだった。 頭脳、運動など飛び抜けた才能はなく、窓際族として働いて早20年。蓄積したのはお腹の脂肪だけ。 退職後の華やかな隠居生活に期待がもてないダイサクは「一攫千金」に夢を膨らませていた。 「あ、神社に財布を忘れた」 もうすぐ家に着くところで気づいたダイサクは、神社に引き返した。イライラしながら向かっていると強面の人と肩がぶつかり慰謝料を請求されたが断った。しかし、それでは済まさ
「私はもうどうせ痩せないんでしょ」 それを聞いた医師は答えた。 「そんな事はありません。きっと痩せますとも」 マニュアル通りに答える医師に苛立ちを抑える事が出来なかった。 「もう、ここには来ません。では」 「ちょっとお待ちください。最新の機械で脂肪吸引致しましょう」 女は笑った。 「そんなもんもうとっくにやったわ。最新の医学では、痩せるDNAを体内に組み込むとかじゃないの。期待させないでよ」 医者は慌てた。 「そ、そんなことができるはずがありません。倫理的にも無理ですよ」 女
ダイエットしても痩せない女の元に、一通の不思議な招待状が届いた。 「ミラーランドへご招待致します」 赤い封筒には、航空券も同封されていた。 「ミラーランド?ピーターパンじゃないんだから、そんなところ行くわけないじゃん」 半信半疑で招待状の裏を見ると、驚愕の文字が躍っていた。 "我が島では、高級食材を含む全ての食べ物が永久に食べれます。お金は一切かかりません" 「フカヒレ、キャビア、フォアグラ、、、」 高級食材が食べ放題だなんて、夢のような話ではないか。 プライベートジェット
もしかして、このままいけば痩せるかも。 私は現在、絶賛ダイエット中の35歳。気づけば社会人になって、25kgも太ってしまった。 「肥満」 毎年健康診断の結果。気にしてはいたけど、どうにかなると考えていた。もちろん、毎年結果が出る度に、甘い物を控えたり、運動したりした。 が、 変わらなかった。 しかし今回だけは違う。 食事制限をした所、体重が2kgも落ちたのだ。そこで、私は思った。 1週間で2kg落ちたって事は、2週間4kg、1ヶ月で、、、8kg!?そう上手くいかなく
最近はやたらとライバルが増えた。 コンビニという、専門店を撃破する味を生み出す組織だ。 さらに、再現性、アレンジ、デザイン、広告など、我らローカル弁当は到底敵わない。 あ、 申し遅れました。 私、"チキン南蛮"です。 一昔前は不動の人気を誇っていました(ドヤ顔) 人気を維持する為に考えたのが、タルタル乗せです。 黄金比率でしょ(エビデンスはない) でも社会変容に問題があって、、、 『ヘルシー思考』 私からしたら なんやねんヘルシー思考って! 美味いもんを我慢
ぼくのパパは、七福神のお腹が出ている人と同じお腹です。 説明すると、お腹がでているという意味です。 「お父さんのお腹にはあかちゃんがいるんだよ」 と言いますが、あまり面白くありません。 お母さんは昔に比べて10kgも太ったらしいです。 なんで大人になるとみんな太ってしまうのだろうか。 そんな僕の疑問がひっくり返る時がきました。 僕の通う小学校で初めて授業参観がありました。授業は、お父さんお母さんと協力して問題を考え発表する授業でした。となりの席のゆきちゃんのお父さん
私は物心ついた時には"すでに"見えていた。みんな見えているものだと思っていたが、そうではなかった。 「誰に話しかけてるの」 幼稚園の時、好きだった男の子に言われた。 「おばぁちゃんだよ」 そう答えた私を見る男の子の顔は、今でも忘れられない。 それからは、人前でおばちゃんと話す事を辞めた。 おばぁちゃんが私の前に現れる時はいつも決まっていた。 4000gで生まれた私は、食欲旺盛だった、らしい。それは今でも変わらないが。 昔から食べ過ぎそうになると周りが、 「もう、ダメ
「言われたことしか出来ないって、ロボット人間だね」 「なんで言われた通りにやらないんだよ」 世の中、言われた通りにやっても皮肉られ、言われた事以外やっても怒られる。 どっちが正しいか、私は証明した。 私は、学生の頃から給料が安定の「公務員」になると決めていた。他と比べて秀でてるものもないし、やりたいことも特にない。親からも「公務員になりなさい」と勧められていた。 「公務員なんてつまんないぜ、自分の意見なんて通らないし、上から言われたことだけをやるだけだよ」 大学時代、
「言われた事だけしか出来ない作業人間になるなよ」 「レールに乗った生き方はつまらないぞ」 世の中、型にハマりつまらない人生を送っている人だらけだ。 そんな私は、時に天邪鬼と揶揄されるが、型破りな人生が性に合っている。 「その内、起業するんだ」 が男の口癖である。 男は学生時代のバイトから型破りが始まっていた。 コンビニでは、 「こっちの方が絶対売れる」 と、陳列を勝手に変え、ガソリンスタンドでは、ユニフォームを着ずジーパンTシャツになり、さらにコールセンターでは、友
食文化が進み"肥満"という概念が生まれ、1863年ついに世界初のダイエット本が発売された。 太っている事は富の象徴から、不健康へとベクトルが変わった瞬間でもあった。しかし不健康と言っても、体が痛くなるわけではないので、浸透するまでには至らなかった。 時は2040年 ダイエットの研究に熱が入る男がいた。 青年はダイエット研究を始めて20年、どうしても仕上げたい論文があった。 それには、 過去に行く必要があった。 それまで青年は歴史をさかのぼり、流行ったダイエット50種
国が裕福になり、膨よかな人が量産された。 そんな裕福になった国の大都市に、突如大きな箱物が建てれた。 完成すると人々は「待ってました」と言わんばかりに、吸い込まれるように箱物に入っていった。 ケイコは呟いた。 「みんなバカね。あんな箱物に行くなんて。あんなもん食べるからだよ」 ケイコの食はシンプルで、 お米、味噌汁、焼き魚、漬物 焼き魚は変わるが、朝昼晩だいたい同じ。 悪魔の粉と称された白い粉は、形を変え色を変え、お茶の間にすぐに浸透した。 「う、うまい」 「何個
振り返ってみると、私の人生ってダイエットそのものかもしれない。 口いっぱいにパンケーキを頬張った罪悪感を、今日も正当化。 「これで食べ納め」 ダイエットを始めたのは、中学生の時。忘れもしない、母に「太っていると、からかわれるから痩せなさい」と言われ、始めたのがウォーキング。全然痩せなかった、というより痩せる気がなかった。 それから 「ヨーグルトダイエット痩せるらしいよ」 「えー、私はブートキャンプ派だよー」 と、よこ聞きしたのをすべて真似た高校時代。異性を意識してからは
"痩せるダンス" 動画のタイトルに乗せられ、踊った。 蝉が鳴く真夏の中、蒸し風呂状態になった部屋で踊った私のTシャツは、びしょびしょに濡れていた。 「ふー、こりゃ痩せるわ」 10分踊り続けた私の膝は、笑っていたが、座る前に体重が減った事を確認したかったので、体重計に乗った。 「えー、こんなに汗かいたのにたったの1kg」 文子はがっかりした。膝の笑い具合いとイコールは-3kgだった。しかし文子は冷静になり考えた。 「ん、待てよ、1回で1kgって事は10回やると、、」
1ヶ月で10kg痩せる方法教えて。 1ヶ月で10kg痩せる為にすることは、摂取カロリーが消費カロリーを上回らない事です。その為には、適度な運動をしましょう。 「チェッ。何がAIだよ。誰でも分かる答えなんか出しやがって。使えないなっ」 社会人になって15年、よしおのお腹にはしっかり脂が乗っかっていた。 らーめん、ギョーザ、チャーハン、ビール。 近所にある中華屋さんに週1回は通い、毎回ラーメンセットを頼む。このメニューは昼食や夜食ではない。飲んだ後の〆である。さらに、冷